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初めて舞台を見た瞬間,私の頭に星がぶち当たった


 観劇を始めてから約600日が経ったようです。

小学校入学から数えるとしたら1年と8ヶ月の小学2年の冬。トイザらスのチラシを切り抜き,それとなく父親のカバンに忍ばせていた時期です。
あの時のワクワク感とドキドキ感を、今もずっと同じように抱えることになったきっかけは忘れもしません2022年10月7日。

 これは、私が初観劇をして,心が宇宙までブチ上げられた時の記録です。


 2022年10月
「魁‼︎男塾」舞台化決定‼︎
ある夏の暑い日、このニュースが地球上を駆け回りました。私も片っ端から知り合いに電話をかけまくったので甲信越エリアから男塾舞台化というニュースがスプリンクラーみたいに飛び跳ねまくっていたのは事実です。

当時のツイート

別アカウントより抜粋

キースジャクソンとは、
私が魁‼︎男塾で一番愛を拗らせてしまった人物です。

どんな人物かと言いますと……
魁‼︎男塾にて主人公 剣 桃太郎達が通う男塾に亜米利加(アメリカ)からきた留学生軍団のサブリーダー的存在。表面上は友好的に接するが、その実は日本を見下し,無礼な態度を取る。嫌がらせを仕掛けるなど率先して行う。そして撲針愚の試合では田沢と秀麻呂ペアを冷めたツッコミと共に撃破。しかしその後の剣桃太郎との試合では手も足も出ず負け、直後遅れてやってきたJからも制裁を受ける。その後,Jと桃の試合ではJの強さを語る実況者となる。試合後の日米友好のシーンの際には汗をかきながらも素直な笑みを浮かべて帰国していく。

※J外伝にて再登場しますがあくまでも魁‼︎男塾に即しての解説とするため、そこでの活躍は割愛します。

 キースジャクソンというこの男,男塾作品によくある非道な行いをする小悪党という印象が第一に伝わってくるのですが,あくまでもサブリーダーという認識を持つ。制裁を受けた後も恐れるのではなくリーダーであるJを誇る。そもそも行う嫌がらせが外交に関することだったり,身体の特徴や命に関わるような内容(注1)など狡猾かつ非道でありそれでいて表面上は友好的なように振る舞う。最後の笑い方はあまり男塾作品ではみることはない冷や汗と笑みのバランスなどなど、しればしるほど、否……一つ気づくとどんどんと解像度があがり続けるような人物なんです。

注1:チームメイトに指示し、硫酸が入ったカップを頭に乗せてバランスを保っている状態の塾生達を崩すために頭上に火のついた煙草を乗せる。 

良くも悪くも,男塾らしからぬ洋画の悪役のような魅力を持つ人物。バックトゥザフューチャーのビフタネンやロボコップのクラレンスの要素を感じさせつつ、トップガンのアイスマンのようにヒール役の香りを漂わせつつもライバルの枠を保つような空気。作者である宮下あきら先生がお好きのロックの遺伝子も通ったこの人物。


えっ、実在してしまうの?10月に?舞台上で?後2ヶ月半しかないのに?????

初めての2.5次元。
私は次元の狭間に飛び込む勇気がなかった。
キースジャクソンという人物に対して,私は膨らみすぎた思いを抱えていたのです。
自分の思いを抱えすぎているのに、新たにお出しされた舞台版キースジャクソンを見ることなど私はできるのだろうか。
観客席で膨らんだ思いをどうすることもできずに抱えたままよっこらせ、と重い腰を上げることしかできないんじゃないか。

一体誰がキースジャクソンを演じてくれるというのだろう。HPにはもうキャスト一覧が載っているという話を聞きつけ,私はいさんで飛び込みました。

 添田 翔太 氏。

これが、私が今日こうしてシャカリキに文字を刻み続けるきっかけとなった人物を初めて認識した瞬間でした。

 第一章:良い……顔をしてはる。

 魁‼︎男塾キャスト一覧を拝見し、添田翔太さんという名とそのご尊顔を確認した私の第一印象はとにかく好みの顔でした。メイク姿でもない、宣材写真が載せられていましたが本当にパッと見た瞬間、あっ好きな顔だ。と思いました。
これはもう好みの問題と言いますか……、とにかく私の中のグッドルッキング議会メンバーは全員前のめりになりました。それぐらい外見はどタイプでした。

ただ、それだけでよかったー!とならないのが事実。私はキースジャクソンを演じる方がたとえどれだけカッコ良くても満足できないという思いがありました。
どれだけこの添田翔太さんの目鼻立ちが私好みであろうと、
口元の笑った感じだとかが人柄の良さも滲み出ていて素晴らしく好みであろうと、
配信もはじめて見たけどお声や話している時の表情が最高に素敵だろうと、
このかたのキースジャクソンを見て,膨らみすぎている、否、男塾にハマった時からもずっと答えを見出せず濁り詰まったキースジャクソンという人物像を抱えたままである私は果たして受け入れることができるのか。

