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ワクワクリベンジ読書のすすめ~『内向型人間のすごい力』スーザン・ケイン著~

「内向型」という言葉。著書の中では「熟考の人」の特質のことであり、思慮深い、理性的、学問好き、控えめ、繊細、思いやりがある、まじめ、瞑想的、神秘的、内部指向、丁重な、穏やか、謙虚、孤独を求める、内気、リスク回避的、神経過敏、などのどれかに当てはまる人のことをいう。
逆に「外向型」とは「行動の人」ということで、意気軒昂、明るい、愛想がいい、社交的、興奮しやすい、支配的、積極的、活動的、リスクをとる、鈍感、外部指向、陽気、大胆という特質がある。
一般に、特にアメリカ社会(あるいは世界的に)では、外向型であることが是とされ、内向型であることは後ろめたさを覚えることも多い。そのため「偽外向型」を装うこともあるとのこと。
 
静けさを愛し、慎重で思慮深い内向型はもっと社会に評価されるべき、というのが著書の結論である。内向型人間のクリエイティブな発想や粘り強さ、ち密さといった能力を存分に発揮し、社交的で行動力にあふれ瞬発力がある外向型と補完し合うことで大きな成果がもたらされるとしている。
だから、自分を内向型と認識する人であっても卑下する必要はない。
 
さらに著書にある素晴らしいメッセージ。
「人生の秘訣は、適正な明かりのなかに自分を置くことだ。ハリウッドのスポットライトがふさわしい人もいれば、机に置いたスタンドがふさわしい人もいる」。
とても勇気づけられる。
要は、自分を冷静にみつめ理解し、その上で可能性を信じ、考え行動しようということなのだろう。
 
こんなメッセージもあった。ある著名な心理学者の言葉として紹介している。
「現在が幸福でない人は過去の挫折を否定的に語る傾向が強く、前向きに生きている人は過去の挫折を『一見すると不幸に見えて、実はありがたいもの』として肯定的に語る傾向がある」と。
内向型の人間は挫折を感じることが多い。しかし逆説的に考えれば、そこに意義を見いだすことで人生の充足感につながることにもなると思う。
 
人間にはいろいろな特質がある。そして、それらを尊重した考え方やアプローチには無限の可能性を導き出す力がある。
退職後、日に日に内向型傾向が強まる自分にとっての応援の書であるように感じた。

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