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ChatGPTによる診断アプリをノーコードツール「Glide」で制作した話

こんにちは。TAMのディレクターの高田です。
以前からGlideを使ったノーコードアプリの制作を積極的に行っており、さまざまなアプリを作ってきました。

今回は、なにかと話題のChatGPTを活用した面白いアプリができたので、その内容をご紹介しようと思います。


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ChatGPTを利用した診断アプリ

今回つくったアプリの内容はシンプルです。
ユーザーはまず診断したいテーマを選択。その後「登録する」のボタンをタップして、テーマに沿った自分の好きなものを5つ入力します。

するとその内容を受け取ってChatGPTが回答を考えます。そして、その人におすすめの作品を提案してくれます。

実際に使っている様子がこちら。セルに文字を入力すると、ChatGPTの回答を自動的に出力してくれています。


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ChatGPT の回答を Googleスプレッドシートに出力する方法

話のきっかけは「ChatGPTの回答をGoogleスプレッドシートに出力する関数が非常におもしろい!」というTwitterを見たことでした。

これは、Googleスプレッドシートにて、特定のセルに入力したテキストを読み込んでくれる関数。Google スプレッドシートに情報を入力すると、ChatGPTの回答を自動的に取得してくれます。

具体的な手順が気になる方は、以下の記事を参照してみてください。プログラミングやスクリプトの知識がなくても、手順をそのまま真似すれば誰でも簡単にできます。


この方法を知ってすぐに、Glideへの転用を思いつきました。「Googleスプレッドシートに回答が表示されるなら、その内容をGlideで入力→表示もできるだろう!」と考えたのです。

そこで作成したのが、この診断アプリでした。


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Glideの設計・仕組み

それではGlideの管理画面の解説をしていきますね。

ユーザーがアプリ内で入力した内容は、それぞれ対応したGoogleスプレッドシートのセルに入力されます。

すべてのセルに何かしらのデータが入ったら関数が動き出すように設定されているので、ユーザーがすべての情報を入力して初めて回答が表示されるようになっています。

スプレッドシートの仕組みはシンプルです。ユーザーが選んだテーマが「A2」のセルにセットされ、ピックアップした5つの内容がそれぞれ「B2〜F2」にセットされます。

これらのセルに入力された内容を受け取って、「G2」に答えが出力されます。

「G2」にはChatGPTの回答が出力される関数が予め設定されていて、「 [B2]〜[F2] が好きな人におすすめの[A2]を箇条書きで教えてください」と指示を出しています。


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このアプリの課題

今回作ったこのアプリ、コンセプトは良いなと思うのですが、実際の公開・一般利用にあたっては、解決しなければならない課題がいくつかあることが発覚しました。

1. タイムラグが発生する

ユーザーがGlideアプリで入力した内容を、Googleスプレッドシートが受け取るまでに時間がかかってしまう問題があります。

いま私が使っているのがGlideの無料プランでの利用なので、これを有料プランに変更したら、もしかしたら少し改善されるかもしれません。

2. ChatGPTのレスポンスが遅い

各セルに情報がセットされてから回答が出力されるまでに、どうしても時間がかかってしまいます。

この時間を無くすことはおそらくできないので、ユーザーに「いまChatGPTが回答を考えている時間ですよ」というのを明示してあげるのが親切ですね。
何かしらのローディングアニメーションを実装するのがよさそうです。

3. ChatGPTのリクエスト上限を超えてしまう

多くのユーザーが使用すると、ChatGPTへのリクエスト数が増えすぎてしまい、エラーが出るようになってしまいます。

アプリが完成してすぐに、TAMの社内で「こんなアプリ作ってみました!」と発表したのですが、その日のうちにエラーが出るようになってしまいました。

この課題はおそらく、ChatGPTの有料プランに入ることである程度解消されるのではないかと考えています。


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ChatGPTの活用シーン

ChatGPTの活躍はめざましく、今後もさまざまな形で応用ができるのではないかとワクワクしています。

しかし一方で、使いどころや用途をきちんと見極めなければならないなと感じました。

特にGlideアプリを作る上では、以下の2点を考慮した上で企画・設計をしなければならないだろうと考えました。

1. 回答に正確性を求めないほうが良さそう

ChatGPTはその性質上、返ってくる回答が必ずしも正しいわけではありません。内容が間違っている可能性も十分にあります。

そのため、ChatGPTから得た回答が正しいかどうか、それを自分自身で確認できる用途。あるいは情報が正確でなくても楽しんで使えるような企画で活用するのが良さそうです。

2. 回答に一貫性がなくても大丈夫なもの

ChatGPTからの返答は、問いを投げかけるたびに違った内容が返ってきます。そのランダム性を受け入れられる用途でないと、使用するのは難しそうです。

今回の診断コンテンツでは、回答にランダム性があるからこそ楽しめるもの。同じ内容を入力したとしても、返ってくる答えが違うからこそ、新しい作品との出会いを楽しめるので、相性はよかったのだと感じています。



ありがとうございました!

ChatGPTをはじめ、AIの発展が目覚ましい昨今。それらをどうやって活用していくかが、今後の僕らの腕が試されるところでしょうね。

また面白いアプリのアイデアが浮かんだらご紹介します。