8月
ビジュアル解禁。


チラシ写真がうまく取れなかったためブロマイドより

はちゃめちゃにビジュアルが良い

外見がすこぶる良かった故、私の不安と期待の織り交ざった思いはより重さを増して、私の上にのしかかった。

 
第二章:いよいよ初日

天気大荒れの伝承ホール
10月7日の初日はよく覚えています。
大荒れの天気でした。
初めて舞台を見る、しかも魁‼︎男塾。
不安と期待で心も大荒れ状態。

舞台初心者に一番必要なのはオペラグラスでもチケットホルダーでもなくて持て余したテンションを発散させるドッグランだと思います。
爆発する前に走らせてくれ。
友人と戦々恐々しながらやっと着席しましたセンターからやや右手側。

いよいよ、幕が上がる。
超超超超かっこいい主題歌「汚れちまった悲しみに」から始まるopアクト。

男塾ファンとしてはもうこの時点で爆上がりしました。

そして各人物、陣営にスポットが当たっていくのですが……

あれ?

んん?

キース居なくない???

いやー、うん???仕方ないのかな。
だってね、舞台上で人が生で動いて、それすなわち人生になるわけですからね!
そりゃ演出上仕方ない部分も出てくるわけで。
悲しいけど飲み込みましょ。
と、うんうん言い聞かせつつそれでもバチバチにかっこいいopアクト見ているわけです。
前列にはメインキャラ含め、アンサンブル?と言いますか名もないキャラもいて、やたら私の目を引くかっこいい男性キャラもいるな……うん?

あれ添田氏では???

衝撃 まさかの二役
しかもキースを見る前に原作にはなかったモブの姿を見るという胸に残り離れない苦いレモンの匂いが消えぬまま私はキース君に備えないといけないのですか?

キースを演じる添田翔太さんがモブの二号生役も演じて江戸川役のザブングル加藤氏を神輿に乗せて運ぶシーンがありますって男塾どれだけ履修しててもわかるはずないじゃないですか???

舞台のクオリティの高さに没入しつつもあまりの情報量の多さにグロッキー状態。
しかし添田さん演じるモブ二号生、とても良い。
可愛い。

そして濃度が強い対面式のエピソードがおわり
いよいよキース達留学生登場シーン。

ついに

ついに私は、舞台版キースジャクソンを目の当たりにする瞬間を迎えるのです。

 第三章:閃光と無重力

何が起きたのか、はっきりおぼえています。
ベース音のBGMとともに登場してきた留学生達。
友好的に手を広げ、現れた男。

キースジャクソンが、そこにいました。
 
 何を持ってキースジャクソンと言えるのか
それをはっきりとは言えません。
ただあの時男塾舞台に現れたあの人はまさにキースジャクソンでした。
立ち振る舞いの端々から伝わる、キースとはこういう男なんだという情報量の研ぎ澄まされた刃の美しいその切先が私のもののけと化したオタク心にブッ刺さる。オッコトヌシもびっくり。

キースジャクソンとはこういう人物じゃないか。いや、かれとはなんなんだろう。とずっと抱えてぐるぐると回していた気持ちが、フッと取り上げられました。
そして、キースの発する言葉のひとつひとつ……
原作やアニメとはちがう怒号ひとつとっても
私の心は浮き立ち、キースジャクソンに対するこれまでの気持ち全てが掬い上げられて私ごとテンションが空高く上げられ、身体には身に覚えのない神経がパシパシと走るようでした。

知らないキースなのに、男塾の世界にあらわれたニッチなヒール役のキースとして、こんなに世界に根付いている。
存在が確立している。

桃との戦いで余裕が無くなる様も、Jの戦いに沸き立つ姿全てがキースという人物であり私はもう胸が震えっぱなしだったのですが最後の最後、キースがJと桃のやりとりに見せる表情‼︎

この瞬間で、キースジャクソンの人生がガッと決まったような衝撃。もう私が今まで経験したことのない衝撃の連続。

舞台のランタイムだとまだ半分過ぎたあたりなんですよこれ

魁‼︎男塾は最高の舞台だったので、なかなか見る機会は現状難しくなっておりますが是非見てほしい一作……‼︎

これが、私が添田翔太氏を知ったきっかけである舞台、そして舞台観劇を始めるにあたった一つのきっかけです。

もう一つの決定的な転換となった作品の話はまたいずれ。






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