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『北斗の拳仕事術』という例え話

先日、樺沢紫苑さんの本を読みました。

精神科医の方でして、アウトプット大全とかインプット大全といった本を執筆されたことで有名ですので、もしかしたらご存知のかたも多いかもしれませんね。

で、今回ぼくが読んだのは「脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法」というものです。


人間の流動的な要素である、やる気・集中力・学習力・記憶力・想像力・作業効率などといった能力を、脳科学的に理解しておこうぜ!そうすることで、自分の能力をコントロールすることができるよ!というのがこの本のコンセプトなんですね。

なのでこの本では、脳の構造とか情報伝達の理論などが事細かく書かれているんですが、、、いかんせん、Amazonレビューで「怪しい怪しい」と叩かれまくってるんですよね(苦笑)

その理由は「発売日前に星5つの高評価が付きまくってる!」だとか「中身が薄いのになんでこんなに評価が高いんだ?」といったものが中心となってるんですが、それでもぼくはこの本を多くの人にオススメしたいと考えています。

というのも、そもそも素人からすると中身が薄いということは全くないというのもあるんですが、それよりも『例え方がかなり攻めている』というのがあるからなんです。(『攻めている』というのはもちろん褒め言葉です!)

例えば、やる気や闘争心を高める仕事術として、本書では『北斗の拳仕事術』というものが紹介されています。北斗の拳の主人公であるケンシロウは、たくさんの北斗神拳の技を使います。ですが、実は漫画の中で同じ技を繰り返し使われることって滅多になかったりするんですね。

おそらく最も有名であろう北斗百裂拳も、実は漫画の中では1回しか使われていません。(逆に最も使われた北斗神拳は北斗剛掌波なんですが、それでもラオウとケンシロウの2人が使ったことで回数が稼がれただけです)

要は簡単にいうと、仕事のやる気を高めたいのなら、毎日新しいことにチャレンジしたり、教わったやり方を自分流にアレンジしましょうというものなんですが、それをあえて『北斗神拳の技を1回しか使わないというケンシロウの性格』に例えて説明されてるたんですね。

で、本書の中にはこんな感じの例えが、ウルトラマンやデスノートなどを使って盛りだくさんに入ってるわけなんです。

こういった例えなんですが、わかりにくいものをわかりやすくするためには非常に効果的です。なぜなら、難しい話や専門性の高い話というのは、基本的に用語の壁・論理の壁によって遮断されてしまいがちだから。

ですが、そんな難しい話を、誰もが知ってる話に例えることができたら、頭の中でリンク付けさせることができるようになります。その結果「めっちゃわかりやすい!」となるわけなんです。

それに、こういったエンタメ・サブカルで例えるというのは、他にも大きなメリットがあります。

それは、『例えの内容がわからなくてもなんとなく理解ができるようになる』というものです。

例えばなんですが、本の中では特に知っておいてもらいたい脳内物質として、ドーパミン・ノルアドレナリン・アドレナリン・セロトニン・メラトニン・アセチルコリン・エンドルフィンというのがあると、記されていました。

で、それぞれの物質の特徴が書かれていたんですが、その例えがエヴァンゲリオンだったんですね。

ぼくは残念ながらエヴァンゲリオンのことを全く知りません。いや、知ってるには知ってるんですが、『なんかでっかいもの同士が戦う話』くらいしか知らなかったんですね。

ですが、本の中では、

作品の主人公は碇シンジ。シンジの有名なセリフが、「逃げちゃダメだ」です。パイロットとしてエヴァに乗り込み、謎の敵・使徒と直面するたびに、シンジは恐怖に支配され、「逃げたい」という衝動に駆られます。

こうした局面で分泌されるのが「ノルアドレナリン」です。

と紹介されていたんです。

こんな感じで例えられてしまったら、エヴァンゲリオンを知らなくても「なるほど!」ってなりますよね。というのも人間には関連付けする能力があるからです。なのでエヴァンゲリオンという作品は知らなくても、『目の前の恐怖から逃げたくなる状況』という部分は共感できたりするわけなんですよね。

で、その共感を呼ぶのに、エンタメ・サブカルを例えに使うのは非常に効果的だということなんです。

専門性が高くて伝えるのが難しい場合は、エンタメ・サブカルを利用することをオススメします!

田辺輝恭

ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。