たもち

映像作家・ビデオグラファー/映画「冬のほつれまで」監督・脚本・編集/武蔵野美術大学修了…

たもち

映像作家・ビデオグラファー/映画「冬のほつれまで」監督・脚本・編集/武蔵野美術大学修了制作優秀作品賞/PFFアワード2020入選/日常の綻びを掬えるような映像を目指し制作しています。

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    自主制作映画「冬のほつれまで」の制作過程をまとめています。

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映画ができるまで 〜アイデアの集め方1〜

記事を見ていただきありがとうございます。多持大輔と申します。普段はフリーランスとして映像制作をしています。 僕は今年の3月まで武蔵野美術大学大学院の映像コースに所属し、修了制作で初めて長編の映画「冬のほつれまで」を制作しました。 今回その映画制作の過程を残そうと思い、この記事を書いています。 また制作過程を紹介することで、これから自主映画制作をする人たちの参考に少しでもなればいいなと思っています。 皆さんの中で漠然と映画制作をしたいと考えている人がいるかもしれません。

    • おかえり

      切り揃えた襟足 君らしいえくぼ 隣同士 ごろごろ 夏のプールの匂い 形のくずれた目玉焼き 元気よく応えるしっぽ 見守るパトロールおじさん ランドセルの中にどんぐり 同じことを知ってるぜ 一年前も たぶんその前も 帰り道をなくさないように 手を振っていられるように いつまでも 気になり始めた生え際 広がる毛穴にファンデーション 他人同士 電車の席 爽やかそうな制汗剤 インスタ映えのランチ 画面でしか知らない尻尾 蔓延る自粛警察 鞄にブランドの財布 同じ奴らになってるぜ

      • 生活

        風呂入って 飯食って 寝るだけ 風呂入って 飯食って 寝るだけ 余白はない ただそれだけ

        • ぐちゃぐちゃ

          お前と笑ったあの頃 怒りに変わって ぐちゃぐちゃ 吐き溜めた言葉の数々 書きなぐって ぐちゃぐちゃ あーもうぐっちゃぐちゃ いつも何処かではぐれちまうよ どこにいるのか判らない そんな今を生きてるよ

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        映画ができるまで 〜アイデアの集め方1〜

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          意地と恥

          誰かに頼まれたわけでもないけど ただ追いつこうとしがみつく 埃まみれの奥の底 それでも二つ返事でこなしてく 負けず嫌い 言いたいことが沢山あって 何も言わない 下手くそな生き物 私が勝手にそうしてる 街の喧騒 聞こえない 心がずっと喋ってる 私は意地になっている なにかを救えば 誰かを傷つける 思い込みもいいところ そんな私に浸ってる 自意識過剰かよ 気持ち悪いな さっさと捨てて恥をかけよ 贅沢な生き物 私が勝手にそうしてる 街の喧騒 聞こえない 心がずっと喋ってる 私

          意地と恥

          ものかげ

          朝 透明な光 どさくさと 世間はうるさい 消毒しろと あぁもう遠いな あの頃は これは悲痛な魂の叫び たったひとりで抱えてきたじゃない いつの日かお迎えがくるよ その頃まで 笑えるといいな 靴の底 溜まる砂利 どさくさと いつもの道 脇道 知らないよ なんでまだここなの 眠いな その喉が潰れるまで 誰も救えない笑みが溢れるまで いつの日かお迎えがくるさ それまで もう一歩 あと ほんの少し

          ものかげ

          大きなあくび

          急いでここまで走ってきたから 誰もついてこなかった お前に懐いてきた頃 小川が流れる 緑が香る 解読できない心 退屈なんだろうな いつからか 手汗のついた歌詞カード このままバスに轢かれてみたい 思っただけだよ なんて嘘だよ 都会のアスファルトが固くて 蹴っ飛ばしてやろうか もういっそ 好きな歌手がそう言った 踏みしめるよ 今はもう もう少し時間がかかりそうだな ごめんね

          大きなあくび

          ヌケガラ

          遠くの掛け声 あなたから足音 上擦った声 必死な笑い顔 此処には誰も近づかない 耳障りな昨日に 悟られないように 冷たい空気を浴びる毎日 ただ淡々と どこかに飛んでいく 忘れてしまえばいいのに 楽になれたらそれでいいのに また そんなことを 差し出された手のひら 見えぬふりして振り解く たった一つの温もりを 知らぬまま生きていく

