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フリーランスやるなら一度は確定申告で地獄を見たほうがいい

そろそろ毎年恒例、確定申告を考え始める季節になった。
とはいっても、自分は法人なので考え事のメインは決算申告だ。ふるさと納税や医療控除があるので確定申告するものの、基本的にはサラリーマンとしての+αな控除を受けるための措置に過ぎない。

この記事で書きたいのは、そういった「ちょっとお得になる情報」ではなく、フリーランスエンジニアなどの個人事業主における確定申告の話である。

自分で確定申告をやる意義

確定申告するとなると、いくつかの選択肢がある。

  • 税理士に頼む

  • 自分でやる

  • やらない

この3つのうち、最もやってはいけないのが当然ながら「やらない」だ。
昔、某お笑い芸人が脱税の形になって大幅な追徴を食らい、大きなニュースになった。

我々日本国民は、同時に納税義務者である。
小学校の社会で習ったように「納税の義務」なるものを負っている。生まれながらにして背負った大きな十字架である。

その十字架の重さを自ら記帳して算出するという苦行を実施するのが確定申告だ。

なぜそんな苦行を自ら行うべきなのか。
その大きな理由は、「正しく合法的に十字架を軽くするための知識を付ける」ためである。
適当にやると、「不当に十字架を軽くしてしまう」か「無駄に重い十字架にする」の二択が待っている。

別に賃借対照表(BS)や損益計算書(PL)とにらめっこしろと言ってるわけではない。そのあたりは会計管理の分野で、納税と直接的な関係はない。つまり、決して難しい話をしているわけではないのだ。
事実を事実として報告してあげよう小細工せずに税制として使えるものは使っていこう、というだけの話だから、もはや義務教育に取り入れたほうがいいレベルのことをやるだけだ。

会計ソフトはケチらず使え

昔と違って、今は個人事業主向けのソフトウェアが溢れている。
しかも安価だ。なんなら申告機能まであったりするし、政府は政府で申告のサポートや簡易化をするためにさまざまな施策を打っている。

代表的なのはfreee、マネーフォワード、弥生会計あたりだろう。
どれを使っても構わない。どのソフトウェアを利用するにしても、正しい使い方をしていれば問題なく申告できる。

利用も月々数百円〜なので、この経費をケチってはいけない。
自分の時間を考えると、月に数百円でこんなにラクできるのかと感動すらできる。

「勘定科目がわからない」という場合は「◯◯ 勘定科目」とググればいくらでも税理士の解説が出てくる。
いい時代になった。税務署に電話したり、税務署が開催しているセミナーに行って質問したりしたのはいい思い出だが面倒だった。

税理士に頼むレベル

もちろん、税理士に頼んだほうがいい人もいる。
株や仮想通貨取引による高額納税者だったり、仕訳の量が多かったりする場合だ。会計ソフトを使っても、人間なのでミスをする場合が出てくる。
そういったときに税理士という専門家のチェックは非常にありがたい。

仕訳が少ないフリーランスエンジニアのような職種にとって、税理士を検討するのは法人化を検討し始めるくらいの段階である。
または自分以外の外注を使ったりする場合も、相談ベースで利用するのも一つの手だ。

法人決算についてはここでは触れないが、一度だけ自分でゼロからやったことがある。確定申告をはるかに超える地獄だったし、もう二度とやらない。あれをもう一度やるくらいなら法人を解散して個人事業主に戻る。
それくらいの差があるので、ぜひ個人事業主の方々は確定申告くらい自分でやってみてほしい。

税務署の職員はかなり優しい

税務署を目の敵にしている事業主はちらほら見かける。
そりゃ税金など誰も払いたくないのだから当たり前だ。だが、納税は国家として国民に課した義務であり、税務署職員は仕事しているだけなのだ。

所得隠しや義務に対する怠惰に厳しく接することも仕事の内である。
だが、逆に「申告して納税するために動いている」納税義務者に対してはとことん優しいし丁寧だ。
少なくとも自発的に物事を解決しようとして、そのための質問であれば快く回答してくれる。

税務署はこの時期にセミナーや講座を開いてくれたり、相談会といった形で確定申告をサポートしてくれたりもする。
ぜひ一度話を聞きに行ってみてほしい。彼ら彼女らは誠実に仕事をしていて、我々納税者はそんな彼ら彼女らの誠意に応えなくてはいけない。

なお、電話でもいろいろ教えてくれるのだが、確定申告時期の前後は忙しくなるだろうから頻繁に電話するのは控えてあげよう。
ググりまくれば多くの税理士が有益な情報を提供してくれている。YouTubeにもたくさん情報がある。まずは自分で調べてみよう。

多大な経験値を手に入れろ

「地獄を見たほうがいい」なんて煽り文句をタイトルにしたが、正直なところ現代では地獄を見れない。
情報が溢れかえっているからだ。

だが、確定申告をする流れを理解して、それを実行する経験は必ず会計知識や税金の関する知識としてスキルになる。
これは社会一般で通用する知識と経験な上に、うまいこと興味を持てれば財務全般への意欲にもつながる。

ぜひ怖がらずに足を踏み入れてみてほしい。

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