味方が増える戦略を布く-8

マーケティングとは、市場化すること

Marketingを直訳すると、市場化。

「マーケティングとは (企業の価値を) 市場化すること」(たった24文字)

市場化するには、なぜ、その商品を(作って)売るのか?企業理念や存在意義が問われる他に、

商品開発も、技術開発も、生産も、設備も、社屋も、倉庫も、在庫も、仕入れも、流通も、運搬も、店舗も、提携も、営業も、販売も、コミュニケーションも、

マーケティング同様、すべて、市場化に含まれる。

……と、前回までをウィキペディア風に(笑)まとめてみました。


が!

市場化という直訳では、今ひとつピンと来ない(わかったようで、わからない)ため、

どのように意訳すればいいか、一週間だけ、考えてみませんか?

……というところで、前回は終わりました。

で?考えてみましたか?(笑)

考えても、考えなくても、どちらでも構いません。創造が、得意な人もいれば、不得意な人もいますからね。


話は横道へ逸れますが……

人は、創造型と、模倣型に分かれ、創造タイプは、その名の通り、創り出す人。

たとえば、小説家、原作者、作曲家、研究、農業など、創造力や生産力がある人。

模倣タイプは、創造・生産されたものを、受け取る人。

読者、リスナー、ユーザー、コンシューマー等、圧倒的多数のオーディエンスです。

その比は、目安として ※ 1,000 vs 1(0.1%)

※ まぐまぐ発行者数から類推。発行者数約3万人に対して読者数約3,000万人。
http://tinyurl.com/ja95cqs

メルマガにしても、企業にしても、評価を受けるのは創造タイプで、評価するのは模倣タイプです。その逆は、ごく少数。


   [発]   [受]

[多] 創造型 → 模倣型

[少] 模倣型 → 創造型

企業から見れば、お客さんは、模倣タイプにあたりますから、称賛も、非難も、主に、お客さんから、企業へ浴びせかけられます。

しかも、お客さんだけが模倣タイプとは限りません。

メディアが創り出す世論を受け取った社会全体が、模倣タイプです。

模倣といっても、右へならうばかりではありません、創造へ対する批判も模倣です。創造なくして、批判しようがありませんからね。

これも(批判を減らし、称賛を増やすのも)、味方が増える戦略を布く重要性の一つです。

Marketingを意訳する材料その壱「経営の視点で考える」

Marketingを、直訳すると、市場化。

「マーケティングとは(企業の価値を)市場化することである」

マーケティング戦略は、市場化 戦略。

マーケターは、市場化 担当。

と、無理なく訳せます(ピンとくるかどうかは別にして)

では、Marketingを、意訳するとなると、どういう単語が相応しいでしょう?

経営と現場、二つの切り口から考えてみましょう。

まず、経営。

経営者(特に社長)の最大の責務は「会社を潰さないこと」ですから、

経営三大要素のヒト・モノ・カネを動かして、

会社を維持する(できれば発展させる)ための

経営者の作戦が、経営戦略であることは、お分かりになりますね?


Wikipediaにドー難しく書かれてあろうと、経営学の先生がドー言おうと、

・経営の最少要素はヒト・モノ・カネの三つで(どれ一つ欠かせません)

・経営者(特に社長)の責任は「会社を潰さないこと」ですから、

・会社を維持する(できれば発展させる)のが経営者の責務であり、

・その責務を果たすための作戦が経営戦略

であることは間違いありません。ぶっちゃけ、資金が底をついたら、

「お金を貸して下さい」

と頭を下げて回るのが経営者で、社員には、その必要がありません(経理部を除く)

そうしたカネ(財務戦略)も、ヒト(人事戦略)も、経営者が、長期的な視点で考える経営戦略です。

マーケティングの範疇は、ヒトモノカネのうち、モノに限られる


残るは、モノ。

カネは、財務戦略。ヒトは、人事戦略と呼ばれますが、モノは、何と呼ばれるのでしょう?

ご存知ですか?

さんざん探しましたが見つかりませんでしたので、勝手に考証しましょう(笑)

財務戦略(カネ)と、人事戦略(ヒト)は、マーケティングには含まれませんので、

モノを意味する戦略が、マーケティングの意訳になります。

おっと、初心者の理解を忘れて勝手に突っ走るところでした(苦笑)、失敬。

マーケティング戦略に、財務戦略(カネ)と、人事戦略(ヒト)が含まれない理由は、

1)財務戦略(カネ)は、経営者が立てる作戦

資金が足りるかどうか、マーケティング担当者が心配することはありません。

マーケター(マーケティング担当者)が「従業員の給料を払う現金が足りない」
「広告費を払うカネがない」と、資金繰りに奔走することはありませんよね?

あるとしたら、マーケティング担当者が経営者を兼ねている場合です。

2)人事戦略(ヒト)も、経営者が立てる作戦

マーケティング戦略を遂行するために、マーケターが人事権を発動することはありません。

なので「このプロジェクトを成功させるために、マーケティング課長を部長へ昇進させる」なんて決定権は、ありませんよね?

この通り、マーケティングに財務と人事は無関係です。

マーケティングの範疇は、ヒト・モノ・カネのうち、モノに限られます。


モノは、

A)商品そのもの

B)商品を製造、在庫、販売するために必要な設備

の二種類に分かれます。商品もモノですし、電話も、机も、パソコンも、車も、社屋も、傘立ても、モノです。

商品があっても、社屋がなければ机を置くことができませんし、机がなければ請求書も書けません。

とすると、商品を含めた製造、販売、在庫が「モノ」になりますから、

マーケティングは、製販在と訳すことができます。

まとめますと、経営三資源の

1)ヒトは、人事戦略

2)モノは、製販在戦略

3)カネは、財務戦略

ということになり、Marketingの意訳は、製販在。

「マーケティングとは、製販在のことである」

違和感アリアリですな。

製販在はプロダクトアウトマーケティングへ偏る

製販在が、マーケティングであるかのように意訳すると、

非メーカーにはマーケティングが通用しないというバイアス(偏り)がかかり、

メーカー向きの(製品優先の)プロダクトアウト・マーケティングへ傾きます。

その傾注が危ういのは、ご存知の通り。

危ういといっても、プロダクトアウト・マーケティングが間違っているのではありません。

シーズを例示するまでもなく、

マッキントッシュにしても、カップヌードルにしても、画期的な新しい価値は
プロダクトアウト・マーケティングから生まれます。

危うい…の意味は、代金へ化ける商品そのものに価値があると思ってしまうと、

「お客さんよりも、商品を大切にしますよ?」

ということです。ちなみに、商品を大切にするのは、当たり前。


さて、Marketingを製販在と意訳すれば、プロダクトアウト・マーケティングへ偏る危険性が生じるのでしたら、

では、次なるMarketingの意訳は何でしょう?

あなたも、あなたなりに、もう一週間だけ(笑)考えてみませんか?

(特に、マーケティングのプロを自認なさっている皆様)

Marketingを意訳するとしたら?


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