マーケティング認定テスト/初級編

(この企画の背景)

調べものをしていたところ、公的機関のマーケティング・アドバイザーの認定試験の問題に遭遇した。

一見して「こんなテストに正解なんてあるんかい?」と思い、
次に、
「こんなテストに合格したからといって、実効力あるアドバイスができるんか?」
と思った。しかし、

「あたまから懐疑的に疑問視する前に、まず答えてやろうじゃないか。その上で否定すべきか肯定すべきか判断しよう。それがフェアだろう」

つまり、このテストをメルマガに取り上げる動機は甚(はなは)だ不純であり、公共機関の名称を後光にしている公的アドバイザーへ対し挑戦的であったりもする

よって、もちろん、どこの機関のテストか、サイト名を明かすことも、URLを紹介することも出来ない。

もし、あなたが当該サイトを探して、見つかったとして、筆者の回答を用いてテストに合格しても筆者は何ら関与しない。こんなテストを受験する気なんかサラサラないからである。

もちろん、不合格であっても全く関与しない
では始めよう。
あなたも一緒に考えて答えてみると面白いかもしれない。


問題『プロモーションの成功事例を述べよ』

この一行が設問である。『プロモーションの成功事例を述べよ』

さあ、あなたは何と答えるであろう。

成功事例というからには、成功の証である前後の数値が必要であるが、

「こんな広告を出して、営業が棚を取ったら、200%の売り上げ増になった」

なんて数値を明かしている企業があるのだろうか?

ダイレクトマーケティングのみならイザ知らず、テレビや新聞等マスメディアで正確な費用対効果を計測できている企業があるのだろうか?

町の小さな小売店なら、プロモーションの規模も小さいため、

「チラシを配って寝ていたら、来店客数50%アップ。売上200%増になった」

といえるかも知れない。が、そんな名も知れぬ小売店の成功事例が正解として通用するのだろうか?


あまりにも漠然とした設問で回答しようがないにしても、漠然と答えるのなら認知度の高い「マイレージ」が挙げられるであろう。

マクドナルドで一躍有名になった「ポテトも一緒にいかがですか?」のクロスセルも挙げられる。効果の程は知らないが。

筆者の回答『アップル社のプロダクトプレイスメント』
「いずれはプロモーションの主流になるだろう」と筆者が見ているプロダクトプレイスメントの例では、アップル。

《解説》プロダクトプレイスメント/Product Placement映画やドラマの中に、さり気なく商品を配置する手法。主役が使ったりすると放映後に売上が急増することもある。

アップルのパワーブックは人気TVシリーズの24(Twenty Four) にも出てくる。もちろん、24のオーディエンスを強く意識しているに違いない。

映画やTVシリーズで大ヒットしたSex and The City(SATC)にもアップル製品はぞろぞろ出てくる。


極めつけはCARRIE'S MAC BOOK(キャリーズ マック ブック)

キャリーとは、SATCの主人公である。

劇中でキャリーが使っているパソコンはマックのパワーブック。

それはもちろん偶然ではない、悪くいえば仕込み。マーケティング的にはプロダクトプレイスメントというプロモーション手法である。

キャリーに憧れる女性がパソコンを買うとすれば、かなりの高確率でマックを選ぶであろう。

つまり、アップルは、Sex and The Cityの女性ファン(F2層のキャリア女性?)に訴求する手法としてプロダクトプレイスメントを採用しているのである。

予算は、おそらく、数億円は下るまい。

プロダクトプレイスメントと口コミ


ちなみに、Sex and The Cityはプロダクトプレイスメントの宝庫である。

映画のSATCには、主人公が独り寂しくカップヌードルを食べるシーンがある。

お湯を注いだ日清カップヌードルを持って主人公がキッチンから現れるシーンに思わず、「あっ!こりゃあプロダクトプレイスメントだ!」と内心で叫んだ。

不自然なほど「CupNoodle」の文字が正面に向いていたのであった。ご興味のある方はDVDでご確認あれ。

日清さんは否定するかも知れないが、あれはプロダクトプレイスメントだと確信している。

また、筆者はファッションブランドを知らないため分からなかったが、一緒に映画を観た家内によると、サマンサやキャリーといったメイン・キャラが着ている服はファッションブランドらしく、上映後は注文が殺到しているらしい。


メルセデス(ベンツ)が出てくるのもプロダクトプレイスメント。メルセデスはSATCの撮影に実車を提供したほか、プロモーション費として2億円を投じたという。

プロダクトプレイスメントではないが、マイケルジャクソンが亡くなったとき、オバマ大統領が、

「彼は偉大なキング・オブ・ポップだった。彼の曲は今でもipodで聴いている」

とコメントした(のを聞き逃さなかった)


あれもアップルの仕込みだったのだろうか?
ご存知の方がいたら、教えて頂きたい。もしも、そうだとしたら、アップルのプロモーション力は世界一かも知れない。

さて、あなたなら『プロモーションの成功事例を述べよ』という設問に対してどう回答するだろうか?


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