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富山にゆかりのある企業<前編>

地方移住したいけれど、地方には「働く場所がない」。
そんなふうに思い込んでいませんか?

実は富山県は上場企業が多かったり(27社)、多くの経営者を排出したりと、ビジネスが盛んな県なのです。

地方には仕事がないと思い込まず、その土地の会社や起業家などについて調べてみるのはいかがでしょうか。今回は、富山にゆかりのある会社をご紹介します。

「え、この会社、富山発祥だったの?」と驚かれるかもしれません。

◎YKKグループ

ファスナーの日本シェア97%、世界シェア40%を誇るのがYKK。実は、富山発祥の会社です。ファスナーだけでなく、サッシや雨戸などを作っていることはみなさんご存知だと思います。(よくCMも見かけますよね)

2015年、本社機能の一部(YKKの法務・知財部やYKKAPの購買部の社員など)が黒部市に転勤しました。YKKはまちづくりにも取り組んでおり、会社機能を移転しただけでなく「パッシブタウン」と名付けられた街も作っています。

パッシブタウンには居住地区や保育園、カフェやレストランがあり、自然エネルギー活用の可能性が徹底的に追求されています。最小限のエネルギーで快適な空間が完成しました。

保育園には、YKKグループの社員のお子様が入園することができますよ。

◎三協立山株式会社

東京駅丸の内駅舎のビルサッシ、伊豆観光列車「ザロイヤルエクスプレス」の車両内装材、大手家電メーカーの什器や看板などなど…

これらはいずれも、三協立山株式会社の製品たちです。

富山県は「ものづくり県」とも言えるほど、製造業が盛ん。三協立山株式会社は従業員数10,634人、売上高3,136億円の超ビッグな会社です。大企業は「希望した部署に入れない」というイメージがあるかもしれませんが、当社は希望部署への配属が過去3年間で85%と高水準です。

海外展開も積極的に行っている会社なので、世界規模で仕事をしてみたいと考えている方にはぴったりの会社ではないでしょうか。

◎広貫堂(こうかんどう)

「越中富山の薬売り」

このフレーズを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。医薬品の配置販売業のことを意味しています。

その歴史は17世紀にも遡り、江戸城で腹痛になった三春藩主に富山藩二代目藩主・前田正甫公が合薬「反魂丹」を飲ませたところ劇的に回復したという逸話が有名です。この出来事がきっかけで、富山の薬は全国へ知れ渡ることになりました。1765年、反魂丹役所が設置され、富山の薬売りが発展します。

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©︎(公社)とやま観光推進機構

「先用後利」と呼ばれる商売方法が特徴の富山の売薬。まずは各家庭に医薬品をおいていき、半年ごとに使った分だけの代金を受け取り、新しい品物を配置するというスタイルです。

大正3年に株式会社となった広貫堂は、医学の西洋化の波に飲まれそうになりながらも、薬学校の設立などにより着実に発展してきました。

「熊膽圓S」(筆者が二日酔いしたときはこれを服用しています)や「六神丸」などの服用薬に留まらず、近年はエイジングスキンケアシリーズ「SMUK」なども展開。実は、銭湯に欠かせない「ケロリン桶」は広貫堂の広告塔なんですよ。

薬剤師の免許をお持ちの方や、「健康」「地方から世界へ」といったキーワードにピンときた方はぜひチェックしてみてください。

◎リッチェル

子育て経験者や、家でペットを飼っている方はこの会社の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

「ふかふかベビーバス」や離乳食スターターキットなどのベビー用品、猫トイレやペット用のウォーターノズルなどのペット用品を作る会社です。

2016年に創業60年を迎えたリッチェル。
ユーザー目線の良品を取り揃えるメーカーは意外と少ないですよね。日本中のパパママが使う製品が、富山で作られていると思うと、富山県人としては誇らしい気持ちになります。

◎日本海ガス絆ホールディングス

地域のライフラインを担う日本海ガス株式会社、空調機器のメンテナンスを行う株式会社サプラ、ガス機器の販売・修理を行う株式会社モット日本海ガスなどからなるホールディングスです。

2020年7月には、インキュベーション施設「HATCH」やお試し移住サービス”ためスモ”を運営する「株式会社日本海ラボ」が新たに設立されました。既存事業にこだわらず、「富山をワクワクする場所に」という想いで立ち上がった日本海ラボ。

富山への移住をお試しできるサービス「ためスモ」は、カバンひとつで移住体験ができるサービスです。家具や家電、水道や電気・ガス、Wi-Fi完備の物件で、富山での生活を体験していただけます。

「堅実」「安定」というイメージが強いライフライン企業ですが、これまでの事業に囚われず、新しい事業に積極的に取り組んでいる会社もあるんですよ。

◎前田薬品工業

「塗る」「貼る」薬で皮膚の悩みを解決してきた前田薬品工業も富山の会社。2021年より大卒の新卒一斉採用を取りやめ、通年採用体制になりました。移住者にとっては、通年採用はとても嬉しいですよね。

さらにこの会社は、2020年、立山町に美容と健康の体験型施設「ヘルジアンウッド」をオープンさせました。

ヘルジアンウッドは、ラベンダー・ローズマリー・レモングラスなどハーブを栽培する「The Garden」、施設で収穫されたハーブからアロマオイルを抽出する「The Workshop」、ハーブティや自然素材にこだわった軽食などが楽しめる「The Kichen」、ハーブと地元食材にこだわったディナーがいただける「The Table」からなっています。
建物は隈研吾さんの設計。自然の中に溶け込む建築を観に行くだけでも価値がありますよ。

2021年中に、宿泊施設やスパもオープン予定。製薬会社が取り組む新しいプロジェクトに注目が集まっています。

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この記事を通じて、富山には面白い企業がたくさんあることを知っていただけたら嬉しいです。

まだまだご紹介したい会社がたくさんある富山県。ご興味ある方は、ぜひ後編も読んでみてください。



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