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tamito(詩と小説)
2016年6月22日 18:13
【詩】 「どうしようか」と少年は思うもう二周半も環状線に乗り続けているその電車から降りることができずにこの広い街をぐるぐるとまわっている高層ビルのあい間を縫い谷の底に集まる人びとを見おろし西へ行く特急とすれ違い北へ行く快速列車と並走して丘の上の墓地を眺め安堵するまわりの人は入れ替わり立ち替わり少年だけがシートに腰かけたまま早送りの映像のなかで