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第二十走目:診断と夢見のきみのサポーター

2023/09/18
7.5km 10分 2セット

ここ数日、ありと重力とか引力が取りづらい。最初のうちはひっきりなしに思考の合間に出てきていたミステリーハンターも消え、なぜかずっと頭に「てんぱい」という信号が送られている。木曜、水を飲もうとしたらコップと一緒にひっくり返った。あちゃーこりゃダメだ。金曜日に主治医「ダーウィン」の病院に行った。

ダーウィン「眠れてますか?」

んんん?想定外の方向から球が飛んできた。

私「昼夜問わず眠さはないですね。ただ夜ベッドに入って一回瞬きしただけのつもりが朝になってる事が多いです。気絶というか。」
ダーウィン「なるほど。今飲んでもらってる薬は一般的に副作用で過食とか過眠が起きやすいんです。いつもより長く寝てるとかは?」
私「ないですね。」
ダーウィン「元々不眠気味なので眠気を感じないけども、体感だけ症状が出てるんでしょう。」

ほう。要は「お前、鈍感なんじゃ」と?
ゼログラビティもミステリーハンターもテンパイも疲れも震えも原因は「眠気」だったと。
確かに症状としては近しいものもあるが、それにしても告白が下手くそな女学生かよ!眠いなら眠いって言わんと分からん。あれじゃただの嫌がらせじゃないか!とは言え、自身の恋愛歴を振り返るに思い当たる節しかない。故の閉口。

寝たら治るとはよく言ったもので、金曜夜から三連休苦戦しながら「寝る」をしてみたら、少しずつ治ってきた。
土曜には夢遊病(私は「夢見のきみ」と呼んでいる)が発動した。寝ないと夢遊病も出ないので好転したと思っているが、少し反応に困った。
日曜の朝起きると机の上に「三連休やることリスト」と辛うじて読めるメモ書きがあり、下記のようにあった。

-BDのふりかけ
-とりあすやる動く
-それによって今そば
-私が必要とあるていどのびっくり麩耳妾ほご
-カニカバー

意味がわからない。「夢遊病でも眠いんだ、寝てるのに。」と面白がる。
だが、今書いている私より「夢見のきみ」の方が頭が良い。実際、深夜「私」が寝ている間に「夢見のきみ」は私が直せなかったバグを修正した上でご丁寧に指示メモをつけたり、IQテストを勝手に受けて私より「お利口さん」な数字を出したり、起きたらルービックキューブを握りしめていて全面揃っていたことがあった。

書いていてなんだか気持ち悪い。fight clubじゃないんだから笑。中二病かよ笑。が、教祖様やテロの主犯、ジャックの内臓のどこかじゃないので「だってしかたがないもん」と言うしかない。
何か意図があるに違いないので理解のないままにブルーレイ・ディスク、カニカマバーを買う。そばとふりかけは家にある。麩耳妾は意味がわからなかった。

しかし、「夢見のきみ」の進撃はそれで終わりではなかった。今朝、足首のサポーターが届いたのだ。あと外付けブルーレイドライブも。
やだーこれ私が欲しかったやつじゃん。と喜んだがよく考えたら「夢見のきみ」も「欲しかったやつじゃん」と書いているのもついでに金を出してるも悲しいかな私一人である。
人の金だと思いやがって。どうせなら私が毎日昼に寝て代わりにアイツが全部仕事すればいいのに。一応、amazonの履歴を見る。膝サポーターも買っていた。走る気満々かよ。「夢見のきみ」が走るなら私は追従するしかない。

足首サポーターが調節なしでシンデレラフィットするのは運命。サポーターをつけると最近痛かった足首の痛みがないのは宿命。テーピングほど楽しくはないにせよ足に適度な締め付けと重みと安心感がある、これも私に走れと言う天命に違いない。

7.5kmから走る。汗をかくより前になんだか気管支からゾリゾリとした痛みがする。「え?走るの?聞いてないんだけど。」と言っている。「待って待って!私はジャックじゃなくてあなたの気管支なの!止めてー!」
10分08秒。まだいつもの半分じゃねーか。しかしまた体調不良になられてもかなわんので、随分前に読んだランニングフォームの注意書きを読みながらインターバル。

2回目走り。さっきと同じ7.5kmから。先ほどのような痛みではないがゾリゾリ感はする。さっき休んだし、転んだり致命傷になる可能性もないので無視することにした。足に意識を向けてみる。確かにサポーターがある方が足の裏着地できているが、足首が固定されてしまって足の裏全体を使っている感じがしない。膝の痛みは全くない。膝サポーター要らんかったんちゃうかな。
どうせ足首に意識が向くならそれを利用して足の動きについて考えよう。
そういえば我が家の特徴として脹脛に筋肉がつきやすく足首が細い。なぜか。脹脛から先をペグのように地面にブッ刺すイメージで立っている気がする。そのせいで極端な筋肉のつき方になってしまっているに違いない。
足首と膝の位置を3Dで考えてみる。踏み入れた脚は足の裏から落ちるイメージだから、膝と足首のzの値は可能な限り同じで、yの値は目一杯にプラスに、そのままマイナスに粘って引く。その間に反対側の脚も同様にプラスに。
当然x軸は常にそれぞれの足の値と同値であるべきだ。
どうせなら足をカーソルに見立ててy軸に線を書くイメージをしてみる。ロボットのようになってはいけない。しなやかにしかも均等な速さで。いつもより意識することが多いがフォームが綺麗になった気がする。完全に痛いの忘れてた。

試しながら走っていたら一瞬で終わった。
因みに、気管支の痛みは運動誘発性気管支攣縮というらしい。温度25.7度、湿度58%で?単に呼吸量の問題かな。運動後の眩みなし、ふわふわ感は若干あるが、足首、膝の痛みもなし。あとはゆっくり過ごす。
問題は平日に同じコンディションで同様に意識するまで気力が残っていないことである。来週再来週も今の所バタバタの予定である。
寝ている間に走っといてくれたらいいのだが。

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