見出し画像

世界遺産に住めるまち【富山県南砺(なんと)市】

地方への移住を検討するにあたって、移住先の選定は一番大切ですよね。
「富山県」と一口に言っても、市町村によってその特色は様々。そこで15回にわたり、富山県内の市町村をご紹介していきます。

今回ご紹介するのは、南砺(なんと)市
石川県と岐阜県に接したこの市は、平成16年に4つの村と4つの町が合併してできました。その面積は約670㎢と、富山市についで県で2番目に大きい市となっています。

▲南砺市への移住を検討している方は、こちらのサイトも参考にしてください。

***

◎世界遺産に人が住んでいる!?

合掌造り

©︎南砺市

南砺市の魅力は、豊かな自然ときらりと光る伝統文化、そしてその歴史。

全国的に有名なのは、五箇山の合掌造りではないでしょうか。

合掌造りとは、左右の掌を合わせる「合掌」の形をした茅葺の屋根が特徴の民家。現存する合掌造りは築100〜200年と言われており、中には400年前のものもあります。15〜20年ごとに屋根の葺き替えが行われており、これは地域ぐるみで協力して行われます。古い茅は堆肥として再利用されるので、資源を無駄なく活用してきた古来からの日本人の知恵が感じられます。

五箇山の集落のうち、相倉合掌造り集落と菅沼合掌造り集落の2つが世界遺産に登録されています。「世界遺産」と聞くと、保存のために人は住んでいないと思われる方もいるかもしれません。しかし、五箇山の合掌造り集落では今も住人の方々が暮らしを続けています。

(ですから、観光で訪れる際には配慮をお願いします)

南砺市への移住者の中には、この世界遺産への移住を決めた方もいらっしゃいます。伝統を受け継ぎ、自然に囲まれながら暮らす生活がここにはしっかり残っています。

◎世界中に応援市民がいるまち

南砺市に住んでいないけれど、「南砺市が好き!」「南砺市を応援したい!」という方が登録している「南砺市応援市民」。南砺市には、多くの応援市民がいます。

その活動は「南砺市産のものを買うこと」「ふるさと納税をすること」「南砺市のPRをすること」など各人に任せられていますが、2018年現在500名を超える方の登録があるそうです。

そんな南砺市の市長は田中幹夫さん。
南砺市中を駆け巡る彼はSNSのヘビーユーザーでもあります。これだけ発信し続ける市長は、他に類を見ないのではないでしょうか。彼のスローガンは「一流の田舎」

Clubhouse>@tanakananto

◎アクセスは悪いけれど…

庄川峡

©︎南砺市

南砺市利賀(とが)。
利賀村は、人口わずか500名の小さな郷。標高1000メートルを超える山々に囲まれ、豊かな自然が残された場所です。決してアクセスがいいとは言えないこの場所に、2020年12月に移転オープンしたのがオーベルジュ「レヴォ」です。

「レヴォ」は以前、富山市にあるリゾートホテル「リバーリトリート雅楽倶(がらく)」内のレストランとして人気を博していましたが、シェフの谷口英司さんが料理人人生をかけて「究極の地産地消」に取り組むために利賀村へ移転しました。

コンセプトは前衛的地方料理
レストランで出される食材は敷地内で育てられた野菜や、山菜、ジビエなど地元のものにこだわっています。レストラン棟とコテージ3棟、パン小屋、サウナ棟の計6棟からなっており、宿泊は1日限定3組まで。食事や宿泊だけでなく、フィンランド式のサウナまで満喫できます。

冬には雪が多く積もりたどり着くのに苦労しますが、オープン直後から多くの方が足を運んでいるようです。

また、利賀は「演劇」の村としても有名。富山県利賀芸術公園は、6つの劇場、稽古場、宿舎等が整った世界的にも珍しい舞台芸術施設群です。

国際的に活動する劇団SCOT(スコット)の活動拠点として有名な利賀。演劇の村となったのは1950年ごろ、人口流出に悩んだ村が合掌造りの民家を「利賀合掌文化村」と名付けたことがきっかけでした。
そして、1976年に演出家・鈴木忠志氏が新たな活動拠点として利賀村を選んだのです。

2019年には「シアターオリンピックス」と呼ばれる世界的な演劇の祭典が富山県とロシアで同時開催されました。黒部市と利賀がその会場となり、富山に世界各国から人が集ったのです。

◎野球好きに知って欲しい、バットの名産地

実は、南砺市は木製バットの名産地。国内生産の約4割を占めます。プロ野球で使用できるバットには、コミッショナーが公認した製造業者のバット以外は使用できません。現在全国で公認されている22社の業者のうち、南砺市福光地域には7社があります。

南砺市福光には「南砺バットミュージアム」があり、ベーブ・ルース選手やイチロー選手、松井秀喜選手の使用していたバットを含めて約600本が展示されており、野球好きにはたまらない空間となっています。館長の嶋信一館長は、3軒隣の酒屋さんを営みながらこのミュージアムを運営しています。

***

「一流の田舎」、南砺市。

あたたかな人間関係のもと、伝統文化を受け継ぎ、自然豊かな場所で暮らしたいと思っている方に、ぜひご検討いただきたい移住先です。

皆様と富山でお会いできるのを楽しみにしています。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?