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映画感想

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わたしのみた映画たち
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2018年9月の記事一覧

「顔たち、ところどころ」:思い出と顔を刻む

原題は「Visages, Villages」。韻を踏んでいて響きがよい。 だけど、「顔たち、ところどころ」という邦題もぴったりだと思う。 これ以上のタイトルやらコピーが思い浮かばないというのがnoteを書き始めて思う、最初の感想だ。 今回は渋谷のUPLINK併設のカフェで友人たちとご飯を食べたあとに映画をみた。 夕飯後だったこともあり、とくに前半は睡魔に襲われた。淡々としたスローペースのロード・ムービーだったので余計に眠くなった。 その点について、佐々木俊尚さんがこの

「ペンギン・ハイウェイ」:思考はどこまでもペンギン・ハイウェイ

コーラの缶を放り投げると、ぶわんとペンギンが現れる。 森の奥に広がる原っぱの中央には海が閉じ込められたような球体が浮かんでいる。 アオヤマ君が好きになったお姉さんはどこか違う世界から来たお姉さんだった。 そんな、ハチャメチャな森見登美彦ワールドが展開されるのが「ペンギン・ハイウェイ」だ。 人間の思考はどこまでも自由につづく。 蒼井優が舞台挨拶で「遠くに置いてきたセピア色の時間に色が戻ったよう」とコメントしていたそう。 私の友人はその言葉にとても共感していたけれど、