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耕さない棚田-はじめに

はじめに


この本は
10年後にはもう古い情報となっているでしょう。

なので、2007年から始めた農作業と観察と考察をまとめて
たくさんの人に伝えたいと思います。

2007年まではただの素人であり、東京で育った僕は自然の感覚というものはこれぽっちもありませんでした。

しかし、2007年に千葉県神崎町で自然耕塾を開講していた(故)岩澤信夫先生と出逢い、そこから岩澤先生の観察の仕方、考え方を学びました。

先生は2012年に亡くなり、僕にとっての「教科書、答え」というものも
同時に失いました。

そこから先生の書いた本を何回も読み直し、関連した本も読みながら
実践していきました。

先生の栽培法は、8割出来上がった状態だったので
実践しながら本を読み直しの繰り返しで
『どうして?』、『なぜ?』を突き詰めながら8年。

今年千葉県南房総では、台風15号、台風19号、台風21号の影響での豪雨と自然災害に見舞われました。

この3回の災害により個人指導、教室などの仕事を減らして
この8年での出来事を今この瞬間からまとめていきたいと思いました。


かつて「わら一本の革命」の著者、福岡正信さんが提唱した「自然農法」をかわきりに、耕さないで作物というものは育つことが実証されました。

そして福岡先生のもとに「自然農」の川口由一さん、
「冬期湛水不耕起移植栽培」の岩澤信夫さんが話を聞きに行きました。
それから己のスタイルを確立していきました。

福岡先生が亡くなり
自然農法、自然栽培という名前だけが一人歩きし、
作物の本質を観ないで方法論ばかりこだわるようになっています。

岩澤先生の冬期湛水不耕起移植栽培法も、今となっては古い。
だけどその中でも揺るぎない、稲も含む生き物たちの本質だけは変わらない。
変わるのは時代と人間の思考です。
ではその本質と何か…きっと読み終わる頃にわかるでしょう

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