僕はメインストリームではない

高校に入ってすぐ、GW前に、事故に遭いました。

買ってもらったばかりのマウンテンバイクを軽快にかっ飛ばしてたら、十字路で右から入ってきた車に激突。

ガンッ・ドンッって音とともに宙を舞い、右肩からアスファルトに落ちて、立ち上がると右手がグチャっとしてました。

救急車で運ばれ、そのまま2ヶ月の入院となり、高校入学してすぐ学校生活からフェードアウト。

入院生活は、今思い返してもほぼ楽園で、毎日漫画読んで、寝て、広い病院内を散歩して、たまにコンビニで買い食いして、漫画読んで、寝て…を繰り返してました。

そして、2ヶ月後。

学校へ戻ったんですけど、今から部活に入るのも億劫だし、なんとなくクラスにも馴染めないなって感じがしました。

いま考えると、あの事故は、僕の人生における大きなターニングポイントだったんだろうなと思います。

あの時、事故に合わず、普通に部活に入って、クラスに何とか馴染んでって高校生活を、もし送ってたとしたら、その後の人生も全然違ってただろうという気がします。

部活にも入らず、学校にも馴染めず、結局、週に半分くらいしか学校に行かなくなった僕は、何をしてたかというと、通学途中で電車を降り、京都方面へ向かい、映画館に一日中入り浸るようになりました。

お金がない日は、通学途中で電車を降り、公園で母が作った弁当を食べ、そのまま家に帰って漫画を読むか、レンタルビデオを観て寝てました。

週に半分の学校で、十分勉強にはついて行けたので、気持ち的には、何ら問題はなかったんです。

でも、その頃から「僕はメインストリームの人生は送れないんだな」という思いを持つようになりました。

漫画や映画の中で共感するものも、少しメインストリームから外れた人生を歩む人の葛藤や、逆境に立ち向かう姿になりました。

なぜ、「僕はメインストリームの人生は送れない」なんて風に思うようになったのかは、ほんとよく分からないんです。今考えると、たった2ヶ月高校生活がフェードアウトしただけのことで、その後、普通に高校に戻って、みんなと同じようにワイワイと青春を謳歌することだってできたはずなんです。

怪我した右手だって、傷跡は残ったんですが、何とか日常生活に支障ない程度には動くようになってましたし。



事故にあって、緊急手術した翌日、「もしかしたら右手がないかもな」と思って、目覚めたことを覚えています。母が「かたわにしてしもたー!」って泣く声が、手術室に入る前に聞こえたんです。

手術後も、執刀医に「もしかしたら右手は、もう動かないかもしれないから」と言われて、1週間ほどだったけど、左手で文字を書く練習をしていたことを覚えています。

そういうことがあったから、2ヶ月の入院生活を終え、高校に戻った時、楽しそうな同級生たちを見て、「僕は、もう、メインストリームの人生は送れないんだな」と感じたのかも知れません。

頭の中で起こる出来事が、人の人生を形作って行くのかも知れませんね。

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