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読書について 感想

斎藤忍随訳の、ショウペンハウエル『読書について』を読了したので、感想を記す。

ショウペンハウエルについての事前情報すら無しに読み始めたものだから、初めは「こんなふうに読書するといいよー」とか「こんな本を読むといいよー」みたいな話だと思っていた。

そんなことはなかった。

ひたすらに半端な「知識人」を刺す!刺す!ぶっ刺す!一大学生である身としてかなり堪えた。だが、正しい。彼の言うことはかなりの部分で、俺の理性に照らして正しいと思えた。そして、読みながら「いやあハウエルさん、それはちょっとしょうがなくて~…」みたいな言い訳をしてた。「本で知識を得るより、自ら知識を発見する方がずっと価値がある」いやぁ、でもそれコスパ悪くないすか??みたいな。彼が言いたいのはおそらく、「つまらん本に時間を掛けるな、古典を読め」「言葉を貧しくすると思想も貧しくなるからやめろ」というような感じだろうか。つまらん本ってなんやねんっていうと、下手に複雑な書き方をして読者を惑わせるような文章なのだと。概略ね。まあ、そうだよなーと思いつつ変化の激しい現代において「今」の本を読むというのは必要なことだよなあとも。彼の生きた時代と現代は当然違いますからね。てか、(読む、金をかける)価値のある本かどうかは買って読んでみないとわからねーじゃねーか!!…その点でいい本だという担保があるのが長年生き残ってきた古典でしょ、と彼は言いたいんですけど。
 本を読んでる時のある種の気楽さ、というのにズバッと切り込まれたのはかなりつらかった。お前それ他人の思考に乗っかってるだけとちゃうんか、と。否定できない。俺なんて、本の思想の上で踊るだけの滑稽なピエロかもわからんですね。とりあえず、自分そこそこ本読んでるよーみたいな人にこそ薦めたい本ですね。皆さんも刺されてください。


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