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フリーランスになってから、やっておいて良かったこと

デザイナーのtamuと申します。フリーランスになってから、おかげさまで3年目を迎えました。

歴としてはひよっこの域を出ませんが、たまに知り合いからフリーランス転向の相談を受ける機会も増えたので、このあたりで表題の件について振り返ることにしました。

これからフリーランスへの転向を検討している方に向けて、少しでも参考になるポイントがあれば幸いです。

健康保険組合への加入

会社を辞めて自営業が加入する健康保険といえば、自動的に加入する国民健康保険(いわゆる国保)が真っ先に思い浮かびます。

しかし、仕事の内容によっては、その業界に特化した健康保険組合に加入することで、様々なメリットを享受できる可能性があります。デザイナーならではという点で、例えばわたしの場合、文芸美術国民保険という組合に加入しています。

文芸美術国民保険の場合、所得に関わらず毎月の健康保険料は定額になります。そのため、一時的に所得が上がったとしても、健康保険料は抑えられます。反対に、所得が一定の水準を下回る場合は、所得に連動して費用が変わる国保の方が、結果的には負担が少なくなる場合もあります。

誰でも加入できるわけではなく、文芸美術や著作活動に従事していることが条件で、入会時には作品例の提出も必要となり、審査があります。

また、最初から文美国保に申し込むのではなく、事前に加盟団体への加入も必要です。わたしの場合、仕事の性質上、日本ネットクリエイター協会が適切と考えて申込みをしました。(例えば、イラストの仕事がメインなのであれば、日本イラストレーター協会が良いと思います)

同業者でも、わたしの周りでは健康保険組合に入っている人を見かけないのですが、とてもオススメなのでぜひ調べてみてください。

融資の活用

フリーランスになってから、手元に現金を残しておく重要性を強く実感するようになりました。きっかけは、デザイン業と並行して行っている事業の方で、数百万円ほどの資金が必要になったことです。

当時は借金にネガティブな印象もあったため手持ちの現金で決済するつもりでしたが、同じく自営業や会社を経営する諸先輩方からのアドバイスもあり、銀行から融資を受けることにしました。

そんな折、取引先の1社と契約解除となり収入が減少したり、近く子どもが生まれるタイミングで急遽家を購入することを決めたり、お金が出ていくタイミングが重なりました。

仮に手持ちの現金で決済していても、貯金が全て無くなるわけではなく、心配は杞憂に終わる可能性が高かったものの、そこからさらにアクシデントが起こっていた場合は危なかったかもしれません。

融資を活用して手元に現金を残したおかげで、仕事量を大幅に抑えても当面の生活費の心配をしなくて済んだり、生まれたばかりの子どもと触れ合う時間もたくさん作れたので、結果的にセルフ育休のような形が取れて良かったと思います。

フリーランスのデザイナーの場合、開業にあたって高額な初期投資も必要ありませんし、融資に馴染みのない方が多いかもしれません。しかし、いざという時のために、資金調達の方法について知っておくと良いかもしれません。

確定申告を税理士へ依頼

デザイン業だけであれば、会計ソフトを使って自分で行っていたかもしれませんが、前述したデザイン業ではない事業の方は、専門的な知識が必要とされる点もあり、毎年税理士に依頼しています。

税理士への依頼の仕方も色々ありますが、わたしの場合、日々の記帳は会計ソフトで自ら行っており、確定申告の際にそれをレビューしてもらう形式を取っています。そして、最終的な申告作業は税理士にお任せしています。

上記のような運用だと、それって税理士に依頼する意味あるの? と思われるかもしれませんが、税務を丸投げしないことで「こういう経費は、このように仕訳すれば良いんだな」と経験値を貯められて有意義です。定期的に融資を受けるのであれば、銀行の立場で決算書を作り上げる視点も必要になります。

そして、昨今のインボイス制度のように大々的なものであればまだしも、税務に関する法律も日々アップデートされていく中、それらを常にキャッチアップし続けるのは容易ではありません。

同業者の方でも、SNSを見ていると、家事按分や固定資産、減価償却の概念について十分に理解せず、色々なものを一括で経費にしたりと、誤った税務処理をしていそうな方をたまにお見かけします。

しっかり勉強して自ら確定申告を行う分には何も問題ありませんが、専門外の分野に関してはプロに依頼し、本業により時間を割けるようにするのも良いと思います。

※ ちなみに会計ソフトですが、わたしはfreeeを利用しています。もしこれから利用開始される予定の方がいらっしゃれば、下記のお友だち紹介キャンペーンからぜひ。紹介者、被紹介者ともにメリットがあります🙌

番外編: 家を買うなら独立前に

これはフリーランスに「なってから」ではなく「なる前」の話になりますが、会社員として一定の勤続年数があり、直近で家を買う予定があるのであれば、独立前にやっておきましょう。一度フリーランスになってしまうと、しばらくは住宅ローンが通らなくなる可能性があります。

わたしの場合、パートナーが会社員で3年以上の勤続年数があったため、パートナーの名義で住宅ローンを申し込めましたが、わたし名義では難しかったでしょう。たとえ確定申告の実績が3期分以上貯まっていて、申し込める条件が整っていたとしても、金利等の条件面で会社員よりも不利にはなりやすいと思います。

おわりに

いざ書き終えてみると、キラキラしたところは何もなく、内容も攻めというよりは守りがメインになってしまいました。(でも大事!)

後は読書記録も漁ってみたところ、過去のわたし曰く、下記の本もおすすめなようです。

タイトルはカジュアルですが、会社員とフリーランスを比較して、フリーランスの厳しい側面もしっかりと言及されています。

独立を考えている後輩に対して、先輩が相談に乗るという構成になっているので、共感しながら読めるのではないでしょうか。

今回の記事では確定申告について少しだけ触れましたが、初めの内は請求書の作り方も、下請法に関することも、契約の際に気を付けることも、何も分からない状態だと思います。

そうした文脈で、この本も守りに関する内容です。六法という言葉が入ると難しそうに感じるかもしれませんが、要するに身を守るために知っておくべき知識が網羅的にまとめられたものです。上記の一冊と合わせて読むと良いかもしれません。

それではまた!

あなたの幸運を全力で祈ります!