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面影のある家

最近知り合った人の家に行きました。

大阪の一戸建ての家。

ミニチュアダックスがいて、スヤスヤ寝ていました。

もう18歳という老犬らしくて、だいぶん衰弱していて、寝ているのか死んでいるのか心配なんだよ!と明るく言っていました。

部屋に入ると、すごくおしゃれなカフェ風のカウンターになっていました。

バリスタマシンもあって、
これはカフェできそう。



「最近、母親が亡くなってね〜。それで一気にリフォームしたんだよ。森泉先輩がよくやっているDIYだよね。全部自分でやったんだよ。」

そう、森泉は我らのセレブの先輩 笑


「すごいですねー。これはプロがやったみたいですよ。」

「ありがとう!じゃあ、君が定期的に来てよ!」

「遠いから定期的には無理ですね!電車で2時間ですからね 笑」

「そうだよな笑。」

「キッチンってやっぱり、生活感が一番溢れているんだよね。ここに立って母親が料理していたり、ここのテーブルのこの場所にいつも母親が座っていたなーとかって。そういうのもいいかもしれないけど、やっぱり思い出すとなんとも言えない気持ちになるよね。だから、思い切って、リフォームしようって思ったんだ。」

うん。確かに、面影がこの家にはある。

きっとここにいたんだろうなって思う。

今は違うレイアウトになっているけれど、ここに机があって、4つ椅子があって、キッチン側の左の椅子に座っていたんだろうなって思う。

帰ってくると何か食べていて、「おかえり」って言う。

なんかそういうのが染み込んでいる家。

生きているってこういうことなんだなって思う。

母親のいない家に老犬と暮らしているシングルのゲイ。

きっと寂しいんだと思う。

「しょうがないな!今日だけだぞ。」

という気分になった。



でも、もう大丈夫。

ちゃんとおまじないをしてきたから。

光に包まれて、たくさんの人がこの家に溢れるように。

このカフェのようなキッチンにたくさんの希望のタネの芽が出ますように。

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