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鶴岡市の議員定数は何人が適正か。

2021年10月の鶴岡市議会改選に向けて、議員定数は何人が適正なのか議論がなされています。

現行の議員定数は32名。しかし2名は山形県議選に立候補、1名は急逝したため、現在は29名です。
私を含めて12人の議員で構成されている「議員定数等検討特別委員会」では、これまで10回の会議を行なってきました。

2019年秋に実施された市民アンケート、1月の市議会モニター意見交換会、2月の参考人意見聴取会のまとめ が5月11日に鶴岡市HPに掲載されました。同じページに載っている議員対象アンケート結果の抜粋では、コメントに議員の本音が透けて見えます。ぜひ併せてご覧ください。

市民アンケートの結果を見てみると

回答者数がわずか65人です。地域別にみても、鶴岡地域が最も多いのは当然ですが、羽黒と朝日が1名ずつでは分析のしようがありません。
この結果は市議会への無関心を反映していると同時に、市役所から市民に向けたアンケートの呼びかけ方に改善の余地があるのではないか。今後、市民参加・市民協働を進めていく上でも重要な課題だと考えます。
また、回答者の4分の1が適切な議員定数について「分からない」と答えた事実は、市議会との距離が遠く、その活動や存在意義が伝わっていない証左だと思われます。

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議員定数を考える様々な視点

鶴岡市にとって適切な議員定数を考える上での視点を幾つか紹介します。

人口 山形県内でいえば、山形市(定数33)より少なく、酒田市(定数28)より多い12万3000人
面積 東北では最も広く、全国第7位。香川県の3分の2、東京23区の2倍ほど。しかも海から山まで多様な環境に恵まれている。
類型別団体区分が同じIII-1に属する自治体との比較 岩手県一関市、千葉県成田市、沖縄県沖縄市など人口や産業構造などが類似した22自治体(類似団体とも言う)を見ると、議員定数の平均は「27」。最少は埼玉県富士見市の21。鶴岡市の32が最多。
委員会の構成 鶴岡市議会には、総務・市民文教・厚生・産業建設の4つの常任委員会がある。それぞれの常任委員会で充分に審議するために必要な人数を何人と規定するか。7人なら定数28、8人なら定数32。
議員は地域代表? 市議はそれぞれの地域を代表して選出されているわけではなく、全市域を1つの選挙区として選出されている。旧市町村ごとに選挙区を設けて実施された2005年=1市3町1村が合併した直後の1回を除いて、3回の選挙を経た現在でさえ、「おらほの地域から議員を出さねばね」(=自分の住んでいる地域から議員を出さなければならない)という意見を持つ市民は少なくない。
・市の予算全体における「議会費」のバランス 自治体の予算規模に応じて、議会が担う責任も変わる。議会事務局の職員体制を含めて、適正なバランスも検討されるべきではないか。鶴岡市では0.5〜0.6%程度。
・議員定数と議員報酬の関係 議員定数等検討特別委員会では「議員のなり手不足」についても議論している。もし、なり手不足解消のために議員報酬をアップすべきだとすれば、前述の「議会費」とも関連して、議員定数を減らすことで財源を捻出する方法もある。

今後、どう進むのか

市議会モニター意見交換会での意見は「減らすべき」6人、「増やすべき」1人、「現状維持するべき」2人
参考人意見聴取会での意見は「減らすべき」7人、「現状維持するべき」7人、「その他」5人

私見では、人口減少の現状や激変緩和、類似団体とのバランスなどを勘案して「現行の定数32から2人減らし、定数30」が妥当と考えています。議員定数を削減しても行政のチェック機能を果たしていくためには、議会事務局の職員体制の充実および機能強化も必須でしょう。

29名の議員全員の意見を集約し、議員定数等検討特別委員会としての結論をまとめた後、鶴岡市議会9月定例会に上程される予定です。

「何人減らすか」だけの議論を超えて

冒頭で紹介した通り、市民アンケート回答者の4分の1が議員定数について「分からない」と答えていました。

《議会》は首長と対等の権能を持つ、民主主義において極めて重要な存在です。しかし、議会の担っている役割、それぞれの議員の仕事内容などが市民に共有されていないのが現実だと思われます。このままでは、どんなに議員定数を減らしたとしても「何をやっているのか見えない」「もっと減らすべきだ」との声が止むことはないでしょう。

市民と議会の距離を縮め、真の意味で議員が市民の代表であるように努力すること。行政に対するチェック機能を充分に果たせるよう、議員間討議を活性化して、議会としてのチーム力を高めること。議会基本条例の策定も含めて、議論されるべきだと考えます。

鶴岡市議会からの発信強化として、 つるおか市議会だよりがリニューアルされました。私も発信力を高めて、議会・議員の「見える化」に努めていく所存です。

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