時勢を読むマーケティング リサーチ[4-4]
【4-3おさらい】マーケティングリサーチの基本中の基本用語
・定性調査とは、知りたい情報の質を調べる作業
・定性調査は、人が、未来を語る
・定量調査は、数字が、過去を語る
・マーケティング リサーチは、定量調査と定性調査の両輪
【4-2おさらい】時勢を読んでいそうにない年賀状のマーケティング
・年賀状が廃れつつある時勢を読んでいそうもない疑いあり(の日本郵政)
(理由:旬のタレントを使ったTVCMも効果なし。自爆営業は、焼け石に水)
・年賀状の競合はハガキ(紙)ではなく、アスキー配列を知らなくてもメール送信できる、スマホ(や、ケータイ)
・時勢に乗じた強敵(スマホ)が得意とする個人間通信市場は捨てる
(たとえば、TVCMの予算を、他のプロモーションへ回す)
・年賀状の売り込み先(セグメント)は、法人(企業間通信市場)に絞る
・年賀状の復活には、差し出さない年賀状(宝くじ)等の破壊的な新案が必須
【4-1おさらい】テーマなしの情報を持ち寄って定期的に話し合おう
・リサーチ(調査分析)は、第四の経営資源といわれる『情報』を集める作業
・マーケティングは、テーマなしの情報を集める作業(リサーチ)から始める
・景気が良い等、ニュースで情報を得るのみならず、当事者に話を聴く(定性)
・失敗には、情報(リサーチ)不足という再現レシピがある
・天に運を任せず、天の動きを調べ、天運を味方に付けるのがマーケティング
好景気な業界/建設とITの例
実例として、建設とIT、2つの好景気な業界を取り上げました。
どれだけ景気がいいか?というと、45年ぶりとなる高い求人倍率の中で、上位の職業の半数を建設・建築が占めています。
1位 … 建設躯体工(建物の骨組を工事をする鉄筋工、とび工、型枠大工)
2位 … 警備員(建設現場で配置が義務づけられている交通誘導員)
4位 … 建築・土木・測量技術者
5位 … 建設の職業
8位 … 土木の職業
(但し、深読み-分析-は、別の機会に。ニュースを鵜呑みにしちゃいけません♪)
ITエンジニアの不足に至っては、政府が、人材育成を推進し始めた他、IT人材の過度な奪い合いを避けるように民間へ呼びかけています。
国家の仕事を任せられる高度なITエンジニアが足りなくなっちゃ困るよ~ってな感じでしょうか。
国みずからIT技術者を増やそうとしているなんて、すさまじい人材不足ですね、ICT(情報通信技術)業界。
もしかしたら、5G、自動運転、IoT等の近未来テクノロジーが日本を変えると見通し、近い将来、ICTの官業化、公企業化、三セクを視野に入れているかも。
※官業…政府の直営企業。現在の官業は、国有林野のみ。
わかりやすく、元官業といえば国鉄(JR)、専売公社(JT)、電電公社(NTT)、日本道路公団(NEXCO)、住宅都市整備公団(UR)、郵政公社(JP)ect.
公企業は、国や地方公共団体が、全額出資して経営する、収益事業。
たとえば、交通局の市営バスや電車、水道局の給水、企業局の電力やガス供給、病院、有料道路、国民宿舎、卸売市場、湾港、公営ギャンブル、宝くじetc.
好景気な業界/半導体、コンサルティング、インターネット広告
他にも、好況な業界は、半導体、コンサルティング、インターネット広告等が挙げられます。
半導体業界には、だいたい4年ごとに好不況を繰り返すシリコン・サイクルがあったにしても、
ここ数年続いていた未曽有の好況は、スーパーサイクル(10年間は続く好景気)ではないか?と言われるほど好調。
そして、コンサルティング。
いろいろな種類のコンサルティングがあるなかで、とりわけ、M&A(企業の合併や買収)のコンサルティングファームが上場したり、高給企業のベスト10に3社も入るほど、M&Aの市場が沸いています。
企業買収を繰り返して、4~5年の短期間で、株式を上場した企業も増えました。
筆者も、上場を目指したいというリクエストがあれば、M&Aを勧めています。
なんたって、東証一部のジーンズメイトを買収したライザップのように、上場企業そのものを買い取ることだって、絵空事ではありません。
ただし、ライザップの場合、本業のフィットネスが堅調であるにもかかわらず、買収し過ぎて、赤字になってしまった顛末は、ニュース等で、ご存じの通り。
M&Aは、拡大に、時間がかからず、手っ取り早い反面、さまざまなリスクがともなうことも確か。
さはさりとて、そもそも、リスクのないビジネスなんて、あるワケありませんけれども、ね。
(個人的に感慨深いのは)今年か来年、媒体別の広告費の首位が、テレビからインターネットに替わりそうなこと。
時勢ですね。街頭テレビのプロレスに群がっていた「昭和は遠くなりにけり」
余談ですが、テレビCMには、その当時の社会の価値観が反映されます。
海外旅行が夢だったころには、サントリーの「トリスで、ハワイ」
勤務先のために働く高度経済成長期には、丸善石油の「OH!モーレツ」
一億総中流が広まり始めた70年代には、バーモントカレーの「ヒデキ、感激!」
80年代中盤から5年間のバブル景気といえば、リゲインの「24時間戦えますか?」
バブル景気といえば、全盛期のA・シュワルツェネッガーをキャスティングしたCM(カップヌードルやアリナミンV等)すら、ありました。
ぶっちゃけ「ギャラ、なんぼ払ったんじゃあ~」って話です(驚)
なぜなら、大物ハリウッド俳優がTVCMに出演するのは稀。本国アメリカを含め(皆無ではありませんが、あんまり見かけませんよね?)
