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西野さんが『プペル ~天明の護美人間~』のストーリーを全部喋る会を見て初めてプペル歌舞伎の面白さを知った件

私が『プペル歌舞伎』を観に行ったのは東京に珍しく雪がどっさり降った、1月6日の昼のぼたんちゃん公演。友人が九州から上京して観にくるということで、同じ日にチケットを取りました。

プペル歌舞伎のこと

プペル歌舞伎は、2022年1月3日〜20日の予定で新橋演舞場で公演されていた新作歌舞伎「プペル~天明の護美人間~」のこと。
コロスケさんの影響で千穐楽を待たず、18日までの公演となりました。

当日まで知りませんでしたが、プペル歌舞伎は海老蔵さんの息子さんの勸玄(かんげん)くんと娘さんのぼたんちゃんがそれぞれ別の「ルビッチ」=歌舞伎の中の役名は「はる」を演じていたそうで、それゆえポスターが2枚あるんだそう。

消化不良に終わったプペル歌舞伎

さて。
大奮発して友人と同じ”SS席”で観劇したものの、歌舞伎界の事というか、海老蔵さんとかのことをほとんど知らない。

どれくらい知らないかと言えば、まず、海老蔵さんが舞台上のどの人かわからない。(化粧をしていなければ、たぶんわかると思う、、、たぶん。)

わたしが座った席から。舞台は目と鼻の先

そして、海老蔵さんには勸玄くんという息子さんがいることはかろうじて知っていたので、幕間に「あの女の子役の子が勸玄くんなの?」と聞いてしまったほど。(繰り返しますが、私が観たのはぼたんちゃんの回です。)

しかも、海老蔵さんは一人何役もやっていたらしく、とにかくチョコチョコ入れ替わるからもう「わたしは何を見せられているんだろう?」と終始狐につままれている気分でした。

そんな感じなので、歌舞伎自体もなんとなく雰囲気はつかんだ気がするものの、納得感がない。

もちろん映画えんとつ街のプペルも見て絵本も買って読んでいるけれど、

ストーリーがアレンジされ、物が擬人化され、言葉がなんかちょっと古めかしくなった歌舞伎バージョンは、わたしには理解がむずかしかったのです。
想像力とか連想力とか足りないんだろうな。

あまりに消化不良だったので、一度は要らないな、と思った筋書きを買って帰りましたが、ぜんぜんピンとこない。
(どこで役者が入れ替わったかなんて解説は書いていないし)

もう一回観に行きたいなぁと思いながらも、1月20日までという短期間に歌舞伎のために再度上京するのはむずかしく、千穐楽観に行ける人いいなぁと指を咥えてみていました。

まさかの千穐楽中止からのストーリー解説

ところが。19日、20日の舞台がまさかの中止の事態になってしまったというではありませんか。

観にいくはずだった方や、関係者のみなさんの気持ちを思えば全く不謹慎極まりないのですが、
おやおや。
これは再演あるんじゃない?

なんて思って様子を伺っていたところ、発表されたのはこちらでした!

キンコン西野が公演中止になった舞台セットに立って、『プペル ~天明の護美人間~』のストーリーを全部喋る会


正直そこまで魅力は感じなかったのですが、原作を書いた方のお話だし西野さんがどんな感じでやるのかも気になるし、応援もしたいし、ていうか一口800円だし、ということで購入しました。

プペル歌舞伎がようやく腑に落ちました

わたしが購入したのは翌日だったので、専用Facebookグループに投稿されているライブ配信を勝手に見るスタイル。

わたしがグループに参加した時点ですでにメンバーは4,000人超え。

新橋演舞場前から中に入るところから撮影されていて、リアルタイムで見たら面白かっただろうな〜と思いながら、お正月には人でごった返していた劇場の中を不思議な気持ちで眺め。

すると、歌舞伎を見ながら気になっていた「花道」からの舞台入り!!

そして、冒頭のシーンの解説から始まったのですが、時代の設定や、えんとつ街のポイントとなるえんとつと煙の設定についてくわしく語る西野さんを見て、ああ〜!そういうことだったの!と初めて理解する笑

撮影はスマホで、結構画面が揺れるのですが、なんでしょう、絶妙なカメラワークで、語りのうまい西野さんの動きと相まってめちゃめちゃ臨場感があるのですよ。

その後もポイントとなるシーンの解説や、海老蔵さんの裏の顔(?)、観客目線での「それわかる〜!」という萌えポイントなどなど、

わたし、当日現場で見ていた時より楽しんじゃってるんじゃない?
というレベルで楽しんで拝見しました。

プペル歌舞伎を見に行った人は絶対!これは見るべき。

見られなかった人は、これ以上のネタバレはないので、なんとも言えないけど再演とか、録画上映とか?がないならこれはこれで楽しめると思います!

購入はPeatixより↓

さいごに

理解という点では足りなかったプペル歌舞伎ですが、舞台自体はめちゃめちゃ感動しました。

特に私がハマったのは冒頭の和楽器の演奏のところ。会場を包み込む神聖で懐かしい和楽器の響きに胸が震えました。
そして「プペル」(海老蔵さん)と「はる」(ぼたんちゃん)の最後のシーン。父親を亡くした「はる」の想いと子を残して旅立った父親の想いと、ぼたんちゃんの境遇が重なったのもあると思います。
そこからのカーテンコールは、舞台上だけでなく、会場の一体感もたまらない感激ポイントでした。

これまで歌舞伎にすこし興味はありつつも、敷居の高さゆえに縁遠かった私のような人間がその世界に触れることができたのも本当に貴重な体験でした。
プペル歌舞伎を見た多くの歌舞伎初心者さん同様、次は古典歌舞伎に挑戦してみたい!と率直に思いました。

西野さんの解説で筋書きを理解した上で、願わくばもう一度プペル歌舞伎を見たい。いつかリベンジ開催があることを切に願うばかりです。

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