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VR時代のUIデザインってどうなるの?色々と思いを馳せてみた

この記事は、2018年8月2日に執筆し、加筆・修正を加えたものです。

こんにちは。デザイナーの田村(@tamu0505y)です。

先日、ついにOculus Goを買ってしまったのですが、それ以来「VR」に興味を持ち始めました。

みなさん、NetflixのVRアプリは体験されましたか?ヘッドセットを被ると、周囲が丸ごと映画館のようになるんです。

すごいですよね。ぜひ、進撃の巨人とかを見てみてください。大迫力です。巨人怖いです。さて、このままVRデバイスが普及していくと、どうなるのでしょうか。

今はまだ、それらしいヘッドセットを付けなければなりません。しかし、技術はどんどん進歩しますし、そのうちメガネぐらい自然な存在になるかもしれません。

そうなったとき、UIデザイナーの仕事も、大きく変化しそうです。今では、UIデザインの対象といえば、スマートフォンアプリなどを身近に感じるかもしれません。しかし、5年後、10年後はどうなっているのでしょうか。

そこで今回は、VR時代のUIデザインについて、色々と思いを馳せてみました。

対面的から包含的へ

先日『バーチャルリアリティ学』という本を読んでいたのですが、その中で興味を惹かれる記述がありました。

それは、VRをヒューマンインタフェースの観点から見たとき、人とシステムの関係性は従来のように「対面的」ではなく「包含的」になるということです。

包含的とは、いったいどういう状態なのでしょうか。例えば、すっかり身近な存在となった、スマートフォンの操作を思い浮かべてみてください。わたしたちは、スマートフォンを手に持ち、画面と向き合って操作しています。このとき、人とシステムの関係性は、まさに「対面的」と言えますよね。

一方で、VRではどうなるでしょう?冒頭で、NetflixのVRアプリについて紹介しました。そのときは、まるでわたしがNetflixの中にいるような感覚がありました。つまり、人がシステムに含まれている状態(包含的)ということです。

人とシステムの関係性が与える影響

人とシステムの関係性の変化は、VRをはじめ、将来のUIデザインのポイントになるでしょう。

というのも、人とシステムの関係性は、従来のPCからスマートフォンへのシフトの際にも大きな影響をもたらしたからです。

スマートフォンが普及するまで、人がアプリケーションを操作する際には、PCの前に腰を下ろして行うものでした。

しかし、スマートフォンが普及すると、高度なアプリケーションも、手軽に日常生活の文脈の中で利用できるようになりました。結果として、今ではその文脈により着目し、どのようなユーザー体験を設計するのかが重要視されるようになりました。

よって、同じような変化が、今後も起こるのではないでしょうか。

VRの定義と現実を構成するもの

ところで、VRといえば、OculusやPSVRに代表されるように、ついヘッドセットが思い浮かびそうです。

しかし、ヘッドセットのようなデバイスも、本来はVRを表現するための手段の一つに過ぎません。というのも、VRとは「現実のエッセンスを抽出したもの」であると、『バーチャルリアリティ学』の中では述べられています。

VRを訳した用語として、慣用的に使われている「仮想現実」という言葉は、正確には意味合いが間違っているのだそうです。

例えば、仮想現実と聞くと、いわゆる現実(real)とは対極に位置付けられそうなイメージを持ちますが、VRはそうではありません。VRは、現実そのものではありませんが、そのエッセンスを抽出することで作られた「人工現実」ということです。

少し抽象的な話になりますが、現実とは人が感覚器官(主に五感)を通して知覚した、情報の中から構成されています。その中には、景色や匂い、音、舌触り、感触など、あらゆるものが含まれているのです。しかし、触覚や味覚までカバーできるようなVRデバイスは、まだありません。そのため、現状ではメインの情報源となる視覚や聴覚をカバーできる「ヘッドセット」が用いられているのではないでしょうか。

ただし、これについても、技術の進歩によって状況は変わるかもしれません。

情報デザインとVR

このようにして、VRのUIデザインに思いを馳せていると、学生の時に教授から教えてもらった言葉を思い出しました。

UIデザインについては、当時専攻していた「情報デザイン」の文脈で学ぶ機会があったのですが、その定義について次のように話されていました。情報デザインとは「人が知覚した情報を、認知し、学習し、行動に結びつけるまでの一連の過程を設計すること」であると。

当時は「抽象的すぎてよく分からないな」と思っていたのですが、何だか結びついてきた気がします。情報というと、真っ先に思い浮かぶのは「文章」や「画像」ではないでしょうか。実際に、学生の時も社会に出てからも、デザインの対象として扱ってきたのは文章や画像でした。今でも、SketchやPhotoshopを使って、相変わらず同じものを扱っています。

しかし、先ほどお話したように、本来「情報」とは、人が知覚する全てのものが対象になります。デザインは、技術と共に進歩してきました。よって、VR時代のUIデザインでは、当たり前のように「匂い」や「感触」も扱うようになるかもしれませんね。とても難しそうですが、同時に楽しそうだと思いませんか?

おわりに

たまたまOculus Goを買ったタイミングだったので、今回は趣味全開の記事になってしまいました。

しかし、クラウドワークスは「時間と場所にとらわれない働き方」を追求し続ける会社でもあります。

VRの話題も、あながち関係がないわけではありません。例えば、最近では「フルフレックス・フルリモート」制度が始まりました。こうしたチャレンジも積極的に行っているので、あと数年後には、VR上でのミーティングが当たり前になっているかも…?

それでは、最後までお読みくださり、ありがとうございました。


あなたの幸運を全力で祈ります!