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女性の医師が辞めざるを得ない状況が続く先にある現実

先日、超党派の「クオータ制」勉強会に参加しました。

ジェンダー平等を実現するために女性の国会議員が党を超えて集まり議論している場で、旗振り役はジャーナリストの長野智子さんです。

今回のゲストは大阪医科薬科大学の河野恵美子先生でした。大阪医科薬科大学の助教授にして消化器外科医であり、消化器外科女性医師の活躍を応援する会「AEGIS-Women」を立ち上げました。

医師の世界もジェンダー格差があるわけですが、それは放っておくと我々の命にもかかわる大問題です。ただでさえ医師、とりわけ外科医は人気がないし、これからもっと人手不足になるのが目に見えています。

なのに女性の外科医は手術で執刀させてもらえなかったり、家庭との両立で辞めざるおえない、もしくは子どもを産むことを諦めることを迫られています。

男性医師の配偶者はほとんどが専業主婦で、女性医師の配偶者はほとんどが専業医師、というデータも見ました。医師は長時間労働で家庭との両立もたいへんです。

優秀な女性の医師たちが自ら辞める、そうせざるを得ない状況をつくってしまっている。これは医療業界だけに原因があるのでしょうか。

「政治家のみなさんにもっと考えてほしい」と河野先生はその場にいた議員さんたちに呼びかけられていました。そこかた党を超えて議論が始まりました。

医師の働き方、そのものも変えていかないといけないし、どうやったら女性の医師が結婚や子育てを機に辞めなくてもいい状態を作れるか。

河野先生も、苦学してせっかく医師になったのに、その努力を否定されたかのような気持ちになり、ひどい絶望感に襲われて続けたといいます。

私はまだ手術を受けるほどの大病を患ったことはありませんが、たしかに「手術をする医師:男」のような偏見がこれまで無かったわけではありません。

河野先生の講義を受けるまで、女性でも執刀する医師がいること、だけどそんな女性の医師を取り巻く状況がとんでもなく過酷であることは知りませんでした。

もしかしたら、手術を受ける側も「男性の方がいい」と無意識に偏見を持っているかもしれません。そこに優劣はないはずなのに。

私も一有権者としてももっと声をあげたいと思いました。このまま放っておくと日本の医療は続かないでしょう。


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