AIDA = プロモーションの一致

AIDA (あいーだ)の法則

商品を売るには「法則がある」と、約100年前に、広告研究家のルイスさんは、

1)Attention(注意)= どうやって知らせる?
    ↓
2)Interest(関心)= どうやって関心を高める?
   ↓
3)Desire(欲求)= どうすれば買いたくなる?
   ↓
4)Action(行動)= どうやって売る?

という“AIDA(あいーだ)の法則”を提唱しました。

その約50年後、マッカシー教授は“マーケティングの4P's”を唱えました。

4つのPのうちのPromotion(プロモーション)も、

1)広告 = どうやって知らせる?
    ↓
2)広報 = どうやって関心を高める?
   ↓
3)販促 = どうすれば買いたくなる?
   ↓
4)販売 = どうやって売る?

の4つ。


50年もの時を隔て、かつ、販売員と、学者の立場は異なれど、項目も、順序も、流れも、完全に一致していた、奇跡的な偶然。

1)Attention(注意)= 告知 = どうやって知らせる?
    ↓
2)Interest(関心)= 広報 = どうやって関心を高める?
   ↓
3)Desire(欲求)= 販促 = どうすれば買いたくなる?
   ↓
4)Action(行動)販売 = どうやって売る?

その50年後、この奇跡的な偶然の一致を発見し、突き合わせ、営業戦略の軸にしたのは、おそらく、筆者のみ(検索してみて下さい)

え?
他にもいる?

それは、コンサルタントと名乗る(パクリ上手な)人たちでしょう。

AIDA(あいーだ)の心理フローは、広告や販促等のプロモーション戦略を練るうえで、欠かせない基本ですが、

心理フローと、プロモーションを、対照させることはありません。ところが!

“AIDAの法則”と“4P'sプロモーション”

この2つの公理の一致こそ、事業戦略の、

1)誰に?

2)何を?

3)どうやって売る?

の(3)どうやって売る?にあたります。

戦略名にすると、

1)顧客戦略

2)商品戦略

3)営業戦略

のうちの(3)営業戦略です。営業戦略は、

1)どうやって知らせる? = 告知 = Attention(注意)= 利
     ↓
2)どうやって関心を高める? = 広報 = Interest(関心)= 義
     ↓
3)どうすれば買いたくなる? = 販促 = Desire(欲求)= 利
     ↓
4)どうやって代金と交換する? = 販売 = Action(行動)= 利

の四段階が骨子です。8つも9つも要りません(ややこしくなります)


営業戦略で壁にぶつかったら、AIDA = プロモーションの四段階に当てはめてみて下さい。

どのような営業戦略を採ればいいか、見えてきます。

たとえば、これまた筆者の唱えるセールスフローは、BtoB(企業間取引)向きにアレンジしており、

1)告知紹介 = 告知 = Attention(注意)= 利 = どうやって知らせる?
      ↓
2)顧客発掘 = 広報 = Interest(関心)= 義 = どうやって関心を高める?
3)接触継続
      ↓
4)問題発掘 = 販促 = Desire(欲求)= 利 = どうすれば買いたくなる?
5)問題解決
      ↓
6)販売契約 = 販売 = Action(行動)= 利 = どうやって売る?
7)再販機会

という七段階に派生させていますが、骨は、AIDA = プロモーションの四段階です。

BtoBで大括りせず、業種業態で分けたり、各社の事情で分けていくと、八段階、九段階、十段階へ派生させることもできるでしょう。


まるで、AIDA(あいーだ)が、AID M A(あいどま)やAID C A S(あいどかす)
になるようなもので、派生形を作るのはいと易し(オリジナルを作るのは難し)

いずれにしても、基本は、AIDA = プロモーションの四段階。四つで充分です。

10も20も要りません(覚えられません)