それだけ凄いキャスティングだったということですね。
キャスティング次第で、億単位の広告コンペが決することも多々ありますので。
バブル景気までをザッと振り返りましたが、テレビCMからは世相が窺えますから、(広告関係のクリエイターたちがアンテナを張り巡らせていますので)
そういう視点でテレビCMを見てみると、見落としていた気づきに出会えるかも知れませんよ?
一般論で時代を読むと、二極分化の時代
閑話休題。一般論で、時代を読んでみましょう。
テレビCMには、その当時の社会の価値観が反映されますから、広告費の首位が入れ替わるということは、
マスメディアの時代が変わりつつあるというよりも、
バブル崩壊後から言われ始めた「二極分化」が進行している証拠。
中流は、ありません。上流か下流。大or小。右or左。高or低。前or後。黒or白。
例として、ひと頃、よく言われたのが、勝ち組と負け組。
ユニークな論拠としては、たとえば、5ナンバー車の新車販売台数が、初の30%を下回った一方で、小型の軽自動車と、大型の3ナンバー車は、売れている模様。
3ナンバー車ばかり増え、中型の5ナンバー車は種類が少ない(選べない)からとか、いろいろ事情はありましょうが、大・中・小の中が売れなくなったのは事実。
昔(80年代)は、5ナンバー車が主流だったんですけれども、ね。時勢ですね。
中途半端なコンセプトの商品は売れなくなるという警鐘なのかも知れませんぞ。
ちなみに、筆者は、二極分化しているとは思いません(しているならば、具体的に例を挙げてもらいたいものです、抽象例ではなく)
よく、貧富の差や、所得格差などが取り上げられがちですけれども、そんなの、明治時代にも、あったでしょう(笑)
娘身売りや、姥捨て山が現実だった江戸時代となると、社会問題レベルの格差社会だったハズです。
これを「武士 vs 武士以外」の二極化と呼ぶならば、千年前から日本は二極化していたことになりますがな。
「ひとり」の時代
筆者が読むところの時勢では、ひとりの時代が進行しています。
人は、精神的に、一人では生きていけませんが(経済的には、一人でも生きていけますが)
インターネット、とりわけSNSの普及が、一人で生きられる基盤になりつつあります。
ツー(双方向)コミュニケーションできる場がインターネットにあるのです(テレビはワンウェイ)
精神的な(損得ぬきの)コミュニケーション、とくに、プラスのストロークは、精神衛生上、必要不可欠ですから、インターネットさえあれば、
経済的な付き合いの上司や同僚と、飲ミュニケーションしなくても、
仕方なく付き合わざるをえない人と話さなくても、毎日のように、ほぼ無料で、
精神的な人間関係の相手と交流できます。その人が地球の裏側にいても。
また、インターネットの影響で、一歩、外へ出ると、経済的な人間関係が多く(ぶっちゃけ「カネの切れ目が縁の切れ目」)
精神的な(損得ぬきの)人間関係が少ないことに、一人、また一人と、気づき始めています。
外へ出なくても、オレオレ詐欺の電話がかかってきたり、訪販や勧誘といった「カネ目当て」は、あとを絶ちませんが、ね。
そのコミュニケーションを可能にするプラットフォームが、充実してきました。
ご存じのように、昔はプラットフォームに乏しかったのですが、
今では、Facebookやラインのような双方向タイプ、
Yahoo!ニュースのコメント欄のように、自分の意見を書き込む一方通行タイプ
ツイッターのような一言コメントタイプ、
写真や動画がメインのインスタetc.
