もう終わりにしよう
と思っても続いてしまうことが
この世にはたくさんある気が
するようなしないような気がする
◇
コロナから与えられた[圧倒的暇]感
コロナから与えられた[欲求不満爆発]感
それらは残念ながら
実体を伴うことはなく
どこにも行けず
絵に描いたような空虚な夜に
青白い液晶をこねくり回す
◇
どこにも行けないのなら
せめてしっかりと寝ることで
身体の役に立てば良いものの
右脳は未だに反抗的な態度をとる
◇
何かを終わらすことでしか
何かを始められない気がして
惰性への嫌悪を
変わり映えしない日々への苛立ちを
都合良く僕らは
終わらせようとしてしまう
◇
振りほどこうとしても
ずっとずっとついてまわるもの
ナシにはできない
ずっと持たされているもの
生き続けながら
時々チラ見して
確かめる
アイデンティティの素180g
◇
自分探しの旅に出かけられる立場は
新しい生活と引き換えに失った
そんな大それた
自分発見巨大装置がなくとも
アイデンティティの素180gを解析する術は
あるかもしれない
◇
終始という視点ばかりで
自己分析するのは
もう終わりにしよう
◇
終わってないし
始まってない
けれども僕らは
延長線にいる
何の線だか
わかんないけどね
◇◇
瞼を閉じる前に
羊を1匹数える前に
アイデンティティの質量をはかる
(2020年11月@北緯1度)
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