AIDA = プロモーションの四段階未満の営業戦略が圧倒的多数


ところが、現実には、4つが5つへ増えるどころか、3つだったり、2つだったり、
1つだったりする例外を前々号にて述べました。おさらいしますと、

【一段階】待ち受け型

4)売る = 販売 = Action(行動)= 利

これだけで商売なさっている企業が結構あります。待ち受け型です。

このタイプは、先人が築き上げた既存客から、黙っていても、注文が入りますので(1)告知も(2)広報も(3)販促も要りません。

小売店のような、籠城戦ならば、お客さん自ら商品の価値を知っていて、来店しますから、

4)売る = 販売 = Action(行動)= 利

だけで成り立ちます。さらに、

3)勧めて = 販促 = Desire(欲求)= 利
    ↓
4)売る = 販売 = Action(行動)= 利

も待ち受け型です。小売店を想像してみれば分かる通り、店舗向きの戦略です。


にもかかわらず、BtoB(企業間取引)のような、攻城戦であっても、お客さんからの注文を 待 つ だ け の企業は結構あります。

【二段階】狩猟型

1)知らせて = 告知 = Attention(注意)= 利
  ↓
4)売る = 販売 = Action(行動)= 利

これは、通販を例示するまでもなく、BtoC(企業対個人取引)に多い営業戦略です。

もちろん、事務機や広告のセールス等、BtoB(企業間取引)にも存在しますが、

2)商品や、営業マン本人を含めた企業活動に、関心を持ってもらうことも、

3)いつ、どこで、どのように使えば、どんな利得があるか、勧めることもなく

「こんなの売ってます。買って下さい」

と売り込む営業活動です。このタイプのBtoBにおける新規は過酷です。

営業職を、雇っては使い捨てにする企業といえば、思い浮かぶ社名の一社や二社あるでしょう。

それなのに、何故、これ(狩猟型)が戦略か?というと、

1)財務戦略 … 高額な給与を提示し、募集広告を出し続けられる資金力

2)人事戦略 … 営業の才能がある人材のみ残り、出世する仕組み

3)事業戦略 … 直接客のみ狙いを定め(1)知らせて→(4)売る 短期決戦型

このように、営業戦略には、社員をどう遇するか?等の、経営者の思想(経営戦略)が反映されます。

なので、戦略。

【三段階】提案型

1)知らせて = 広告 = Attention(注意)= 利
     ↓
3)勧めて = 販促 = Desire(欲求)= 利
    ↓
4)売る = 販売 = Action(行動)= 利

これは、BtoB、BtoCにかかわらず、多いタイプです。

売っている商品の価値が分かりやすい(たとえば、分譲マンション等)、前記の狩猟型とは異なり、

商品の価値が分かりにくいため(たとえば、製造装置や投資信託)、狩猟型の

1)知らせて = 告知 = Attention(注意)= 利
  ↓
4)売る = 販売 = Action(行動)= 利

の間に、

3)勧める = 販促 = Desire(欲求)= 利

を差し込み、売れやすくなるように図ります。しかし、現場の営業マンが、

「この営業戦略でイーのか?違うんじゃないか?」

と思い悩むのも、このタイプ。


2)広報 = Interest(関心)= 義 = どうやって関心を高める?

が抜けています。

【三段階】深耕型

販売先が固定した業界や、既存客のみ対象にせざるを得ない企業ですと、

2)広報 = Interest(関心)= 義 = どうやって関心を高めていますか?
   ↓
3)販促 = Desire(欲求)= 利 = どうやって買いたくなるようにしていますか?
   ↓
4)販売 = Action(行動)= 利 = どうやって売っていますか?

になります。告知が要りません(ご新規様がありません)ので。

ご新規様が要らない会社とは、どんな会社なのか、分かりにくいでしょうから、解説を差し挟みますと、

お客さまが、国や地方自治体、インフラ事業、大企業が主要取引先の大企業に多い……といえば、やっぱり(笑)分かりにくいでしょうから、具体的に、

大手広告代理店の電博さんの顧客は、TVCMを流す都市銀行や、自動車メーカー等の大企業に限られます。


なので、サ○トリー部といった「顧客別」営業組織や、サニタリー部といった「業種別」営業部が成り立ちます(が、そういう名称の営業局はありません)

テレビのキー局も、そうですね。

フジテ○ビの営業局は、地方の町の小さな電気屋さんへ営業しません(しても意味ありません)

全国ネットでTVCMを流す(町の電気屋さんの川上に位置する)パ○ソニック等へ、番組を買ってくれるよう(スポンサーになってくれるよう)営業します。

(ただし、首都圏ローカルを担当する部署ですと、大企業の東京本社のみ対象にしているわけではありませんが)

このように、ご新規様が要らない(というよりも、顧客が固定している)業界や企業は結構あって、

そのような企業の営業マンには、お客様の数を増やすという発想がありません。


どんなに頑張ったって、増えないんだもの、

日本の企業は(2)広報 = Interst(関心)= 義 が大得意だった

このように、現実的には、AIDA = プロモーションの四段階に気づかず、

【一段階】待受型
【二段階】狩猟型
【三段階】提案型
【三段階】深耕型

で営業活動している企業が圧倒的に多数。それだけ、

2)どうやって関心を高める? = 広報 = Interest(関心)= 義

が省かれている模様。そりゃそうですよね、

「広報やって、ナンボ儲かるんじゃ」

「一円の得にもならない広報にゃ、一円もかけんぞ」

「商売は、売れてナンボの“利”じゃ。“義”なんか要らん」

ってナもんです。


そこで振り返ってみましょう。待受型、狩猟型、提案型、深耕型の中で、唯一、

2)広報 = Interst(関心)= 義 = どうやって関心を高めていますか?

を取り入れている例外がありましたね?

【三段階】深耕型

です。じつは、日本の企業は、この、

2)広報 = Interst(関心)= 義 = どうやって関心を高めていますか?

が大の得意。「既存の市場へ、既存の商品を売る※」作戦です。

※ 経営戦略でいうところの「アンゾフ成長マトリクス」の第一象限

では、ここで問題。

日本の企業が大得意とする、

・一円も儲からない

・儲かるどころか、持ち出しになる

・利(告知、販促、販売)なし

の作戦(営業戦術)とは一体?


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