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遠い幽霊よりも近くのウィルス

カレンダー上から夏は去ったが、暑い毎日は続いている。

外出時にマスクをしているだからだろうか、自粛で外出できず家でひきこもり生活が続いているからだろうか、温度計では計れず、伝えようもないこの不快感はフラストレーションとなって体の芯で熱を帯びてくすぶっている。こういうときには「暑い」と唸るしかない。

そういえば、この夏はTVで「怪談」とか「幽霊」という言葉を耳にしなかった気がする。TUBEの前田とサザンは目にしたが、稲川淳二は見なかった。心霊番組のかわりにやたらと動物番組がたくさん放送されていた。

なぜか?

最近見たドラマで「死んでいる人間には勝てない」という言葉を耳にしたが、今年に限ってはそうではないらしい。ウィルスは幽霊へ恐怖に勝る。ゆえに、幽霊よりも「マスクをしていない知らん虚ろな目のオッサンが1m以内の隣で妙な咳をしている」という話のほうが恐怖である。しかしそんな話をしたところで納涼にはならない。だったら、例えそれが暑苦しい毛並みの犬の映像でも「もふもふ」と「かわいい」に包まれていたい。これは間違いない。

書いていてふと思い出した。東日本大震災のあった年の夏も心霊番組はあまり見なかったような気がする。この時は代わりに悲しい話や感動話、九死に一生といった話が多かった。まだ世間に緊張感が走っていた時期でもあった。

ふと考える。ただ世間に配慮して番組が少なかっただけなんだろうか?未曾有のアクシデントが起きた時、幽霊自体も出現回数が減るのではないか?

これに対して2つの答えが浮かんだ。

昔、周波数が10Hzに近くなった時、心霊現象が起きるという話を聞いたことがある。詳しいことは人から聞いた話なのでよく分からないのだけど、人自体も一定の周波数を出していて、それが10Hzに近くなるとそういったものに繋がるのか幻想を見るのかわからないけれど、見やすくなるというものだ。ともすると、未曾有のアクシデントの環境下に置かれたとき、人の周波数は10Hzから遠くなるのかもしれない。

2つ目は「幽霊、結構世間に忖度して出てきてくれてた説」である。バカみたいな話だが私はこちらであると信じたい。

そして、数年後元気に幽霊が意気揚々と出てきた番組が放送されることを願いたい。

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