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(53) 通勤時間が爆長くなったので毎日本を一冊ずつ読むことにした

 こんにちは、通勤時間を利用した読書記録です。
 ケータイとPCが壊れている間書けなかった分を、ダイジェストにしてお送りします。書影が分かると(自分が)分かりやすいので載せていたのですが、URL引っ張ってくるのが面倒くさいので諦めました。すみません。後で入れるかもです。入れないかもです。
 (追記)書影、入れました。

327. 小児期トラウマがもたらす病 ACEの実態と対策

 326で読んだ『その生きづらさ、発達性トラウマ?』に出てきた「発達性トラウマ」と似た感じの本。こちらは小児期に得たトラウマが大人になって免疫疾患などになりますよ。という話。これには『小児期トラウマと闘うツール』という類書もあって、それは前読みましたね。
 どの本を読んでも、わたしはこの生まれ育ちからするとそのうち免疫疾患かそれに近いようなものに罹りそうなので、今のうちに自分の呪いをできるだけ中年になるまでに解きたいなと思った。

328. 岬

 中上健次の短編。前に『十九歳の地図』と『枯木灘』を読んだときは、つまんねーな と思って読み切れなかったんだけど、これは読み切れた!! 短編だからかもしれないけど。
 で、読んでて思ったんだけど、わたしはこの男性性の発露というか、男性性そのものというか、そういうところがめっちゃ嫌い。少なくとも今は、めっちゃ嫌いだと思った。チンコ勃ててるくせに何言ってるんだ?って思うことしきり。でもわたしが仲良くしたり一方的に好きだなーって思ったりする人たち、みんな中上健次好きなんだよねー。どういうこと? そういう現象、ラーメンズでもフジファブリックでも起きたけど、わたしはいつもちょっとさみしいですよ。

329. 作りたい女と食べたい女

 THE・Twitterマンガ。(そういうことを言っていいのか?)例に漏れず、わたしもTwitterで知り、しっかり読ませていただきました。同じマンションに住む女二人が、一緒にご飯を食べ絆を深めていく話。これを百合漫画と呼ぶかどうかは、議論の余地あり。(GLとamazonにはあるが、それもどうなんだ? いや、公式が言っているならいいのか……)
 もちろんモリモリ食べて元気いっぱい(?)の春日さんが大好きなのですが、一方で、主人公が派遣社員・SNSで手作りご飯を公開・自分の足元の世界のフェミニズムに敏感なアラサー女性(生理は重い) みたいな設定なのが、生々しくて若干つらい。でも同時に、これはわたしが前々から言っていた「女同士の低所得『きのう何食べた?』見たい」ってやつなのかもしれんな。とか思ったりもした。

330. さよなら、俺たち

 桃山商事の清田先生(もはや先生呼び)が書かれた本。この人の本を読むと、いつも「そんなに反省しなくていいのに……」と思いつつ、人が反省しているところがちょっと気持ちよくて読んでしまう みたいなところがある。自分の中のサディズムというか、サディズムにまで満たない「スカッとジャパンを求める気持ち」みたいな下劣な感情が揺さぶられてつらい。
 この人の言葉が、男に傷つけられた過去を持ち男が謝るところを見たくてしょうがない人たちだけでなく、「俺たち」に届いていきますように。なんていうことを思った。

331. 9つの脳の不思議な物語

 図書館で借りた。自分に起きた出来事を全部覚えている男性、脳内の地図が消えてしまい家の中で道に迷う女性などなど、人と違う脳を持った人たちと会う科学エッセー。
 上記の二人とかは「すげー!」と思うような人だったけど、最後のほうに出てきた「解離がひどすぎて自分の体が自分じゃないように思える女性」とか、「人の痛みを自分の肌で感じる男性」とかは、程度の差こそあれ分かる部分があるぞ!あれ?!と思った。
 類書は『私はすでに死んでいる』。


332. 中国残留孤児 70年の孤独

 図書館で借りた。終戦時に中国に残され、日本に帰国してきた中国残留孤児たちの人生を描く本。もともと中国で大きな仕事をしていても、日本に戻ると言語の問題などから清掃員の仕事しかつけない、、みたいな話がつらかった。
 本人たちが一緒にバスでイベントに行くエピソードのシーンは、もう本人たちがおしゃべりしている声が聞こえそうというか、ノンフィクションならではのリアリティで、読んでいて楽しかった。

333. 散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道

 図書館で借りた。梯久美子氏のノンフィクションは『狂うひと』以来。『狂うひと』はね、読んでいない人はいますぐ読んだらいいと思いますよ。まじでいい本です。
 それはさておき。今回は硫黄島の総指揮官・栗林忠道について書かれたノンフィクション。これもいい本ですね!!(大声)「散るぞ悲しき」は、栗林中将の辞世の句に使われた言葉ですが、海を渡り大本営から日本国民に知らされるときには改変され、消されてしまった言葉なのです。もうそのエピソードだけで、「この本おもしれ~」ってなりませんか? わたしはなりました。
 5日で落ちるという米軍の予想を覆し、36日間持ちこたえた硫黄島の戦い。絶対に負けるということがもう分かっていたうえで、自決を禁じ、意味のない特攻をさせたがらなかった。自らも割腹することなく突撃して亡くなった、と。そういうことがつらつら書かれているのかと思いきや、家族への手紙には本当にちょっとしたこと、生活のことがたくさん書かれていて、そこはむしろほっこりするくらい。中将の人となりや家族のことを踏まえて、突撃までの道を追う構造になっているので、最後のほうは「はあ、まじでよ、、戦争ってよ、、」という気持ちにどうしてもなる。
 こういう本がよく読める、夏になりましたね。(硫黄島の戦いは3月だけど……)

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