ムリ・ムダ・ムラの最難関ポイント
「ムリ・ムダ・ムラをなくそう」
比較的おおきな企業だったり、トップ層がベテランばかりだと、この言葉を社内で耳にすることが多いと思います。
逆に、若い人が社長になってるようなベンチャー企業や、個人起業家などにとっては、直接的にムリ・ムダ・ムラという言葉を使うことは少ないかもしれませんね。
これらは3Mとも呼ばれていて、日本発の生産性を上げる方法として有名です。
なんですが、このムリ・ムダ・ムラの中で、明らかに1つだけ、どの企業も苦手としているものがあるんですね。
それは、『ムリ』の部分です。
ムダやムラというのは、管理者がチェックしたり、部門間などで相互的に見ていけば、どこにムダがあるムラがあるというのはなんとなく見えてきます。
ですが、ムリに関してはちょっと毛色が違うんですね。
というのも、ムリには感情的な要素が含まれてくるからです。
ムリの発見でよく使われるのは、目標です。ある部分で目標を掲げていて、「その目標は達成できるかどうか?」を見極めるためにムリかどうかを判断することが多いです。
例えば、ぼくの場合でいうと、コンサルティングに入った時に出す課題なんかがそうですね。
社長や企業の悩みを聞いて、現状行ってる作業や過去やってきた対処法なんかを確認する。そして思わしくない今の状態を打破するために必要な作業や課題を、その場で提案する。
ぼくのコンサルティングは、だいたいこれの繰り返しで、目標の数値に持っていくパターンが多いんですね。
なんですが、もしその課題が作業者にとってかなり負担が大きいものだったらどうでしょう?時間がかかるんで、次回のコンサルティングまで課題を終わらせることができないかもしれません。
すると、コンサルティングも月額制だったり期間が決まったプロジェクト型だったりしますんで、無意味にお金だけが飛んでいくことにもなりかねません。
もちろん、故意に課題をやらなかったというのは別問題なんですが、与えた課題のレベルが高く実行するのがムリだったのであれば、その見極めをミスしたことになります。
なので、課題を出すときは期限を決めて、かつ「いけそうですか?」と相手に必ずたずねるようにしています。そして、その場で「いけそう」または「ムリ」という返事をもらって、課題内容の調整を行なっています。
なんですが、一方で相手の「ムリ」という発言を全て鵜呑みにしてしまうと、相手のレベルアップの機会を安易に奪う可能性も出てきます。
というのも、その「ムリ」という発言の裏側が見えていないからです。
例えば「ムリ」という言葉が相手の口から出たとします。通常の企業内であれば課題を変えるか、「いや、やり通せ」と残業かけてでもなんとかしようと試みます。
ですがそこで、「なぜムリという判断になったのか?」という背景情報を聞くことで、課題をそのまま続行するか、それともレベルを調整するかの判断要素が見えてくるようになります。
確かに目標や課題に対して、本当にムリなのか?を判断するのは非常に難しいことです。
なのですが、背景情報を聞くなどして、企業にとって適切な目標を作り続ければ、止まることなくグングン成長することは間違いありません。
ぜひとも、見極めていきたいですね!
田辺輝恭