【日産自動車】2022.03期 - 中間

以下四季報、会社資料より抜粋。
★仏ルノー+三菱自動車の3社企業連合。2030年早期に主要市場の全新型車電動車に。
★世界販売440万台(8.6%増)国内外でコロナ禍影響和らぐ。主力車新型投入効果大きい。
★半導体不足による減産でも北米で採算改善。固定費・販促費などの抑制効果で営業黒字拡大。
★英国工場で新型EV生産。隣接地に中国系車載電池大手と電池工場建設。総額1,500億円投じる。
★三菱自動車と共同開発進める軽EVは2022年度初頭に投入。
★再度の業績予想の修正。↓
https://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/FINANCIAL/TSE/2021/20212nd_tsefiling_228_j.pdf
→半導体不足などが背景の減産により売上は減少するが、営業利益はむしろ上方修正。利益率が良くなっている。在庫がないので、そもそも販促の必要がなく、費用が抑制されることなどから。

【経営成績】

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★売上3.9兆円。営業利益1,391億円。営業利益率3.5%、対前期の赤字からのV字回復。
★業績予想は上方修正。売上8.8兆円。営業利益が1,800億円で、営業利益率が2.0%の見込み。減産の影響で売上は下方修正しているものの、営業利益はむしろ伸長。

★営業キャッシュ

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→中間で+3,151億円。対前期で▲4,156億円。マージンは8%弱。
→主な増減としては、税引き前利益+5,823億円。売掛債権▲1,345億円。棚卸資産▲3,184億円。仕入債務▲2,088億円。持ち分法投資損益▲1,411億円。

【財政状態】

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★自己資本比率 32.6%
★d/e Ratio 1.41倍
★流動比率 160%弱
★ネットキャッシュ▲5.7兆円。
★引き続き、すさまじいレバレッジではあるものの、対1Qと比較すると、どの指標も若干の改善を見せている。逆に言えば、これだけのフルレバでEVにフルコミットしている経営の信念。
★時価総額2.4兆円。1Qと比べれば350億円ほど上がっているが、売上目標8.8兆円の会社としてはまだまだかなり評価は低いでしょう。

【経営指標】

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★ROE, ROA, ROIC 最終利益および営業利益率がまだまだなので、それぞれスコアはまだ改善途上ではあるが、まず計画を黒字にしたというのがすごい。それに対1Qでかなり改善が見られる、良い傾向は示している。
★PER 13.8倍、PBR0.49倍。グレアム指数が6.7倍とかなり低く評価。引き続き。ここの評価は引き続き変わらない。まだ市場の信頼を得ているとはとても言えない。
★マルチプル9.5倍。こちらも対1Qで若干改善。安い。
★FCFマージンが3.5%弱とそこそこのパフォーマンス。
★WACCが0.29%とかなり資本コストは低い。配当をしていないため。7.1兆円借金があるのに、利息はせいぜい300億円とかそんなもん?もはや経営としてはこれはカネを借りないのはむしろ怠慢とすら言える安さ。

【総括】

再度の上方修正。予想外の減産も、利益率はむしろアップ。良い決算だし、経営努力が感じられる数字。半導体不足のほうも目途は立っているとのこと。
前期の同中間は▲1,587億円の赤字だった。それと比較すると、1,391億円の黒字は大躍進。この調子で利益率を漸進させていって欲しいところ。
とにかくEV次第。SDGsの追い風でテスラはあれだけ株価が高騰している。当社も少しくらいその恩恵に与ってもいいのでは?と思う。
復配するかどうかはわからない。しかしWACCが良い感じ。7兆円以上の借金があってもこれだけWACCを抑えられるのなら、配当は完全復活するまではしなくてもいいのではないかとも思う。

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