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長野県

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長野県を巡った記録です。
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2016年12月の記事一覧

御射鹿池(茅野市)

11月の連休は長野へ。朝、温泉へ行くついでに茅野市にある御射鹿池(みしゃかいけ)に行ってみた。 ここは、かつてシャープの液晶テレビ「アクオス」のテレビCMで有名になった画家・東山魁夷(ひがしやまかいい)の名作「緑響く」のモチーフとなった池である。 国道299号(メルヘン街道)から奥蓼科温泉郷へ行く途中にある。 東山魁夷(1908~1999)は、東京美術学校で学び、帝展、日展で活躍。皇居新宮殿の障壁画を担当するなどした日本を代表する日本画家である。1969年に文化勲章を受

善知鳥峠(塩尻市)

これは去年の夏のお話。恒例の長野旅に出かけた時のこと。塩尻から辰野へ抜ける国道153号線の途中に善知鳥峠(うとうとうげ)という峠がある。善知鳥というのは難読だが、海鳥の名前である。塩尻方面から南下すると、峠の麓は小野の集落となる。この峠は、かつては南信から塩尻・松本へと抜ける重要な峠であった。また、中央分水嶺の一つで、ここを境に北へ降った雨は信濃川(千曲川)を経て日本海へ、南へ降った雨は天竜川を経て太平洋へ注ぎ込む。 そんなわけで峠には分水嶺公園という名前の公園が設けられて

諏訪大社上社前宮(茅野市)

長野旅では、朝の温泉へ行った後、諏訪大社へ。本当は上社の本宮へお参りしたかったのだが、なぜか駐車場がまったく空いておらず、駐車場を求めてグルグル。仕方がなく、空いている前宮へ。 諏訪上下の4つの社の中でも、もっとも原初的な信仰の形を残しているという諏訪大社の前宮は、鳥居前町が形成され、賑やかな他の社とは違って、とても質素である。 だが、諏訪の祭祀、諏訪信仰発祥の地とされるだけあって、境内はとても神聖な雰囲気に包まれている。 駐車場は、152号に面したところにあり。 だ

小野神社・弥彦神社(塩尻市・辰野町)

善知鳥峠(うとうとうげ)を降りると、ほどなく辰野町に入る。この辺りは小野という集落なのだが、この小野という地域が面白い。もともとこのあたりは、筑摩と伊那の郡境が近接する地域で、戦国時代には小野のあたりを境に飯田城と松本城の領主がそれぞれ争っていたという。秀吉の裁定で、小野は北小野と南小野に分けられ、現在でも行政区画は塩尻市の北小野と、辰野町の小野に分かれている。現在、この2市町にまたがる北小野と小野を合わせて両小野と呼んでいるようだ。 そして、同地にある神社も二つに分けられ