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言葉とイメージの狭間で

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ヨーロッパ文化史に関する話題を中心的に扱いながら、人間がいかに考え、行動するのか?を、言葉とイメージという2大思考ツールの狭間で考える日々の思考実験場
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2021年4月の記事一覧

都市型コミュニティのプロトコル

今日からゴールデンウィークの休みに突入。 昨年に続き、どこにも出かけず静かに過ごす連休に。それはそれでありかなと思っている。やることがなくて困るということもないし。 とはいえ、例年この時期、ヨーロッパを訪れた日々が懐かしくあったりはする。 日本人の姿を見かけることのないフランスの地方都市や小さな町を訪れて、その土地その土地で異なる雰囲気を感じるのは、精神的な満足がとても高かったからだ。 個性豊かなヨーロッパの街日本の地方都市はどこに行っても見た目が変わらない。 各々バラバ

内輪の必要性

人にとって群れとはなんなのか。人はなぜ群れを成し、内輪と外部の境界を設けようとするのか。内輪はなんのために必要なのだろうか。 前回紹介した『コミュニティを問いなおす』で広井良典さんは、コミュニティ=共同体を、個体と集団全体のあいだにさまざまな形の中間的な集団が存在する重層社会において、その中間的集団の役割を果たすものと捉えている。 個は内輪を介して社会に対峙する中間的な役割の集団としてのコミュニティは、その内部にあって個と個をつなぎ、たがいの役割分担のようなものを形成しつ