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言葉とイメージの狭間で

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ヨーロッパ文化史に関する話題を中心的に扱いながら、人間がいかに考え、行動するのか?を、言葉とイメージという2大思考ツールの狭間で考える日々の思考実験場
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2020年11月の記事一覧

線を引く(「非デザイン論」に向けて)

線を引く。 デザイナーが線を引き、歴史家が線を引く。 空間の線があり、時間の線がある。 線によって、奴らと僕らは区別され、あなたと私は結ばれる。区切線と接続線。敵と味方。 「と」。 接続詞としての「と」は、二者をつなぐと同時に分けてしまう。 線が引かれているから、接続詞「と」の出番が生じる。 区切ることと接続することは一見逆のことをしているようで、実は同じことの裏表でしかない。 線と言語線を引くことは認識することである。 こっち側とあっち側。内側と外側。対象とそれ以外。

「できる」を奪わない

ひとりひとりが自分で考えて、行動すること。 それがどんなに面倒で大変なことであっても、それだけは避けてはいけない。 そういう社会へとどんどん変わっていくのではないか。 いや、変わっていけるようにしないと、ちょっとやばい。 この持続可能性の問いが社会全体に課せられている状況では、ひとりひとりが自分で考えて行動するということこそがもっとも大切なことではないかと思うからだ。 自分自身で考えることでほかの誰かに搾取されることを防ぐ必要がある。逆にいえば、ほかの誰かの考えを尊重するこ