贈られる方(使う人)のイメージを聞いて日傘で表現する難しさと面白さ
ある日傘のオーダーを頂いた。
通常は日傘の素材となる着物等を、アトリエまで事前に送ってもらうのが原則。
けれど、今回はそうではなく、プレゼントとして贈りたい相手のイメージに合う日傘を作ってほしい (材料も当方用意)という。
キーワードを元に完成イメージを組み立てる
私は贈り主(Uさん)のことはよく知っているが、贈られる側の方(Yさん)とはお会いしたことがないという状況。
ただ、Yさんは以前から私の着物日傘のことをご存じで、「いつか欲しいなぁ」と言ってくださっていたとか。
「なんとうれしいことか!それは断る理由がある訳ないでしょ!」ということで、今回の日傘制作に至る。
Yさんのイメージキーワード
「上品」
「かわいらしい」
「大人しい」
年齢は聞いていないが、Uさんの話から想像するに50代くらいの小柄な方か。
ということは、あまり派手だったり、奇抜な色合わせで目立つ渋いデザインはNGだろう(個人的には好きだが)。
それより、正統派の着物をアレンジしたり、お花柄をメインにしたもの、色もあまり強すぎるものは避けた方がいいかな。
などなど、色々とイメージをふくらませてみる。
出来上がった着物日傘について
出来上がった着物日傘はこちら。
今回3種類の着物を組み合わせてみた。
ベースは、白と茶色。
白の方は、花が浮き上がって見える。
しかも一部は薄っすらと青みがかっていて、それが上品で好きだ。
茶色の方は規則正しい波波模様。
実はこの生地、このブログのトップにある着物リメイク服の着画で、私が着ている生地と同じだったりする。
これと ↓
これが同じ(撮影条件が異なるので色味が違って見えるけど) ↓
これは5年前にコンテスト出品用で作ってみたものだけど、今見ても、かなり攻めてるよね(笑)
もとい、着物日傘ね、アクセントにも花柄を持ってきた。
絞りとか、刺繍とか、繊細で可愛らしいのだ。
色づかいが上品で優しい雰囲気だったので採用。
パッチワーク風に縫い付けてみた。
ドキドキの納品を終えて
そしてついに先日、Uさんにお渡しした完成品を、Yさんにプレゼントしたとのこと。
その数日後、私の不在中にYさんからお礼のお電話がかかってきた。
それからまた数日後、今度はYさんから直筆のお手紙、そして大変高価なお礼のお品まで頂いてしまった(うれしびっくり!)。
文面からとても喜んでくださった様子が伝わってきた。
顔の見えない方を想像して、その方に合う作品を作ること。
それは私にとって、ある意味新たなチャレンジ。
お客さまの思い出の着物をリメイクして日傘を作るオーダーとは、ちょっと方向性が違う。
自分で素材のヴィンテージ着物を探してきて、オリジナル作品の着物日傘を自由に作るのとも、ちょっと違う。
お客さまのリクエストで、その方のイメージをキーワードなどでお伺いして、それに合う素材を1からご用意して、日傘をお作りする。
それは、とても難しいけれど、なんとも不思議な面白さがあった。
納品するまでは、本当に満足して頂けるか心配もあったけれど、「想像」と「創造」の2つのエネルギーを満タンにして、思いっきり作った今回の作品。
だから、作品に込めた思いがお客さまに無事に届いて、本当に良かった!
もう1本の日傘の行方は?
実は同じ生地を一部使って、もう1本作ったのだ。
もう1本は、1本目を作っているうちに新たな創作意欲がわいてきて、それをそのまま形にしたもの。
双子コーデみたいでしょ。
手前みそながら、この2本目もとびきり可愛いのだ!
2本目のピンクの着物日傘、キーワードは「ロマンチック」「素直」「奥ゆかしい」
けれども、あれやこれや色々と凝りまくっているうちに、気がついたらもう残暑になっちゃってて(汗)
「販売しまーす!」っていうタイミングをすっかり逃してしまったという痛恨のオチ。
しかも、写真を撮るのが下手で、この可愛らしさがうまく伝えられない(泣)
レースも付けてみた。
ぜひ実物を見てほしいな。
といっても、当面イベントとかに参加する予定もないので、とりあえずアトリエで保管しておこうかと。
もしももしも「実物を見てみたい!」「お嫁入りを検討します!」とうれしいことを言ってくださる方がいたら、こちらまでご連絡お待ちしています。
詳細は応相談!
季節感が大事なのに、お披露目の時期を逃すという行き当たりばったりぶりはさておき、、、
こんな感じで、今後も湧き上がるインスピレーションを大事に、自分のオリジナル作品制作も頑張っていくので、応援して頂けるとうれしいです。
ではまた。
ここまで読んでくれてありがとう!
Tammy
よろしければサポートよろしくお願いします。頂いたサポートはパリ個展の夢を叶えるための活動費として使わせていただきます!いつかあなたにご恩返しができますように♡