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富山移住者の本音ーー佐藤将貴さん(兵庫県出身・立山町在住)

家族で埼玉県から富山県立山町へ移住してきた佐藤さんご一家。

妻のみどりさんは地域起こし協力隊としてクラフトフェア「立山Craft」を立ち上げ、富山の大人気イベントにまで育てました。

そして、夫の将貴さんはそんな奥さんの姿に触発され、「里山の暮らしを多くの人に知ってもらいたい、体験してもらいたい」とEマウンテンバイクで里山と村をめぐる「里山マウンテンバイクツーリズム」の取り組みを始めました。

その佐藤さんに、移住された理由や富山での暮らしについて伺いました。

◎移住の理由

立山連峰(イナガキヤスト_

立山連峰©︎とやま観光推進機構

ーー佐藤さん、ご出身は兵庫県とのことですが、どういった経緯で立山町への移住を決められたのでしょうか。

一言で言えば、富山県上市町(立山町の隣)が舞台となった「おおかみこどもの雨と雪」の世界観に憧れたからです。

僕は工場の設備関連の営業として埼玉県に住んでいました。しかし、2011年の東日本大震災でそれまでの価値観が揺らぎ、陶芸家の妻と結婚をした中で田舎への移住を具体的に考えるように。2012年に妻が映画「おおかみこどもの雨と雪」をみて感動し、富山に移住ツアーで訪れることにしました。

ーー富山に移住した決め手は?

移住ツアーにも参加し、高岡市、南砺市、富山市、黒部市など県内中を見て回りました。その後長男が生まれ、2013年12月に立山町から陶芸の里として有名な新瀬戸地区の地域おこし協力隊をやってみないかと妻に声がかかったのです。

ーー移住を決断するまでに悩みましたか?

いえ、数ヶ月後には移住を完了していました。決断できた理由は「面白そうだから」。それに尽きます。(笑)

富山に行ってダメなら、故郷である神戸に帰ればいい、とりあえずバットを振ってみようという気持ちでした。

ーー佐藤さんご自身の転職活動はどのように行われましたか?

転職フェアを訪れて、富山県の商社に転職しました。全国転勤がないことが条件でした。前職では所長もやっていたので、この業界ならどこでもやっていけるという自信がありましたし、すんなりと決まりました。

◎富山での家探し

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▲佐藤さんのご自宅の庭

ーー家探しはどのように進められましたか。

最初は、地域おこし協力隊に提供されるおうちに住んでいました。1年後、陶芸ができる広い家を探して不動産屋産に連絡したところ、ちょうど空き家になる予定の農家さんのおうちが見つかりました。

家を買うとなると、「住宅ローン」を背負うイメージがあると思いますが、僕が買った家は300坪でなんと600万円でした。ちょっとした高級車より安いです。

ーーなんと!!都会では考えられませんね…。

少しずつ自分たちでDIYして、階段、棚、漆喰塗り、床貼り…全部自分たちでやりました。

ーーもともとDIYはお好きだったんですか?

お金がかけられなかったので、自分たちでやるしかなかったんです(笑)。YouTubeでやり方は全部わかりますしね。

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▲佐藤さんのご自宅から見える夕暮れの景色

ーーどんなおうちか教えてください。

とても景色の美しい家なんです。集落から離れていて、半径150mに家がなく、田んぼに囲まれています。富山平野まで見渡せ、朝日も夕日も美しく、立山連峰も眺められる。雨が降っても水墨画のような風景が楽しめる。

朝起きれば朝日に輝く立山連峰を眺めながら、コーヒー豆をひき、湧き水を沸かして煎れる…。自然の時間の流れを自覚できます。田舎暮らしって、価値があるものだと思いましたね。究極の効率性を求めるなら、コンビニに行って100円でコーヒー買えばいいんですけどね。

冬には、薪ストーブを焚いて、その火を眺めてもの思いにふけったり。

そういった生活をしていると、「納期」「売上」「効率」を追い続ける世界とは違う時間の流れが確実にあるな、と感じました。今の家にいると、なんてあくせく働く世界に生きているんだろう、と思うように。それが、会社を辞めて新しいことに挑戦しようと思ったきっかけです。

◎富山の嫌なところ、こっそり教えてください

本気出しすぎた富山の空

©︎とやま観光推進機構

ーーここだけの話、富山に移住して嫌なことはありましたか。

太平洋側での生活に慣れていたので、冬の曇天続きは正直辛かったです。4年目までは富山の冬は嫌でした。

でも、薪ストーブをつけたことで冬が待ち遠しくなりました。朝5時くらいから薪をくべて、湧水でコーヒーを煎れる…。

北欧の冬のようです。炎を見るのってすごくおすすめです。効率求めれば、スイッチ一つで暖房つければいいんですけどね。

ーー薪ストーブで富山の冬も乗り切れますね(笑)。

300坪の家なので、こども2人とも庭を駆け回っています。池もあるので、ドジョウやカエルやめだか、蛇もいますし、ホタルも飛んでいますよ。

立山町に住んでいますが、富山市街地まで車で25分くらいで行けます。車を買うくらいの値段で『古いお家』は買えますし、場合によっては譲り受けることもできます。家のローンや家賃から解放されるだけで、描ける未来が自由になっていきますよ。

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▲家の庭でキャンプ

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富山への移住を検討している方、富山でワーケーションしてみたい方、富山での暮らしは「ためスモ」パートナーが応援します。

まずは、佐藤さんとともに、立山の里山をマウンテンバイクで巡り、夢を語り、地域の人たちと交流してみませんか?

<今回ご紹介した ためスモパートナー>
佐藤将貴(さとう・まさき)さん
兵庫県神戸市出身。埼玉県で営業マンとして働いていたが、2011年東日本大震災をきっかけに地方移住を考えるように。映画「おおかみこどもの雨と雪」の舞台となった富山県に興味を持ち、2014年富山県立山町へ移住。陶芸家である妻のみどりさん、二人のお子さんと暮らしている。県内の一般企業で働いていたが、2020年に転職し一棟貸しの宿「埜の家」のマネージャーに就任。社内起業の形で、Eマウンテンバイクで里山と村をめぐる「里山マウンテンバイクツーリズム」の準備を進めている。


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