このブログにしたって、書いている筆者の姿こそ、独りで、パソコンの前に座りっきりで、両手のみカタカタ動かしているように見えますが、
脳内は、誰かへ何かを伝えようとコミュニケーション状態にあります。
インターネットは24時間365日オープンなので、コミュニケーションしたい時にコミュニケートできる環境が整いつつあります(そこも、テレビと違うところ)
さらに、今後は、AIアシスタントとコミュニケートする時代になるでしょう。
映画「her」や「A.I. love you」のように、AIアシスタントへ恋愛感情を抱くユーザーが必ず現れます。
道理で、右肩上がりな生涯独身率や初婚年齢と反比例して出生率が落ちるハズです。
少子化大臣どの、「敵はインターネットに在り」ですよ~(笑)
この時勢(一人の時代)を知れば、AIアシスタントにビジネスチャンスがあることを、容易に察知できるでしょう.
これが、筆者の読む時勢(一人の時代)です。
時勢を読む人は、予言者として崇め奉られる(当たれば…の話)
この時勢(一人の時代)を読み解けば、オンラインゲームやyoutuberの隆盛が理解できます。
ゲームソフトの制作会社が、プロ野球の球団を持つなんて、
「マンガと、ゲームは、悪」
と言われていた世代の価値観からすると、考えられませんし、
(こうした時代の変遷が、ジェネレーションギャップを生む一因になります)
ユーチューバーの年収は800万円~1億円だそうですから、一昔前は、想像だにできなかったビジネス。
これだもの、インターネットの広告費が、媒体別の首位に躍り出るのは当然。
時勢が変わりつつある証拠です(一人の時代へと)
「だが、AIアシスタントといっても、自分の商売とは、無関係だし、な~」
と、時勢に飲み込まれながらもジッと動かない、動けない法人が多いでしょう。
それはそれで構いませんが、景気が悪い業界や、斜陽産業に時間を費やすよりも、
景気のいい業界に関ったほうが、経済的に潤います(カネ回りが良くなります)よね?
(ただし、景気がいい業界だからといって、収入も良いとは限りません。
建設業界であっても、交通誘導員 - 誰にでもできる仕事 - の収入は低いのが現実)
いずれにしても、時勢を読むのに、リスクはありませんから、あなたなりに、時勢を読むことです。
当たれば、予言者として、崇め奉られます(笑)
では、筆者の時勢眼をもとにして、新しいビジネスを興すならば、どのような新事業が考えられるでしょう?
マーケターとして、腕の見せどころです。
ホテル・旅館の景気は、最高の「快晴」見込み
https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0492645_03.pdf
だそうですから、
“一人”の旅行客を狙って、宿泊業と関わっていく方向性が考えられます。
なので、筆者でしたら、古民家の宿泊フランチャイズを作ります。
対象は、外国人の宿泊客。と思いきや、意外と、日本人。
インバウンド需要のみならず、国の課題である古民家再生として取り組みますので、
古民家の売買や、増築、新築、建設、工芸品の製造販売も視野に入れます。
フランチャイジーは、現在の勤め先でリストラの対象になりがちな40歳以上。
もちろん、経営する古民家に住んで、自分が働くことも可能。定年なし。
日本全国、住みたい場所(古民家)を選べます。
全国展開ですから、仲間がいます。独力、あるいは、家族で、古民家カフェを経営するのとは異なります。
古民家(FC名の商標はKOMINKA)のまわりに広がる自然の中で、農業に従事することも可能。
宿泊業と、農業の、兼業生活です。
なにやら、フランチャイジーの勧誘チラシのようになってしまいましたが(笑)今でさえ足りないホテルや旅館の受け皿になるでしょう。
問題は、交通。東京、大阪、京都に集中する宿泊客を、いかに、地方の山の中へ(古民家へ)運ぶか?が鍵になるはず。
いかがです?やってみますか?
もちろん、徹底的にリサーチしてから、やるか?やめるか?先延ばしにするか?決めるのは、マーケティングの常道。
このように、ビジネスチャンスを求めたかったら、景気がいい業界を見つけるのが近道です。
平成27-28年度は、トイレタリー、駐車場、インテリア、スポーツ用品、人材派遣も、景気がいい業界だそうです
はて、景気が好いとは、一体、ナニが?ドー?良いのでしょう?
一言でいえば、カネ回りが良いということ。
二言でいえば、お金が入ってきて、出ていくこと。
三言でいえば、入金が増え、経済的に豊かになり、精神的にも豊かになること。
三つに共通しているのは、お金です。景気は、経済活動ですから。
景気に関する初歩的な経済用語は、時勢(新聞の経済面)を読むのに必要ですから、これまた回を改めて、特集することをお約束します。
景気とは何か?のような初歩的な質問に「ん?そういえば…」と絶句する50~60代(汗)のベテランが、意外と多いので。
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