【ヘリオステクノHD】2021.3期-本決算

フェニックス電機主体、M&Aでプロジェクター用照明、精密印刷装置に展開。技術者派遣撤退。

★インクジェット製造装置が中国反転増。
★ランプは露光装置向け光源ユニット牽引。
★EV向け軸に車載分野への進出狙う。
★産業用LED開発促進。

【経営成績】

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★対前期。▲59億円の減収ながら、+1.6億円の増益。営業利益率は2.8%→6.7%とジャンプ。「人材サービス事業」などのリストラ効果?
★対計画。+33億円増収。+1億円増益狙う。営業利益率は5.7%企図。まあ堅実な目標数字。

★営業CF

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→+29億円でフィニッシュ。前期は赤字。▲5.4億円。
→対前期+34億円でマージンも+40%超の仕上がり。
→主な増減としては、税引き前利益▲1.6億円。賞与引当金+2.4億円。売上債権+4.8億円。棚卸資産+3.5億円。仕入債務+8.2億円。前受金+10.2億円。法人税等支払+2.4億円。法人税等還付+2.6億円。

【財政状態】

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★自己資本比率 85%
★d/e Ratio 0.03倍
★流動比率 694%
★ネットキャッシュ+60億円。対総資産比率40%ジャスト。
★時価総額64億円。安い。ネットキャッシュで60億円あるので、会社の実質的な価値は4億円程度と評価されている。
★おそらく(宗派は色々あるので一概には言えないが)ネットネット株に該当するのかと思う。それくらいには安い。
★とにかくキャッシュリッチ。総資産の4割がキャッシュ。安定経営。

【各経営指標】

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★ROE, ROA, ROIC, PERのスコアはまあそれなり。というか低い。理由としては①キャッシュが分厚い、②利益率低い、の2つが考えられる。
★PBRが0.5倍と安定に安い。グレアム指数が8.3倍。安い。
★WACCが0.9%で1%を割る。ほぼ借金もなく、配当もしているのに、この資本コストはかなり低い。
★EV/EBITDAが0.5倍と驚異の安さ。ネットネット株なので。
★FCFが22億円。マージン19.7%とかなり良い。売掛債権の減少が利いている。
★配当利回りはまあまあ。配当性向高い。とにかく利益率が良いわけではない。

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★進行年度。引き続き低いスコアのROE, ROA, PER, ROIC
★グレアム指数が6.9倍ぽっち。安すぎ。
★WACCが1.1%と引き続き低いは低いが、増配により多少増加。
★EV/EBITDAが0.49倍と更に安い。安すぎ。
★予想利回りは2.2%ほど。まあお小遣い稼ぎとしてならちょうどよいのでは。

【総括】

とにかく安い。

★営業CFマージンが40%超はすごい。
前受金や売掛債権、棚卸資産によって、営業CFが大きく改善。それにしても40%のマージンはすごい。営業利益率よりも営業CFマージンのほうが比較にならないほど大事な指標。会計上の絵に描かれただけの損益より、生のキャッシュのほうが大事。

★財政状態はかなり安定。ネットネット株。
キャッシュとしては60億円の現ナマを保有。総資産のおよそ4割にも。そして時価総額が64億円で正味の企業価値(投資した現物のアセットとか経営の能力など)は4億円と見積もられている。いくら何でも安すぎるのでは。それゆえにネットネット株といわれる激安銘柄になっていると思われる。

★激安。何か理由が?
PBRが0.5倍。EV/EBITDAが0.5倍とあわやマイナス。
市場は常に正しい。この銘柄がここまで安く評価されているのは何か理由がある。確かに前期の成績などはあまりよくないので、今後この成長が継続されるかは未知数。ただそれはどの企業にも言えること。とにかく数字的には安いことは定量的にわかることだけは確か。

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