見出し画像

2020/6/29-30(火)


選択疲れ、しているのかなと思いました。

イトーヨーカドーの子供用品売り場に昔なつかし「バレエシューズ」を見かけました。当時は青と赤しかなかったバレーシューズが今では黄だの緑だの、水色にピンクといった淡い色合いのものまで並んでいて、まるでクレヨンの箱を眺めているよう。透明な袋に入れられて色ごと吊るされているのはとてもきれいで楽しい感じもするのですが、ついふと思ってしまいました。

めんどくせえな。

私の頃は、男の子は青、女の子は赤と、各人の好みもなにも「そう決まっていた」ものですから何の疑いもなく赤いのを買い与えてもらっては躊躇なく履きつぶしたものですが、今の子どもはこんな小さな頃から「好きなもの」を心に決めて一つ一つ選ばなければ前に進めないようになっているのか。それはそれでなんだか大変ね。

そんなに選択肢のなかった昔と今とを比べると、確かに「選べる」は豊さと自由の象徴だと思うけれども、反面「生活一つ一つの小さなことに迷うことなく、ただひたすら前だけ向いていられた」時のことを思うと、知らず知らずのうちに私、疲れているのかもなあと思ったりします。

10代の頃まで大好きだった書店に今では足も遠のきがちなのは、知識が増えるごとに膨張する好奇心と、それらを満たすに過剰なまでの選択肢の多さと、なのに実際そこに当てられる時間の少なさと己の処理能力の限界に、本を手に取る前からくらくらしてしまうことが増えたからです。読む本も興味も限定されていた頃は、手を伸ばせるものの数にも限界があったからそれほど悩まずに済んだんだよなぁ。ただひたすら、読みたいものを順番に読んでいけばよかったんだよね。

もしかして「うんこドリル」が流行ったのも、うんこ好きの子どもが多かったってだけじゃなく、いくつもあるドリルの中からどれを選べばいいのか思い煩うことなく、迷わず手に取れたからだったりして、なんて適当なことを思ったりしました。


武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。