          ヌケガラ

          泣き虫の灯

          この世でいちばん可哀想だよ 痛くて ずいぶん傷ついて 何のために生きてるのって その声に もうかまってよ 死んだ目をしてるフリ すり足気味な生活で 愛想笑いの舌打ちさ 心がとっても不細工です 冷たい毛布にくるまって 誰かの温度を待っている ほんとは全てを知っていて 解っているのにここに居る 明日になればどこでも飛べるよ 今日はもう疲れたよ どれだけ沢山笑っても 最後になると泣いている ひとりぼっちで 強がりで いちばん泣き虫なんだよ 意味がないから生きてるのって 大きな

          泣き虫の灯

          分別

          名前をつけて くくって それっぽく 大層な身分 ずいぶん楽しいお年頃 お前はただの人間だ

          全否定

          世界はそんなに美しくない 人類なんて大したことない あなたも決して綺麗じゃない だんだん全てが汚れていって 満たされる気分を味わって そんな私が一番汚い 綺麗な映像は撮りたくない 本当を見つけたいだけ あなたの言葉は聞きたくない 責められるのが怖いだけ 全ての力で笑いたくない だっていつか裏切られるだけ 明日からのコンタクトの替えがない なんにも見えなくなるだけ どこにもない なにもない わからない なにになりたい すがりたい 誰かを愛したい 愛せない

          猫かぶり

          お腹が痛いふりをした なんでも許してもらえた 嫌いな音から音を立て逃げた 独り占めの田んぼ道 冬の図書館のはしっこ なにも読まず 時が経つのをじっと待った 鳴りやまない玄関のベル 真っ暗な部屋 頼りない毛布に縋った いつかお前を嫌いになる その日まで 精一杯嘘をつくんだ 同じ飯を食べて 楽しく笑い 全力で優しい素振り そうやっていつも さよならの準備 猫をかぶって遠ざかる なにも期待せず息を吸う 見えなくなったお前の目ん玉が いつまでも消えずに残る きっと遠くで呼んでく

          猫かぶり

          決意

          こわい ここに居れなくなるのが 私は このままでいられるのか あの頃の眩しい気持ちは 消えてしまうのか 笑われるのだろうか ひどい言葉もたくさん浴びて 馬鹿にされるかも 勝手に傷つき 真っ暗闇になって どん底に落ちる 認められたら満足か ただ結果が欲しいのか わずかに どこかで思ってる でも そんなの手に入れても 虚しいだけだ どこまでいっても 私は私 大事なものは変わらない どんな姿も迎え入れ 飯を食べ よく眠り たまに出か

          Driver

          全てに見守られ 乾いた絶望が鳴り響く 止まらない心臓の鼓動が 望んでも止まらない 選ばれなかったこれからは 形をなくし 選んでしまったかつてが 古傷をえぐる 淡々と作業 盲目になり真っ暗 心も身体も現実も 張りぼてのまま再起動 このままどこまで逃げれるか 何も捨てきれず立ちすくむ 後ろから聴こえる楽しげな声 抱えられない不安に 名前をつけてくれた時 あなたが笑いに変えてくれた 気づけば辿り着いた 未開の地 指先に触れて痛む感覚 漂う煙に目が潤む 教わったものでしか生

          すれ違ってんな

          放り込まれた小屋の中 同じ餌をつついても 隣であいつが鳴いてても 拭えない違和感 どこにもない安心感 いつまでここにいたら 飛べるだろうか きっとそういうことなんだ 金をかけた壮大な遊び 純粋さだけが遠くにいってさ 萎びれた塊に浸る 小屋の外で飛んでるあいつが一番綺麗だ

          すれ違ってんな

          ささくれ

          あなたがいつも通り生きてても 僕は勝手に痛くなる とるに足らない些細なこと 見て見ぬふりができなかった 苦しくて悔しくて情けない 出会うはずのないあなたに目をくばる 誰もいないのに居続ける そこに僕の椅子はないのかな 街に漂う嫌がらせ ささくれて また剥がれて 誰かに倣う不幸せ ささくれて また剥がれる くたびれてしまった今日は 食べきれないほどの飯を作ろう 我を忘れて腹一杯食おう 眠気にまかせて布団で寝よう 夢の中なら信じれる そこには誰もいないと 目を覚ませば嘘みた

          ささくれ