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御座山|貴重なオノエランや赤白のアズマシャクナゲなどが愉しめる二百名山

更新日:令和3年6月6日|登山口から山頂まで2時間半位|体力★★★☆☆・展望★★★★★・静けさ★★★★☆・技術★★☆☆☆・危険度★☆☆☆☆・中級者向け|山頂までの道のりではエンレイソウ・コイワカガミ・ヤマイワカガミや
ショウジョウバカマそして幽霊茸と言われるギンリョウソウに貴重なオノエランなどたくさんの草花に出会える山行となっております。山頂からの展望は360℃パノラマビューが望めますが、今回は強風でしたがおかげで誰にも会わず静寂を愉しめる山旅となっております。


御座山{オグラヤマ}(2112m)

◆都道府県:長野県(二百名山)
◆登山日:2002年6月1日
◆同行者=窪川先生・㈱あつかの厚川さん        

私の山行の始まりは1996年夏に獣医の窪川先生に連れられて
福島の高柴山へヤマツツジを見に行ったのが最初でした。

以来、福島の鬼面山・吾妻小富士・栃木の石裂山・奥秩父の十文字峠・
丸亀の滝そして山梨の西沢渓谷・乙女高原へと主に花旅の山行だった。

お陰で昨今では登山道に咲く高山植物もある程度、
人に聞かなくても解るようになった。

昨年本格的な2000mを越す山旅で奥千丈岳・
国師岳に御供して以来の1年振りの山行に誘われる。

窪川さんを早朝5時に迎えに行き、
窪川さんの友人である荒川沿いの秋ヶ瀬橋袂で竹材料の販売を営む厚川さんを拾い、一路関越道で佐久ICからR141号で小海へ。。。

長野群馬県境のぶどう峠方面へ左折して、北相木村の白岩バス停へと進み、
相木川を渡り、右に折れて緑鮮やかな落葉松の林道を登って行く。

林が途切れると広い高原野菜畑に出た。
加和志開拓地と刻まれた石碑が建っていた。

更に進むと林道終点の整備された広い駐車場に着いた。
「佐久の幽巒(ゆうらん)」と表現されるだけに奥深い山だ。
路傍に御座山白岩登山口の道標が有った。

辺りは村興しのために造られたという「長者の森」と名付けられた、
主に桜の木が植林された緑豊かなキャンプ場の中の登山口から入山。

登山口 長者の森


早速一輪のエンレイソウが出迎えてくれた。

エンレイソウ


道標に従い西へ緩い斜面をコイワカガミ・ヤマイワカガミや
ショウジョウバカマそして幽霊茸と言われるギンリョウソウを見ながら、
2、3度ジグザグを繰り返すと枝尾根に上がった。

コイワカガミ

ヤマイワカガミ

ショウジョウバカマ

ギンリョウソウ


更にしばらく落葉松林を辿ると物見塚南方の主稜線に上がり
路肩には珍しいオノエランに御目にかかれた。

貴重なオノエラン


木立し越には御座山が望め未だ大分距離がある。

高度を上げるに従いクヌギやシラカバなどの雑木林に変わり、
ややトラバース気味に尾根の右を捲き、ジグザグに高度を上げて行く。

やがて植生も変わり広葉樹林の中にコメツガなどの
針葉樹が混生始めると傾斜がきつくなった。
堪らなくなって喉を潤し一休みする。

やがて下生えが苔むした倒木帯に入り、
暗い針葉樹の中にシャクナゲが混生し花期は1週間ほど早いか、
真っ白や真っ赤の何輪かが咲き出していた。

アズマシャクナゲ

アズマシャクナゲ2


やがて広い尾根上となりシラビソが現れ高山らしい風景に変わると
図根点標石があった。

図根点標石


更に緩やかなシャクナゲのトンネルを登り続けると、
露岩の頭で東方が開け御巣鷹山や茂来山が望めた。

ここからいったん岩場を山口坂の鞍部まで下って、
再び急坂を登り返し前衛峰から本峰を眺める。

前衛峰から本峰を望む


コメツガやトウヒの原生林の中を喘ぎながら、
うだの沢のトーミという所を抜け右手の大きな避難小屋を遣り過ごし、
ここから数分で明るく開けた岩峰の山頂が見えてきた。

うだの沢のトミーから岩峰の山頂と川上村


山頂は南北に細長い痩せた岩頭で、
西面は100mほど垂直に切れ落ちて
一等三角点標石と小さな祠があった。

三等三角点

御座山・山頂


360度の大展望であるが浅間颪とゆうか強風のため立って
写真は撮れない。

先行した窪川先生と厚川さんは既に岩陰でビールの杯を重ねていた。

山頂で一杯


私もご相伴に預かりながら、眼下の男山と天狗山の岩峰の先には
八ヶ岳連峰、奥秩父連峰そして西上州の山々と四周を眺めまわした。
山座同定をしばし楽しんで山頂を後にした。

天狗・男山の先には八ヶ岳連峰



それにしても初夏の登山日和に誰にも合わない静寂そのものの山行、
今の時世では貴重だった。

淡い緑から濃いみどりの樹林と、路傍に咲いている花々、
そして切り立った岩峰からの眺望。変化に富んだ山旅だった。

麓から男岳を眺める


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