山内マリコさんにインタビューしました

『あたしたちよくやってる』を刊行された山内マリコさんにインタビュー取材しました。

帯には「誰かの期待に応えられなくても、無理して笑うのは、もうやめよう。」というメッセージが書かれています。周りからの圧力をどう乗り越えていけばいいのか葛藤する女性たちへ山内さんはエールを送っていただけるようなお話を伺いました。

本作は山内さんが長年各所で発表してきたエッセイや短編集がまとめられたものになっています。全編を通して、男性と真っ向から激しく戦う短編やエッセイはなく、ただ、わずかなひっかかりや気づきからどのように解放され、生きていくかの道筋を示してくれます。

短編「しずかちゃんの秘密の女ともだち」では、うっかりテストで出木杉くんよりも良い点数を取ってしまったしずかちゃんが、皆に冷やかされ気まずい思いをする場面から物語が始まります。ドラえもんに泣きつくも反応は鈍い。「ドラミに頼んで<さかさまティアラ>で世界をさかさまにしてもらったら?」と無下にされたしずかちゃんは「そんな道具では解決しないんじゃないかしら。だってあたしが生きていかなきゃいけないのは、この現実ですもの」と嘆きます。そんなしずかちゃんを、同じ女の子である私たちだって知らなかったよね。彼女が救われるのは、どんな時なんでしょう。

短編「若さ至上主義に憤るコノシロと未来のあたし」では、年上の男性に連れていってもらったお寿司屋さんで出された出世魚に、いずれ歳を取っていく自分を重ね、小さな違和感を心に宿す女の子が描かれています。「女性は立ち上がらなきゃいけない!」と高らかに叫ぶまでではないけれど、このままで本当にいいのだろうか?と立ち止まる、日常の中の小さな分岐点にスポットを当てています。

インタビューの中で山内さんはシスターフッドについてもお話してくださいました。もし、悩み多き、味方なき毎日を過ごしている女性がいるとしたら。この本をとおして私たちは山内さんと、そしてこの本に心動かされた読者たちと、つながり、共闘していけそうなパワーをもらえると思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?