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「風をつかまえた少年」:学びが人びとの生活を変える

「ぜんぶが失敗じゃない。ぼくを学校に行かせてくれた」

俺は失敗してばかりだと嘆く父親に向かって、少年ウィリアムはまっすぐな目でこう言う。

学費が支払えず学校を辞めざるをえなかったウィリアムだが、学校の図書館で風力発電のしくみを学び、風車をつくることを思いつく。そうして井戸から水を汲み出すポンプを動かすことで干ばつから村を救う。そんな実話にもとづく映画だ。

冒頭のウィリアムのことばのとおり、本が、教育が、人びとの生活に大きな変化をもたらしていくことを実感できるはなしだった。

当時、人口の2%しか電気を使うことができず、世界でもっとも貧しい国のひとつと言われるアフリカのマラウイで、少年が風車で自家発電に成功した実話を収め、世界各国で出版されたノンフィクションを映画化。アカデミー賞を受賞した「それでも夜は明ける」で自身もアカデミー主演男優賞にノミネートされた俳優のキウェテル・イジョフォーがメガホンをとり、映画監督デビューを果たした。2001年、アフリカの最貧国のひとつマラウイを大干ばつが襲う。14歳のウィリアムは貧困で学費を払えず通学を断念するが、図書館で出合った1冊の本をきっかけに、独学で風力発電のできる風車を作り、畑に水を引くことを思いつく。しかし、ウィリアムの暮らす村はいまだに祈りで雨を降らそうとしているところで、ウィリアムの考えに耳を貸す者はいなかった。それでも家族を助けたいというウィリアムの思いが、徐々に周囲を動かし始める。

2019.8.14 鑑賞

花を買って生活に彩りを…