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諸行無常と質量保存の法則

 ゴミ箱の中のゴミは、ゴミの日に捨てればこの世から消えて無くなるわけではない。燃やされて最終処分地に埋められるだけだ。
 最終処分地とは山奥に掘られたでっかい穴、窪みや、海に造られたコンクリートで囲まれた場所で、そこにゴミは運び込まれていく。

 オレはちが捨てたゴミは無くならない。家の中から穴の中に移動するだけだ。それを目にすることはない。
 街指定のゴミ袋に入れて、決められた曜日に、決められた場所に置いておけば、その日のうちになくなっているように見えるだけだ。

 家のゴミ箱がいっぱいになるように、最終処分地もいつかいっぱいになる。当たり前のことだ。そしてオレたち人間は、当面の間は滅びることなく、地球上に棲息し続ける。
 その間、人間は大量のゴミを出し続ける。

 何かを作れば、それはいつかゴミになる。
 人間は、地球上で唯一のゴミを生む存在だ。
 創造の数倍の破壊をし、創造したものの大半をゴミにする。地球上で唯一無二の稀有な存在だ。

 今日も、オレの部屋のゴミ箱に、オレはゴミを捨てる。 

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