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再訪率UPに効くプッシュ通知サービス「OneSignal」を調べてみました

こんにちは!TAMフロントエンドエンジニアの佐川です。
今回はプッシュ通知のSaaS「OneSignal」を調べたため、そのまとめを書いていきます。

WEBサイトのKPIとしてよく挙げられる再訪率について、プッシュ通知が効果的と言われています。
インターネットを閲覧しているとたまに出現する「このサイトからの通知を受け取りますか?」といった表示ですね。

こちらについて少し調べてみると…

Webプッシュ通知を正しく運用すれば、メールに比べて最大10倍以上Webページへの誘導率が上がることがわかっています。
参照:Webプッシュ通知とは | 導入効果・コンバージョン率増加を狙えるおすすめサービス13選 | ボクシルマガジン
これまで使用していた従来のEメールニュースレターと比べて約5倍のユーザーがWebプッシュ通知を設定している。
参照:Webプッシュ通知の効果はEメールマーケティングの5倍高い インフォグラフィック | MARKETIMES(マーケタイムズ)

そんなまさか…
という声が出そうですが確かに効果は高いようです。

また、以下の記事に挙げられているようなポイントに魅力を感じます。

ユーザーは個人情報を入力することなく、企業からの通知を受け取ることができます。
「通知のクリックのみ」の1ステップでWebページに誘導することが可能
参照:Webプッシュ通知で変わるダイレクトマーケティングとマーケティングオートメーション|デジタルマーケティングラボ
1. 開封してもらうハードルが低い
2. リアルタイム性が高く目に留まりやすい
3. メールアドレスが不要
参照:Webプッシュ通知9選を比較!導入のメリット&デメリットを解説します | Web幹事


お客様(ユーザ)に負荷をかけずナーチャリングの段階にスムーズに移行できるところこそプッシュ通知の最大のメリットなのかもしれませんね。

効果が見込めるのであればさっそく組み込んでいきたいところですが、いざプッシュ通知を実装していくとなるとその工数やコストが気になります。

サーバーやDBを用意して…となるとやりたいことはシンプルなのにその前準備が大変なんですよね。

さいわいにも現代はSaaSの普及もありプッシュ通知も機能単位で利用できるようになっています。

そこで、今回はさまざまなサービスを見比べ、アメリカ発のOneSignalを調査してみました。

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とても便利なサービスだと思ったので本noteではその魅力をご紹介し、一方でデメリットの部分も書いてみたいと思います。

■ OneSignalのメリット

そもそも「なぜOneSignalなのか」についてですが…

#1. 低価格
#2. 導入が簡単
#3. 高機能

と必要な3拍子が揃っていたためです。
特に、マーケティングで重要となる機能については本稿の最後で少し深掘りしていきます。

#1. 低価格

OneSignalの特徴的なポイントは料金体系が通知数ではなく購読者数によって決定されることです。

国内のプッシュ通知サービスは反対で、通知数に応じて従量課金されることが多いのですが、本サービスではその心配がいらなそうです。

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さらに注購読者数に対する金額が安い点が挙げられます。
上記の画像を見てみると10万人あたり月34,000円でしょうか。

他にも初期費用が存在せず、登録後すぐに使用可能なので、思い立ったらすぐに試すことができます。

料金表は以下のURLから。スライダを動かせば、おおよその金額が分かりますので、お時間あればお試しください。

リンク:Pricing - OneSignal

#2. 導入が簡単

初期設定でやることは大まかに以下の3つとなっており、非常にシンプルです。

1. アプリ(プッシュ通知)名前の設定
2. 適用するWebサイトの設定
3. プッシュ通知したい内容の記述

1. 新規作成後アプリの名前を入れ…

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2. サイト名と適用先のURLを入れて…

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3. 購読を選択した際の設定を行い、あとは保存して終了です!

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その後、エンジニアの方で
・ファイルの設置
・htmlへのタグの埋め込み
を行えばプッシュ通知が使えるようになります。

ファイルの設置はサイト直下にjavascriptのファイルを2つ。
タグの埋め込みは以下のようなタグをGoogle Analyticsと同じ要領で設置します。

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このように、初期導入が非常に簡単なこともOneSignalの大きなメリットです。初期導入が終われば、すぐプッシュ通知が利用できます。

#3. 高機能

せっかく通知を送るのですから、メールマガジンにあるような業務の効率化機能をはじめ、効果測定や開封率を知りたいところです。

その点OneSignalは

・A/Bテスト
・テンプレート
・解析

などなど、充実した機能を備えています。

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これらの機能については、プッシュ通知にフォーカスを当てて、もう少し深掘りしてご紹介します。


