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幽霊をよけたら足の小指を強打した話

私の妹は幽霊が視える。一緒いて怖いことないですか?とよく聞かれるが、そういうことは全くなく、思わず笑ってしまう出来事の方が多い。

その時は私の家に妹が遊びに来ており、家には二人しかいなかった。当時住んでいた家には物置にしていた部屋があり、タンスや、使用していない家具などを置いていた。
外出する用事があったため、そろそろ行こうかと準備をしていた時
『あっすいません』とその部屋から妹の声がし、ゴスッと何かがぶつかる音がしたと同時に、『ぐぅぅっ』と唸るような声がした。
何事かと慌てて様子を見に行くと妹がつま先をおさえてうずくまっている。
「どうしたの?」
『おじいちゃんが…』
「おじいちゃん⁇」
『おじいちゃんが部屋の入口にいて、ぶつかりそうになったから慌ててよけたら…小指そこにぶつけて痛い』
「あのぉ、今この家には私とあなたしかいませんが?幽霊さんってわからなかったの?」
『扉開けたら目の前にいたから反射的に…』
妹は丁寧に幽霊のおじいちゃんに『すいません』とあやまり、ぶつかりそうになるのを避けたひょうしに、タンスの角で足の小指を強打したらしい。

こういうことは日常茶飯事でもうすっかり慣れてしまった。そのおじいちゃんもただ通っただけのようで、それ以降会うこともなかったようだ。
ただ、その部屋に決まった時間に石を探しに来ていた若い男の人がいたという話が興味深かったので、またの機会に書いてみたいと思う。

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