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僕の愛する音楽(日本語ラップ その1)

まず始めに、私の愛する音楽にはロックやポップなどジャンルは人に説明しやすいだけの分類分けにしか過ぎず、私の友人はアンパンマンマーチをレゲエだと言うし、私は松任谷由美をロックだと思う。音楽にはカッコいいカッコ悪いは無く、自分の好みか好みでは無いかだけだと思っていると言う事を先に伝えておきたい。


タイトルにもある様に今日は日本語ラップの素晴らしいラッパーの1人を紹介したい。

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1人目は小林勝行(ex.神戸薔薇尻)さん。何故最初に紹介する人物がこの人なのか、まず日本語ラップならキングギドラだとかAnarchy、AK-69など有名どころから語るのが普通なのだろうが私の中での数ある日本語ラップのアルバム、曲単体でランキングをつけるとおそらく両方のNo.1は彼の「神戸薔薇尻」と「Here is Happiness」を選ぶと思うからである。

兵庫県神戸市出身である彼との出会いは知り合いがふと流した「蓮の花」と言う曲で、個人的に精神的に参っている時に出会い、イントロの「Just the two of us」、個人的にサンプリング元ネタ丸使いは好みで1曲聴くと何処にも無いフロウ、現実的で生々しくも儚い人の弱々しさを熱く語る歌詞に強く惹かれてすぐさま1枚目のアルバムの「神戸薔薇尻」を買いに神戸三宮のタワレコへ車を走らせた。

買ったCDを車のオーディオから音が割れるギリギリの音量にまであげて1曲目を流すとめちゃくちゃ有名なネタBill Withersの「Lean on me」のサンプリングから始まる1曲目「108bars」、「こんな暗い曲は飛ばしてまえよ」と吐き捨ててから始まる約9分で使い古された表現を敢えて使うと1本の映画を見たかの様な濃密で今まで聴いていた音楽で出逢った事のない様な日本語だからこそストレートに届き、愛や恋などでは無い人の弱さを語った曲に心を一気に掴まれた。

そこから阪神高速をアルバムが2周3周するまで環状線を回り続けて家に帰りヘッドフォンとストロングゼロを用意してまた1から聴き直すと始まりの「108bars」から最後の「警鐘」まで飛ばす曲は一つも無く、歌詞カードと睨めっこをして喪失感を味わいながらも特に気に入った曲を何度も聞き直す。

特に好きな「警鐘」の「大麻売っては涙誘う子、必死でハロワで仕事探す子、どっちが根性有るんよ」と言った一節今迄聴いていたギャングスタラップや現実にあまり蔓延らない綺麗な事を語る歌には無かった小林勝行を表すかの様なストレートでリアルな歌詞であり、アルバムを通して聴くと家族への感謝や仕事に対する姿勢、元彼女や友人に対してへの気持ちや、自分の生き様を隠す事なく曝け出し、狭い世界で生きている私がマイノリティなのかも知れないが先輩や友人に1人はいる様な、自分にも当てはまる部分がある様な心の触れない様にしていた箇所を直に突かれた気がした。

此処まで1枚目のアルバムの「神戸薔薇尻」の事だけを書かしてもらったが1枚目目と言うだけあってもちろん2枚目のアルバム「かっつん」も出ている。

2017年にリリースされていて、最初のアルバムとは期間が約6年とそれなりに空いているのだが元々出会うのが遅かった私はそれほど間が開くこともなく熱を保ったまま出会うことができた。数ある音楽配信アプリにも無くYou tubeにもあまり挙がっていないのでCDを手にしなければいけないのだが興味が湧いた方は是非とも聴いてほしい。変わらないかっつん節と嫌でも変わる年齢が粗削りで角が磨かれた至玉の1枚である事は間違いない。

だがこの「かっつん」を手に取る前に注意して頂きたい事が幾つかあり、一つはアルバムを通してオケ(BGM、トラック)が全体的にChill寄りで聴き心地は素晴らしいのだがリリック(歌詞)は丸くなったとは言ったもののえぐみ、リアルさを増していて、今まであまり無かった不快感を感じるかもしれない自分の持つ宗教的思想も強く入る。だが人間の弱い部分を隠す事なく理解できる人の方が少ないだろうが何故か共感してしまい唯一無二の美しさが現れている。これらが顕著に現れている1曲「オレヲダキシメロ」は是非一度聴いてみて欲しい。

もう一つは「かっつん」をリリースまでの空白期間についてそして現在の小林勝行について知っていた方がよりアルバムを楽しめると言う事。何故かと言うと此処まで個人「小林勝行」をリアルに語っているとなると多少なりとも人となりが分かっていた方が楽しめるはずであるという事と、私個人的に善悪良し悪し関係なくバックボーンが見えていた方が歌詞への理解や、より深く、勝手な考察するのが楽しいからである。このアルバムの1曲目のタイトルでもある「寛解の連続」と言う小林勝行を追った映画も公開されていて是非併せてみて欲しい。

あと一つ挙げるならば素面でなくイヤホンで聴くことをお勧めする。

長々と下手くそな紹介をさせてもらったが語り足りない部分はいつかまた話せたら良ければと思う。

最後に2枚のアルバムを眺めながら小林勝行さんへ一言、素晴らしいものをありがとう。

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