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9にしようか10にしようか

フォントサイズのことである。

今私は個人で本を作っている。工程が進めば進むほど決めることが増えてきて、もう分からなくなってきている。何をどう決めたらいいのだろうねえ〜とふわふわモードに突入してしまった。

今月で初稿を全て書き上げる。ここ数ヶ月、本用の原稿をコツコツ書いてきて、ようやく一区切りが見えてきた(そのあとに推敲が待っているのだけど)「よしよし。進んでいるぞ」と思いつつも、本作りは同時進行でさまざまなことを考えていかねばならない。

表紙デザイン、本のサイズ、印刷会社、本文デザイン、紙の種類、フォント、余白、ページ数、ページ番号は上か下か、奥付に何を書くのか、何部印刷するのか……。

文章を書くだけではなく、形にするためには細かい所まで考えていかねばならない。もちろん、自分で作る本なので楽しい作業である。自分の好きなようにできるなんて最高だ。

そう思っていたのに、最近原稿を縦書きにして、文章の全体の雰囲気を確認している中で、分からなくなってきたのである。決めることが多すぎて何がベストなのか分からない(最初は横書きで書いていました。縦にするといろいろと修正したくなるね)

例えば、フォントのサイズは9か10くらいがいいかなと思っているのだが、「9にします」「10にします」と今はまだ判断ができない。読みやすくなる、ページ数が変わるなどの良し悪しがあり、どっちも「いいなあ」と思ってしまうからだ。ページ番号に関しても、上か下に記載するのが選べるが、私的には「どっちもいいなあ」と思っている。上でも下でもそこに番号があるのなら私はありがたい。紙の種類も「いっぱいだなあ」と見本をパラパラめくってスヤアと眠っている。用紙の単位がもう体重にしか思えない。余白の気配を感じたら微笑みながら画面を閉じる。

選択の連続に驚いている。選択が多いと疲れてしまうため、なるべく日々の暮らしの中では、選択場面が少ないように意識している。自分で選んで作っていく楽しさと難しさを久しぶりにドーンと浴びて、狼狽えてしまった。

楽しいけれど、「これ!」と決めていく作業は頭を使う。個人で本を作っている方々はこの選択を乗り越えていると思うとすごすぎる。

今私が分からないと思っていることも、正直別になんでもいいのだ。好きなように選べばいいし、それがベストになるのだから自由に楽しんで選択すればいい。ただやはり、納得して作りたいからこそ「これにする!」という理由を明確にしたい。まだ明確になっていないから、フォントサイズが頭の中でぐるぐる回っている。

いつかは決めないといけない。締切を自分で設定しているから必ず終わりがあるのだが、終わるときに私は何をどう思い、決めているのだろう。

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今の気持ちを忘れないように書いてみました。本作り少しずつ進んでいます!完成まではまだかかりますが、お楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます!短編小説、エッセイを主に書いています。また遊びにきてください♪