見出し画像

2020/10/4-5(月)背伸びしない読書


樋口一葉を読んでいます。

kindle unlimitedで読める「現代語訳」を見つけたので、こちらで「たけくらべ」を。こういうお話だったのですね。

「たけくらべ」10代の頃に岩波文庫版を手にしているはずなのですが、あっさり挫折しました。レビューを拝見しますとみなさんなんだかんだで読めますみたいなことを書いていらっしゃいますが、ほんとうですか?

ただでさえ当時の遊郭まわりのことがわからないのに。私には無理。バカのレッテル貼られても構いませんことよ。読めません。

それはともかく。今回初見して思いましたけど、文体以前に樋口一葉の描く世界が10代の無知な少年少女には理解が難しくないですか。一葉、同世代みたいなもんなのに。明治時代の10代は世間の汚れの目と鼻の先にいて随分大人びていたのだなと。それって悲しいことなんですけどね。

そもそもこのレベルの文体を読みこなせる高水準の少年少女層のほとんどがそれこそ当時一葉の置かれていた環境とは全く無縁の安心安全な暮らしをなさってるでしょ。原文で読めない層のほうが一葉の描いている世界の痛みを体感的に理解できるかもしれない。

こんな何とも嫌な悲しみが残る作品だったとは、という感想です。

さてさて。今にして思えば10代の頃の読書は背伸びのしっぱなしでした。その向上心が力になることもあれば放棄につながることも多かったです。

源氏物語だって当初、岩波文庫の黄色の原文で読もうとしてたんですから。当然速攻挫折して、次に手を出したのが谷崎源氏。これもさっくり挫折。しかし天は私に味方しました。

その当時、クラスの女子の手から手を渡り歩いた「あさきゆめみし」。

おかげですっかり源氏物語ファンになりました。その後円地源氏でマンガが割愛した部分を補い、理解を深めました。読みやすいって大事。

まずは自分のレベルに合わせた読み方をすればいいのです。読書は娯楽。楽しんでなんぼ。



武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。