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個人

以前、聞いた一言が耳の残っている。
「どこへ行くのも(恋人が)ついてくるんですよ」

どこへでもひとりで行く。
買いもの、映画、回転寿司、ファミレス、旅行、プロレス観戦、競馬場。ラーメンもとんかつも、海外旅行も、ドゥバイの競馬場もひとりで行った。
郡上へも鳥取砂丘へも東京へも、ひとりで行く。

そもそも、誰かの行動に合わせるのが苦手。
その場の思いつきで行動する。計画通りに見て回る。予定を変更して泊まる。行き先を決めずにぶらりと出かける。
ひとりなら、なんでもできる。

誰かが一緒だと、相手の意見や気持ちも尊重しなくてはならない。それはそれで楽しくないわけじゃないけれど。
いつも一緒は息が詰まる。

行動の単位は基本ひとり。
そして、相手にもそれを求める。

私が誰かを誘うとき、それはその人を誘っているということ。
でも、恋人や配偶者がいると「ふたり一緒にいいですか?」と言われる。ときには「ふたりで行きます」と断言される。
いや、私が誘ったのはあなた。あなた個人。
ふたりとも誘うときは「ふたり一緒にどうだい?」と尋ねる。そう聞かなければ、ふたりを誘っているはずがない。

ただ私はあなたとこれをしたい、と思った。
私としてみて、よければ次は恋人なり配偶者なりを誘ってすればいい。

恋人や夫婦のようなカップルになると、ふたりでひとりになる。
ふたりが溶けて交じりあって、ひとりになるのだろうか。
ひとりの意見、ひとりの考え、ひとりの気持ち、ひとりの行動。それがすべて、ふたりのものになる。
怖い。

すべてをさらけ出して共有することを苦手と思う私が異端なんだろう。
でも、私は私でありたい。
自分の思うまま、ひとりで歩きたい。

個と個の関係は、相手が個のときにしか成り立たない。
いつまでも個と個で付き合っていけたらいいのに。


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