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映画感想

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わたしのみた映画たち
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2019年5月の記事一覧

「サムライマラソン」:走れ、侍!

小松菜奈の走っている姿が美しかった。 トップで走り抜けた藩士たちの家族への愛が愛おしかった。 感想はこの二言に尽きます。 あとは、いまいち敵・味方の情勢を理解しきれなかったのと、刀やら銃やらで人を殺しまくる残酷なシーンが大量で、画面をみられなかったので、特に印象に残ることなかった。 ああいうシーン見なきゃならないの、拷問的だなと思うのですが、そう思わない人もいるのが不思議。 豪華キャストの映画で少し期待していたけど、私が理解できていないのか、ストーリー性に乏しく感じ

「愛がなんだ」:愛ってなんだ

純粋に人を愛する女の子の片思い物語ということで、私は主人公に共感するつもりでこの映画をみにいった。 だけど、それほど共感できなかった。 共感できなかった理由は、一見、主人公のテルちゃんがあまりにも自分のことを大事にしていないように思えたからだろう。 私は自分が好きになった人のことはすごく好きだし、とても大事な存在だと思うけど、同時に、自分も大切にしたいと思っている。自分も相手も幸せであることが大事だ。 だから、大事にされていないことが分かっていても、マモちゃんの望みに

「最高の人生の見つけ方」:誰かに喜びを与えたか?

原題は、「The Bucket List」。 “The Bucket List”とは、kick the bucket ; (humorous informal) to die というイディオムからきているそうで、死ぬ前にしておきたいリストのことを指すらしい。 仕事第一で生きてきた大金持ちの病院経営者の男性と、家族を大事に生きてきた自動車整備工の男性ふたりが、死を直前にやりたいことを一緒にやりきるという映画だ。 ありきたりな感じだけど、あたたかい気持ちになって、みんなで号

「岬の兄弟」:生き方

ずーーーんと何かを訴えかけられているような気がするけれど、ある兄妹の日常を無心に描いているだけ、でもある。 主人公で、自閉症の真理子は、言葉で自分の感情を表現することがない。 だからこそ、この映画は無言で、何かを訴えかけてくる迫力があるように思う。 障害、貧困、性風俗を切り口に、人間の幸福、性欲、意思、愛、感情、家族、友情といったものを考えさせられる作品だった。 ちなみに、はじめて吉祥寺のアップリンクでみた。 懐かしの吉祥寺PARCOの地下がパステルカラーの壁のおしゃ

「人魚の眠る家」:生きているってどういうこと?

この映画をみたのはもうだいぶ昔のこと(1月くらい)だけど、終わったあとに頭の中がぐるぐる渦巻くような興味深い作品だった。 もともと自分に何かあったときの選択肢として、臓器移植に関心があったので、小松美彦さんの『脳死・臓器移植の本当の話』という著書を読んでいたところだった。 なので、同僚が臓器移植をテーマにした映画があると教えてくれてすぐに映画館に足を運んだ。 ちなみに、小松さんは「脳死」を人の死と定義することや、臓器移植に対して批判的な立場だ。 本書では、着目されてい