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my favorite stories

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これまでnoteで読ませていただいたみなさんの物語を、お気に入りとして束ねました。基本的に一人一遍です。
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2014年10月の記事一覧

誰も彼も優しさなんて持ちあわせてないよ

誰も彼も優しさなんて持ちあわせてないよ

或いは此処は、地獄の七時間半に違いない。パソコンが人間の数より並んで、足音ばかりが立派に響いて、お茶は無料だなんて言う。私は地獄で昼間を過ごし、夜は地獄とは少しだけ程遠い東京の端っこで恋人と丸くなる。

地獄の七時間半で、君は私に小さな手紙を書いていた。汚い字で書きなぐった紙の数は八枚ぽっちで、君と私の時間を埋めるには足りないけれど、でもインクの滲みや擦ってしまった跡だとか、いたるところに君が

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見えない境界

「大丈夫、気にしてないよ。」 最初は嘘だった。

でも、いつからか 使いすぎたその言葉を 自分の中で 嘘か本当か見分けられなくなっていっ た。

そのまま、たくさんの時間が過ぎて その言葉は本当になった。 何も気にならなくなった。

何処か無関心な自我の完成。

それは敵を作らない。 でも、本当に大切な人も作らない。

ひどく孤独な世界の完成。

自分だけが、とても気味悪く感じる そんな世界の裏側

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