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2022年の振り返り、そして新年の抱負

みなさん、こんにちは。株式会社タベテクの田苗(たなえ)です。2022年は私にとって色んな意味で「激動」の1年でした。もう、夜も眠れないくらいのハードシングスと、私の一生を左右するような、「人」との出会いがうまく醸成されまして、「THE生きる」を体感した1年でございました。濃厚過ぎですべては書ききれませんが、エッセンスだけでも共有させて頂きます(笑)

1月 奈良・三重・和歌山などを回る家族旅行
お正月前に息子が「南紀白浜」に行きたいとのことで、家族で旅行する事になりました。田苗家は計画が得意でなく、正月だけに宿だけ抑えて、後は車を福岡でフェリーに乗せて、大阪まで就寝中に移動。朝から奈良の大仏を見に行った。後から分かったことだが、あの巨大な奈良の大仏の建築技術は仏教伝来の際に、最先端技術がセットでくっついてきた事に始まる。いつの時代も宗教と科学技術はセットでやってくるのだ。最先端技術が神すぎるので、仏教もついでに信じてしまう。すごい仕組みだ。

2月 凄いデータが取れた。
タベテクはプラズマ殺菌の会社だが、2019年頃から、2年以上かけて大学の先生方と一緒に薬用植物の栽培研究も取り組んできた。信じられないかもしれませんが、種子を発芽させる前にプラズマを照射すると、種の回りを殺菌するのと、プラズマの刺激で、発芽率を向上させたり、収量を増大させたり、それが無農薬で実現できるのである。大学の研究室で色んな条件で種子にプラズマ照射したものを試験場に持ち込み、発芽→栽培→収穫→薬効成分の分析までやりきった。種の時にプラズマを当てるだけ、後は無農薬栽培で収量を○○倍、薬効成分も○○倍になった。8月は暑さが続き枯れ始めたが、10月になると、プラズマ区域だけが、わさーっと茂り始め、びっくりした。

種子にプラズマを当てて、無農薬で栽培した区域(2021年10月)


養液などを毎月散布して、無農薬で栽培した区域 (猛暑で枯れている所も多い)


左写真、コントロール、右写真プラズマ処理

今年も追試をやっているが、自治体と上手く連携が取れず(こうなると、みんな自分たちの成果にしたがる)、物別れに終わっている。ここら辺の話は政治塾で話します。

3月 トルコ渡航の予定が実現ならず

2021年の秋からJICAの調査事業に採択され、それが、結構なプロジェクトで弊社プラズマ装置の世界ニーズを調査した。そこで、日本の柑橘生産量に匹敵する量を海外輸出しているトルコの存在がわかり調査を開始した。
そこで、弊社技術に関心を持ってきただいたある企業さんの所に、装置のデモ試験の為に渡航する予定で、全速力で準備をしていたが、2月下旬に近隣国のロシアがウクライナに侵攻する事態となり、やむなく渡航を延期する事になった。一方で、コロナや戦争に伴う、エネルギー、食糧供給不安などが露呈して、弊社技術が注目されるようになった。弊社技術はエネルギーをあまり使わず、食料を長期保存できる技術だからだ。NHKの記者から電話がかかってきて驚いた。

4月 お金がない、色んな国のプロジェクトに応募するも。。

弊社装置の実験は輝かしい成果をあげるものの、事業としてはまだまだ、技術の研鑽が必要。ところが、お金がなくてホント苦しい。特に農業は収穫が年に1度、さらにディープテックの領域は時間とお金がかかるのだ。ベンチャーの資金調達手段は①国の補助金②エクイティー③デット、これしかない。だから、色んな国や自治体のプロジェクトに応募しつつ、VCをあたり、金融機関を回る、もう、お金がないために私の活動のほぼ100%がその活動。考えまくって、書いて、プレゼンして、なんとか賞を取って、メディアに取り上げられ、会社の知名度を上げてお金に結び付けるのだ。もう、本当これがしんどい。私は開発した装置を冷蔵庫のない途上国に持っていきたいだけなのに、目立って、目立って、お金に結び付けないといけない。

5月・6月 お金がない、事態はさらに深刻に。。

7月 経済産業省のJ-Partnershipに採択される

もう、どれだけ書いたかわかんないくらい、色んな所に応募したが、結果は全て不採択。ところが、知人の勧めで応募した経済産業省J-Partnership(国のプロジェクト)に採択された。採択企業10社のうち8社はアフリカに進出するベンチャー企業枠だ。残り2枠のうちの1社に入ったのだ。快挙だぁ。
ところが、お金を借りに地方の金融機関に行ったところ、研究開発やめるんだったら、融資するとわけのわからないことを言われる。補助金3分の2のうち、事業に必要な資金3分の1をどう捻出するか大問題にぶち当たってしまう。