■ OneSignalのプッシュ通知でできること

プッシュ通知の良いところは、「いつ、誰に、何を届けるか」を細かく設定できることです。

具体的に、OneSignalは以下のような機能を持ちます。

#1. (誰に)セグメンテーション
#2. (いつ)通知の最適化
#3. (いつ、誰に、何を)各種API、データタグ

#1. セグメンテーション

はじめに、お客様がサイトに訪れた際に通知を受け取るかどうかの選択ができます。このとき、興味のあるカテゴリを選んでもらうことが可能です。

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この設定を行なっておけば、興味がない情報でお客様にフラストレーションを抱かせることなく、必要な情報だけをお届けできるようになります。

セグメント機能について管理側から見ていくと、このような画面になっています。

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先程のカテゴリはもちろん、そのほかのユーザの性質に応じてセグメンテーションすることが可能です。
デフォルトだとアクティブ性に応じたセグメントがありますが…

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他にも「セッションのタイミング」「セッション数」など、様々なセグメントが作成可能です。
もちろん、これらは通知を送る際にANDやOR条件で利用できます。

基本的なセグメンテーションであればこれで十分なのですが、OneSignalは上記画像のデータタグを用いてさらなるパーソナライゼーションが可能です。
これは後ほど「各種API、データタグ」にて触れていきます。

#2. 通知の最適化

OneSignalでは、リターゲティングができます。
「メッセージをクリックした / クリックしなかった」などの条件に合わせて、それぞれに適したメッセージを表示できます。

次にOneSignal一押しの機能としてAutomated Messages(自動メッセージ)というものがあります。
公式の調査によると即時配信するよりも23%人の手で配信時間を設定した場合よりも10%開封率が上昇したようです。

「自動メッセージ」では、OneSignalに蓄積されているデータから開封されやすい時間を自動で設定し、配信してくれるもの。イメージとしては「移動時間でスマートフォンが開かれやすい9時に配信」のようになります。

A/Bテストも重要ですが、サービス側に任せてしまえるところも魅力的です。

#3. 各種API、データタグ

主にセグメントに関わる機能です。
データタグはその名の通りタグで、何らかの行動をトリガーとしてユーザ一人一人ひとりに付与できるものとなります。

例えば、以下のような例が挙げられます。

サイト上の特定のボタンをクリックした人
カートに商品がある状態で放置している人

CTAやCVに関わるボタンをクリックしていれば、それはそのサービスに対して興味が高いことがわかります。そういった方々に限定して、後押しをするメッセージを送ることが可能というわけです。

カートに商品が残っている方がいらっしゃれば、そういった方々に対して「忘れていませんか?」といったメッセージを送ることもできます。

このようにデータタグを使用すれば、お客様一人ひとりの状態に合わせた通知を送ることが可能となります。


■ OneSignalのデメリット

これまでOneSignalのメリットと機能を見てきました。しかし簡単である反面、デメリットも存在しますので、最後にそれらをご紹介します。

○ 基本が英語で、日本語がサポートされていない

アメリカのサービスであるため基本的に英語です。
少しとっつきにくいところですが、ChromeであればGoogle翻訳の拡張機能などで問題なく運用できそうでした。

○ 高度な分析は難しい

マーケターの方ですと気になる部分だと思います。

プッシュ通知がメインのサービスであるため、CRMやMAにあるような高度な分析はやりにくい印象がありました。

こちらの課題についてはOneSignal側も考えているそうで、結論としては「他の分析サービスと連携することで補完する」とのことでした。

公式のドキュメントを見てみるとAmplitude, Google Analytics, Hubspotなどとの連携方法が紹介されています。

見方を変えれば、より高度な分析ができることになりますが、連携の構築が大変そうです。

■ おわりに

以上、OneSignalの紹介でした!

簡単・低価格で高機能なプッシュ通知を送れる魅力的なサービスに映りました。これからプッシュ通知を導入される方には特にお勧めできるのではないかと思います。

反対に、すでにMAやCRMを導入している場合だと一度考えた方が良いのかもしれません。

Salceforceにはプッシュ通知機能があり、また大規模なMAツールに外部のサービスを組み込むとなるとかえって工数が増加するケースが予想されます。

とはいえ、簡単に始められるところがメリットだと思いますので、アジャイル的にまずは試してみるでも良いのかもしれませんね。