大儲けしている64社

不況とは?

百年に一度の金融危機とか、世界的大恐慌の兆しとか、不況をあおるニュースが後を絶たない昨今。

筆者の個人的な意見としては、宜しからず。なぜなら、不況は、人間の不安定な情緒に起因するため「不況!不況」と喧しければ更に不況感を感じてしまうもの。

「いや、気分で好況・不況が決まるのではなく、政府の企業短期経済観測調査に因る」とのご意見もあろう。

しかし、日銀短観にしても、政府が企業へ「好況だと思う?不況だと思う?」「どっちだと思う?」とアンケート調査した結果に過ぎない。アンケート調査には限界がある。


調査対象となる(わずか)約1万社にしても「かくかくしかじかによって不況」との証拠を提出する義務はない。なんとな~く「好況か不況か」決まっているのが実情である。

はて、そんなに不況なのだろうか?

仮に不況だとしても、そんな得体の知れない無形物に、翻弄されたままでいいのだろうか?

そこで、不況を克服している企業を探してみたところ、面白い記事を見つけた。この不況下に大儲けしている上場企業が64社あるという。

元は日刊ゲンダイの記事らしく「大儲けしている64社」で検索してもらえればたくさん見つかるので検索して頂きたい。

巣ごもり

「大儲けしている64社」の中で不思議なのは、苦戦が伝えられる小売の中でもいっそう苦戦しているスーパーマーケットの、

・ヤオコー(埼玉)/予想経常増益率2.5%

・バロー(中部)/予想経常増益率5.2%

である。とくに、バローの増益率5.2%は、スーパーマーケットとしては優秀。

不況に負けないどころか、5%を超える過去最高益を見込むスーパーマーケットがあるとは驚き。

スポーツ用品小売のゼビオも予想経常増益率10.1%と好調。

家電量販店のケーズホールディングスも予想経常増益率15.8%と絶好調。

どうやら、小売だからダメというワケではない様子。


メーカーとしては、ペット用品のユニ・チャームペットケアが予想経常増益率15.7%!
推測するに、外出するよりも自宅でペットに親しむ飼い主が増えているからであろう。「巣ごもり」である。

確かな筋からの情報によると、巣ごもりが増えた結果、宅配便が大忙しでフル稼動だと聞く。(なんと)コーラからDVDまでネット通販で購入するらしい。

道理で、Yahoo!JAPANと価格コムが64社の中に入っているわけだが、価格コムに至っては予想経常増益率74%!前年対比74%も増益とは、まるでマジック。

「巣ごもり」は、少なくとも、暖かくなる春までは続くであろう。ということは、BtoCビジネスにはチャンス。「巣ごもり」したい人達が「快適に巣ごもり」できる商品やサービスを提供すると良い。

個店では難しいサービスであっても、商工会ぐるみで取り組めば、実現できることがある。
抵抗勢力は現れるに違いないが、手を拱いて、座して死ぬより良かろう。

時勢に寄り添う

スーパーマーケット増益の秘訣は(調べていないので確かなことはいえないが推測として)売り方に工夫があるのだろう。

価格コムは、今までになかった新しいインターネット商品である。

新しい売り方をモデリングするにしても、新製品を開発するにしても、時代の流れに沿うのが開発セオリー。

できれば、これから流行るものを予測して作り出す。

先んずることができなくても、いま流行っているものの後だけは追う。

たとえば、東京では、弁護士事務所による「債務整理」の中吊広告を見かけるようになった。
不況で債務超過に陥った人を救済(自己破産させる?)サービスなのだろうか。


「弁護士が広告を出す時代」ということは、座して仕事を待つだけの司法書士や行政書士にとって苦しい時代の到来といえよう。

とある債務整理を専門にしている司法書士は、2年間で約2億4000万円の所得があったという。年収1億2000万円=月収1000万円の計算になる。

この話にはオチがある。
その司法書士は9000万円の脱税で捕まった。

ということは、債務整理に需要があると考えられる。地方はイザ知らず、東京では債務整理が売れるサービスといえよう。

時代の流れには寄り添うことだ。時流とは、大多数が暗黙知に思っている総意。

その流れの中心には時勢という激流がある。時勢は、不可能を可能にする。

攻撃は最大の防御

時勢とは異なるが、米国の新ビジネスは、時代の最先端を切り開くことがある。

たとえばマッキントッシュ。たとえばマイクロソフト。70年代後半に、たった二人の若者が作り出した製品であり企業である。youtubeにしてもSNSにしてもアメリカの新ビジネス。

開拓の国アメリカは、日本のように「失敗したらどうする!誰が責任を取る!現状維持が一番」という保守的気分が薄いのだろうか。

なにより、米国の新ビジネスは、知るだけで楽しいビジネスばかりである。「そんな発想もアリか!」と柔軟な考え方のトレーニングになる。

一例をご紹介しよう。

[ピッキー・ドメイン]

50ドル(5千円)を払うと、一ヶ月間、毎日、ドメイン名のリストが届き、気に入ったドメインがあれば登録できるという、ドメインの名前を考えてくれるサービス。売上100万ドル(約1億円)

[サンタ・メール]

サンタクロースからの手紙を、北極に近い住所から、子供達へ送るサービス。一通10ドル×毎年20万通=200万ドル(2億円)の売上。

これらは海外ニュースサイトの“らばQ”に掲載されていた。一日に何度か新しいニュースへ更新されるのでご興味のある方はご覧頂きたい。

アメリカのアイデアビジネスを見ていて感じるのは「楽しそう」であること。

ほとんどが個人のスモールビジネスからスタートしているため、自分が楽しいビジネスでなければ続かないことを知っているのであろう。


不況不況と聞けば聞くほど暗くなるものだが、こうした「大儲けしている会社」や「ユニークなビジネス」を見ていると、気分が明るくならないだろうか?

もう不況不況と騒ぐ扇情家に耳を貸すのはやめよう。売れないのは不況のせいだと他人の所為にするのはやめよう。

自分の道は自分で切り開こう。買う人が楽しくなる売り方を考えよう。新製品のコンセプトを楽しく考えよう。

ペシミストは放っておいて我々だけは脇目もふらずに先へ先へと進んでいこう。

守勢にいては先へ進めない。つねに攻勢に立とう。攻撃は最大の防御なり。

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