ちょうどそんなとき、知らない女性から「3日後にピッチしませんか?」とDMが入る。ちょうど、他のイベント向きにピッチ資料を完成させたところで、練習になればと参加する事にした。3日後、オンラインイベントでピッチに登壇した。なんと勝ち残り優勝した。今から振り返るとこれが、会社存続の分岐点になった。このオンラインイベント、実はチャットワーク創業者でチャットワークを550億で上場させた、SEVENの山本敏行さんが主宰するピッチイベントだったのだ。山本さんにえらく気に入ってもらい、その頃から大変お世話になっている。山本さんがいなければ、今の自分はない。

9月 アグリテックグランプリファイナルに選出 リアルテックファンド賞を受賞

相変わらず、考えまくって、書いて、プレゼンして、を繰り返していたら、
リバネスさんが主宰するアグリテックグランプリファイナルに選出された。
全国の優秀な研究者や経営者がアグリ分野のピッチで競い合う。そんな舞台に立って、プレゼンした。賞を頂きとても嬉しかった。

10月 ある事件が起こる

ここでは、ハードシングス過ぎで書けないが、とにかく事件があり、私は夜も眠れないくらい、辛い日々を過ごす。もうこれでは、今年中に事業もやめざる得ないかなと。。そんな時、SEVENの山本さんが助け舟を出してくれた。山本さんの助け方は、私が人として成長できるような助け舟の出し方だ。10月後半はホント、無我夢中で頑張った。

11月 どうも死の谷を乗り越えたようだ、無我夢中すぎてそのことに後になって気づく

今年からトルコ語通訳や随行を務めてもらった人物が、私の事業に共感してくださり、ガッツリ入ってくれることになった。この方、経歴が凄く、安倍元首相やトルコのエルドアン大統領の通訳を務めるような、すごい人、とても気が合い、東京では打ち合わせと称し、いつも一緒に飲んでいる(笑)
彼曰く「こういう事業はお金に動かない人たちと始めると上手くいく」
私はそういう人達を巻き込んで、事業を継続させてきた。彼も、同類。お金儲けの話も重要だが、日本やトルコの歴史や文化の話ももっと楽しい。
元ソフトバンクで知財・PRをされた経歴のある女性ともジョインして、なんか素敵な人がたくさん集まってきた。自分は凄く運が良いと思う。

12月 そしてさらにすごいことが、#未来をつくる政治塾

11月に乙武洋匡さんが12月から政治塾をやることを車の中のラジオで知り、応募締め切りが近かったため、山本さんと一緒に完成させた5分間ピッチ動画で応募してみた。政治家志望の若い方々がきっと合格するのだろう、おばちゃんは到底無理だろうと思いきや、合格通知が来た!! 講義が始まる前には私の携帯に乙武さんご本人から電話が。。もう、びっくり仰天して。。
12月から政治を学び始めた。事業でどうしても政治を学ぶ必要があるからだ。#未来をつくる政治塾では、素晴らしいスタッフ、講師陣と塾生に囲まれて、とても幸せです。なぜかというと、参加している人がみんな、それぞれの立場で社会を良くしていこうという、暗黙の共通認識の中で、議論が繰り広げられていくからです。出来ない理由を並べ立てられまくる会議って面白くないじゃないですか、みんなどうしたら良くなるのかを一生懸命考える人たちばかりなので、政治塾が楽しくて仕方がありません。

そして2023年今年の抱負

実は今月、1月21日の成田さんの講義のあと、私は夜トルコに旅立ちます。
飛んでイスタンブールです(笑)次の日の朝、イスタンブールに到着して、シリアとの国境近くのハタイ県まで乗り継いでいきます。延期になっていた弊社装置を使った実証実験をトルコで行います。今の量産型の装置になって今年で4回目、上手くいかなかった事がなく、自信を持って実証します。

長い道のりでしたが、去年、メディアでもたくさん取り上げられたこともあり、日本でも有償でのサービスを始めることができました。トルコでは今年国産車が販売されます。そのくらい、ものづくりの分野は活気に溢れていています。2019年に「冷蔵施設のない途上国に装置を持っていく」ことを心に決め、装置の制作にかかりました。最初は装置を作るお金すらもなく、友人4人から160万円借り、コツコツ、コツコツと成果を積み上げてきました。

これからもハードシングスに直面するとは思いますが、政治塾を通じてまた素敵な人と関係構築し、自分のやりたい事を実現させていこうと思います。

皆さんとの出会いに感謝。これからもよろしくお願いします。


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